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読書日記23 きみをしんじてる

こんばんは。えりたです。
本日、読了した書籍はコチラ。

『ラブレター』
■幡野広志
■ネコノス
■2200円+消費税
■ISBN:9784910710044

私が購入したのは
初回特装版です。
水色の封筒型の仕様になっていて
幡野さんのお写真が
サイン入りで封入されています。

お写真の他にもう一つプレゼントが。すっごくほっこりしました。

内容は、タイトル通り「ラブレター」。
幡野さんが奥さんにあてたお手紙です。

メールやDMが主流になった現代では
「手紙」というものを送ること自体
少なくなっていますよね。
私自身、「手紙」を書くのは
大好きな推しにお渡しする機会があるときと
大好きな殿に書きたいと思ったとき、
くらいです。

でも、
「手紙」を書いている時間を思い返すと
すごく幸せなんですよね。
推しや殿で心を満たしながら
伝えたい思いを翻訳したことばたちを
文字として紡いでいく。
そうして、
書いてるうちに思いがどんどん膨らんで
紙面が足りなくなり
最後のほうは文字が小さくなったりして。
(メールなどでしたら、その心配はありませんが
思いの外、長文になって驚くこともしばしば 笑)

そういえば、以前
織田信長公直筆のお手紙を見たとき
確か、お寧さまに宛てたものでしたか、
末尾になるほど
行間が詰まっていて(笑)
あの信長公も
現代の私たちと変わらないんだなと
ほほえましい気持ちになったことがあります(笑)

お手紙ってそういうところありますよね。
書いている間に
自分でも思いもよらない方に
思いが向いたり、膨らんだり。

それはきっと
相手に対する気持ちが
まっすぐに文面に写されるから。
だから、
いつもは言語化しないでいる思いが
どんどん表に出てきちゃう。

でもね。
だからこそ、私は
手紙を送る相手に対して
すっごく「ありがとう」って思うんです。
自分にあるこんな温かな思いを教えてくれて。
何より、それを言葉にして伝える機会を
与えてくれて、
ほんとにありがとうって思うんです。

そして、幡野さんもきっと
そうだったんじゃないかなぁなどと
勝手に想像しちゃうのです。

・ ・ ・

送る体裁はあれこれあれど
「手紙」って
相手に自分の思いを伝えるものなのだと
この本を読むと、改めて実感します。

日々の出来事、
それは些細なものであり
人から見たら何てことないものかもしれない。
でも、それに心を動かされ
その感情を伝えたいと思い
何より、伝えたいと思う相手がいる。
そのことこそが幸せなのだと思うのです。

この本では日々の出来事、
あるいは、息子さんの成長、
自分たちの変化を通して
感じたこと、学んだことを
幡野さんが奥さんに
「ラブレター」という形で伝えています。

いろんな出来事があり
いろんな思いがある。
綴られていくそれらの根底にあるのは
この言葉に集約されるように思います。

ぼくがいなくなっても
きみも優くんも自立できる、
だからぼくは心配はしていない。

ぼくはきみのことも
優くんのことも信じてる。

『ラブレター』表紙より

すごく強くて、しなやかな思いだなって
少し羨ましささえ感じます。

自分が、自分の大切な人たちに
何を残せるのか。
そこには、幡野さんのなかで
様々な葛藤や苦悩があっただろうと
想像します。
そして、きっと
そんな想像なんて、はるかに超える思索が
あったのだろうとも思います。
でも、そこから
幡野さんが至った思いは
とてもシンプルで。
訥々と語られる手紙の文面から
また、そのシンプルさから溢れ出る
温かさややさしさ、
何よりご家族に対する愛しさが
読む側の心をするりと整えてくれるし
ほんのりとした幸せをも感じさせてくれるのです。

・ ・ ・

「しんじる」って
すごく大きな愛。
それは
文章からだけでなく
挟まれるお写真にも満ち溢れています。

幡野さんの写されるお写真の
色味がとても好きなのですが
今回ふと
お写真のなかにある「光」の素敵さや
写る「影」の存在感にも
心を惹かれて。
そうして、
お写真の一つひとつも
「ラブレター」なのだなと今更気づき
すごくほっこりしたのでした。

・ ・ ・

この本もきっと
何度も手に取る本だと思います。
じっくり読むというよりは
何か心のざわつくことのあったとき
折に触れて、ぱらぱらと見返し
ほっと息をつける場所をくれる本だなと
思うのです。

幡野さんの率直な物言いにうなずきつつ
ご家族への大きな愛に触れ
自分のなかのどこかが
すっと素直になる感覚を持て
何より、読後に
自分なりの幸せに思いを馳せられる本です。
ぜひぜひお手に取ってみてください。

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