【スパイスの科学】辛さの王様チリ(唐辛子)の秘密
誰もが知っている辛さの象徴である唐辛子ですが、詳しく説明できる人は少ないでしょう。
身近にある唐辛子ですが、いったいどこからやってきたのか?どんな成分を持っているのか?
今回はそんな唐辛子について紹介していこうと思います。
唐辛子の発祥
唐辛子はもともと中南米原産の植物です。その辛さからは想像ができないですが、実はナス科の野菜なんですね。
古代アステカ族は、唐辛子を儀式に使ったり、チョコレート飲料に加えたりして使っていました。チョコレートに唐辛子!と驚く方も多いかもしれませんが、意外とこの組み合わせはあるようです。
ちなみに私もアメリカに行ったときに唐辛子入りチョコを食べたことがありますが、あんまり好きな味ではありませんでした。癖が強いので人を選ぶ気がしますね。
中南米の地域で親しまれていた唐辛子は、ポルトガル商人によって当時ポルトガル領ゴア(インド)とアジア、アフリカに運ばれて、そこで栽培されるようになりました。
唐辛子の成分
唐辛子と言えば、辛さ成分のカプサイシンですが、その他にはフルーティなエステル類、柑橘系のリモネン、香ばしいピラジン類が含まれると言われています。特に生の唐辛子はフルーティ、柑橘系、爽やかな風味、甘さが際立つそうです。
正直、甘さとかフルーティとか感じたことがないので本当?と思ってしまいますが、試してみたい方は生でかじってみてはどうでしょうか(自己責任お願いしますね)
それでは、辛さ成分のカプサイシンについて見ていきましょう。
カプサイシンは油に良く溶けるため、油脂が少ない料理では辛みが抑えられます。中華料理で辛みを油に溶かしているのかこのような理由があるんでしょうか?
辛さが苦手な人は油にも要注意ですね。逆に辛みを欲する人は、是非油で加熱してカプサイシンを存分に抽出してください。
また唐辛子の辛みは表面の赤いところよりも中身のワタや種に多く含まれます。そのため、辛さが苦手な人はあらかじめワタと種を抜いて利用するのが良いでしょう。
カプサイシンの科学的性質
おそらく多くの方がこの化合物の名前を聞いたことがあるでしょう。唐辛子の辛み成分の正体です。
細胞膜の受容体TRPV1というチャネルに結合して、神経細胞が電気信号を発生させます。これが私たちが辛みや時に痛み、熱さを感じる理由です。そのため、程よく取る分には良いですが、カプサイシンの大量摂取は健康に悪いとも言われています。
この効果は口から取り入れる(経口摂取)だけでなく、他の粘膜や皮膚においても同様です。唐辛子を触った手で目をこすると激痛が走るので注意してください。
たとえば映画などでよく見る催涙スプレーにはこのカプサイシンが使われています。別名トウガラシスプレイ―というものもあるようですね。
そんなカプサイシンですが、現在はその活用の幅を広げています。
カプサイシンを使った疼痛治療薬や麻酔薬が研究されています。尖った性質は適切に利用することで私たちの生活に役立つ使い方もできるわけですね。
最後に
今回は身近なスパイスである唐辛子と特徴づけるカプサイシンについて紹介しました。
個人的にはスパイスは本当に偉大だと思います。実際に料理を作っていても、唐辛子がないとしまらないものもありますからね。
入れすぎると後悔しますが、これからも適切にエッセンスとして使っていきたいなと思います。
参考
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