【お茶の科学】みんな知らない紅茶の違い
日本の緑茶に対して、西洋のお茶と言えば紅茶ですよね。
ただ、スーパーマーケットの紅茶売り場などを見るとダージリンやアールグレイ…とたくさんの種類がありいったい何がどう違うのか分からないと思います。
私もこれまで味の種類もまったくわかっていませんでした。
ということで、今回は紅茶の作り方と種類について調べてみました。
紅茶の作り方
まずは紅茶の作り方について見ていきましょう。
紅茶も緑茶や烏龍茶と同じ茶葉から作ることができます。後半で紹介するように茶葉の産地なども違いはあるのですが、大分類としての紅茶の違いを生み出すのは茶葉の加工方法なんです。
以前紹介した、緑茶では殺青(蒸し)→揉捻(揉み)→乾燥という手順で加工していましたが、紅茶の加工法は少し異なります。
まず、紅茶は発酵(科学的には酵素による酸化)を十分に行う必要があり、発酵を止める蒸しの工程を行うわけにはいきません。
紅茶は萎凋(いちょう)と呼ばれる茶葉をしおれさせる工程から始まります。
ここでは取り立ての茶葉の水分を半分ほど取り除き、後の揉捻(揉み)工程をしやすくします。
しおれた茶葉を揉捻機と呼ばれる機会に入れて揉んでいきます。この時点でも酸化酵素は残っており、組織細胞を揉んで破壊することで酸化酵素を空気にさらしさらに発酵を進めます。烏龍茶では揉む前に発酵を止めていましたが、紅茶はまだ発酵が続いているというのがポイントですね。
ここでは発酵が進みすぎるため、適度に冷却し発酵のスピードを調整します。
さて、揉んでつぶした茶葉は均一なサイズになるようにふるいにかけられ適切な温湿度環境下でさらに発酵を進めます。こうして緑色の茶葉は褐色の紅茶茶葉になっていくのです。
十分な発酵が進んだ紅茶茶葉は適切なタイミングで乾燥工程に送られて高熱熱風で乾燥させます。これにて水分が抜け、発酵も止まります。
もとは緑茶や烏龍茶と同じ茶葉であっても、加工の仕方によって、まったく異なる紅茶へと変貌するというは科学的に見ても面白い現象に感じますね。
茶葉の原産地の違い
紅茶茶葉の加工方法がわかったところで、お次は紅茶の種類について見ていきましょう。スーパーで売られている紅茶の違いの多くは産地の違いで説明できるかもしれません。
紅茶というとヨーロッパで嗜まれているように感じますが、その茶葉の原産国は西南アジアの国々なんです。
世界三大紅茶と呼ばれるダージリンはインド、ウバはスリランカ、キームンは中国を産地とします。
簡単に各国の有名な紅茶を紹介していきましょう。
インド:ダージリン、アッサム、ニルギリ
中国:キームン、雲南紅茶
スリランカ:ウバ、ヌワラエリア
トルコ:リゼ
ケニア:ケニア
インドネシア:ジャワ
その他の紅茶たち
ここまで紹介したのは純粋な紅茶でしたが、実は私たちが紅茶だと思っているいくつかは純粋な紅茶ではなく複数の原料を混合したものだったりします。
有名なものは、紅茶に香りがつけられているフレーバードティーです。なにそれ?と思われるかもしれませんが、みなさんも知っているはずです。
アールグレイやマスカット、アップルやピーチといった紅茶を見かけたことがあると思いますが、これらは全て香りづけされた茶葉を使ったフレーバードティーです。
例えばアールグレイは柑橘系のベルガモットの香りをつけた紅茶です。他は言わずもがな、フルーツの香りがつけられた紅茶ですね。
また近いものではセンティッド・ティーと呼ばれるものがあります。これは香料ではなく実際には花の花びらや葉を加えた紅茶です。ジャスミン・ティーやローズ・ティー、ミント・ティーがあります。
お次はイングリッシュブレックファストティーです。これも見たことがある人がいるのではないでしょうか?
このイングリッシュブレックファストティーはブレンドティーと呼ばれ、複数の茶葉を混ぜた紅茶なんです。決まった配合ルールがあるわけではなく、各社が思い思いにブレンドした紅茶です。
最後に
今回は紅茶の加工方法と種類について紹介しました。
私たちが知っている緑茶と同じ茶葉から紅茶ができるというのは驚きですよね。
それに私は調べるまでダージリンもアールグレイもイングリッシュブレックファストも同じカテゴリーに属すると思っていましたが、全然違うことがわかりました。
本当に奥の深い紅茶の世界、また新しい発見があったら紹介してみたいと思います。
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