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【料理を科学する】分子ガストロノミーとは

みなさんは料理が好きですか?

私は意外と料理が好きな方で、まるで日常の中実験しているような感覚になります。

このように技術者や科学者の中には料理をまるで科学のようにとらえて実践する人たちがいるわけですが、このような分野に分子ガストロノミー/分子調理学というものがあります。

今回はそんな料理を科学するということについて見ていきたいと思います。

分子ガストロノミーとは

そもそもガストロノミーとは料理を中心として食文化について考えていく学問で、社会科学的な側面を持っています。

食には歴史的、文化的な背景が強いため、芸術や人文科学といったつながりはありそうなものの物理や化学、生物学といった自然科学的なつながりはあまり感じられないかもしれません。

しかし、実際に料理という観点から見ると化学反応や物理現象と切っても切り離せない関係にありますし、食事という観点から見れば生物学や認知科学といった生体反応に関わるとも言えます。

このような自然科学的な側面から料理を見ていく学問を分子ガストロノミーや分子調理学といった表現をされるようになりました。
noteでも活躍されている樋口さんの記事では「料理は科学」ではなく、「料理も科学的に捉えることができる」と表現されています。

分子ガストロノミーという言葉については少々難しい問題があります。料理人から見た科学は、”実験的な手法を応用した料理”であって科学ではないという意見があります。一方で、分子ガストロノミーは”科学的な視点から興味深い事実を発見し、料理に活かしていく”という意味があるそうです。

そのような点から、科学者の中では料理人の仕事は分子ガストロノミーではなく、分子クッキング、分子調理法だと言われていたそうです。

専門家の立場からすると思うところはあったのかもしれませんが、素人目からしたらそんなことはどうでも良くて、料理を科学的に見て、面白い美味しいものが食べれたら楽しいなと思います。

私のnoteではその辺はあまり気にせず、料理を科学的に捉えるという視点でこれからも投稿して行こうと思います。

分子ガストロノミー/分子調理の具体例

あまり聞きなれない分野ではありますが、きっとみなさん一度は耳にしたことがあるでしょう。例えば空気の力で食材を泡にして楽しむエスプーマが有名です。

最近だとラーメンの上に出汁の聞いたエスプーマが乗っているお店もありますね。名古屋に用事があるときはほぼ確実に行くほど好きです。エスプーマと関係なしにとてもおいしいラーメンなのでおすすめです。

また介護職の分野でもエスプーマの利用が進められています。老化が進むと嚥下障害など飲み込むのが難しくなるといいます。そんな年配の方が食事を楽しめるようにと開発された泡のお寿司というのは面白いですよね。

イメージがしやすい例で行くと、人工イクラなんかはいかがでしょうか?アルギン酸ナトリウムと塩化or乳酸カルシウムによって生み出される小さな半透明の球体は味と色を付ければ、いくらそっくりになりそうです。

個人的な感覚としてはちょっとどうだろう…となりますが、これも固定概念に引きずられているような気がします。それこそ、うま味調味料は人工だから体に悪いと言っているのと近いですね。

もちろん、食べる前には安全なのか自ら考える必要がありますが、一般的に販売されていれば、それなりに信用しても大丈夫かもしれません。その辺は全て自己責任ですね。少なくとも怪しいものには気をつけましょう。

最後に

料理の技術はある種、職人的なもしくは芸術的な側面もあると思います。このような文化の中で培われた技術は科学とは相いれない時代があったかもしれません。しかし、現在ではさまざまな職人技が科学的に明らかにされ始めており、科学と職人技、科学と芸術という境界が溶けていくと考えられます。

それは料理においても同じです。私たちの身近なところにある日々の料理を科学的に捉えることで、新たなる技術の発展や、誰でもおいしい料理が作れる標準化などが一層進むでしょう。

かつてこの分野は考え方や思想などに衝突があったようですが、外野としてはみんな仲良く料理と科学を楽しんでいければいいじゃないかなと思います。

参考文献

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/70/10/70_692/_pdf/-char/ja


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