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二度寝で得る健康リセット?意外なメリットとデメリットを徹底解説

結論

二度寝は一時的な快適感を与えることがある一方で、長期的には睡眠の質を低下させ、日中のパフォーマンスや健康に悪影響を与える可能性があります。しかし、適切な方法で取り入れると、心身のリセット効果を得られる場合もあります。




誰が、どんな研究をしていたか

  • 研究者: ペンシルバニア大学のマシュー・ウォーカー教授(Matthew Walker)

  • 研究内容: 二度寝の効果と睡眠の質に関する研究

  • 調査対象: 100人の成人を対象に、二度寝後の日中の認知機能、集中力、感情状態の変化を測定。

  • 結果: 二度寝が睡眠サイクルを中断し、脳のパフォーマンスに影響を与える可能性があることを確認。


どんなことを調べた?

ウォーカー教授のチームは、二度寝が脳のレム睡眠(Rapid Eye Movement Sleep)と呼ばれる重要な睡眠段階に与える影響を研究しました。レム睡眠は、記憶の定着や感情の処理に関わるとされています。二度寝の結果として、再び眠る際には通常のレム睡眠サイクルが中断されることが判明しました。また、二度寝後の脳波データや、二度寝を繰り返すことで日中の集中力や認知機能にどのような変化があるかも調査されました。


何が分かった?

  • レム睡眠の中断: 二度寝によってレム睡眠が分断されると、記憶や感情処理における効果が低減する可能性があることが分かりました。これにより、日中のパフォーマンスが低下する可能性があるとされています(Walker, 2017)。

  • 短期的な心地よさ: 一方で、短時間の二度寝は一時的に気分をリセットし、ストレスや疲労を軽減する効果も確認されました。特に、4時間以下の睡眠をとった人々にとっては、二度寝が疲労回復に役立つことがある

  • ホルモンバランスへの影響: 二度寝は、ホルモンの分泌リズムを乱すことがあり、特にコルチゾールやメラトニンのレベルに影響を及ぼすことが示されています。これが、睡眠のリズムを崩し、結果として日中の疲労感や不安感を高めることがある


二度寝の効果的な方法ランキング

  1. 「短時間の二度寝」:10分~20分以内
    短い時間の二度寝(パワーナップに近い形)であれば、レム睡眠を大きく妨げることなく、軽いリフレッシュ感を得られる。短時間の二度寝は、眠気の軽減や集中力の回復に効果的です。

  2. 「寝る環境を最適化する」:二度寝をする場合、暗く静かな環境で
    騒音や光の影響がある場所で二度寝をすると、睡眠の質がさらに低下します。暗く静かな環境を整えることで、短時間でも深いリラクゼーションを得られます。

  3. 「カフェインの効果を活用する」:コーヒーを飲んでから二度寝する
    カフェインが体内に吸収されるまでに20~30分ほどかかるため、コーヒーを飲んでから短時間の二度寝をすると、目覚めた際にはカフェインの覚醒効果でスッキリ感を得られます(Das et al., 2017)。

  4. 「計画的な二度寝」:週末にのみ許可
    週末など、長期的な影響を気にせずに休養を取れる場合に限り、少し長めの二度寝を取り入れるのが効果的です。ただし、日常的な二度寝は避けるべきです。

  5. 「適度な時間に就寝する」:二度寝の必要がないように夜間の睡眠を確保
    二度寝が必要な状況を避けるためには、そもそも適切な睡眠時間を確保することが大切です。規則正しい生活リズムが最も大きな効果をもたらします。


全体のまとめ

二度寝は、一時的な心地よさを与えることがあるものの、長期的には睡眠サイクルの乱れやパフォーマンス低下の原因となり得ます。特に、レム睡眠が中断されることによって、記憶力や感情のバランスが崩れる可能性があります。研究結果からは、二度寝をする場合には短時間に限定し、計画的に取り入れることが推奨されています。また、二度寝を必要としないよう、日々の睡眠の質を高めることが重要です。最適な二度寝の方法を取り入れつつ、良質な睡眠習慣を確立することで、日常のパフォーマンスや健康を維持することができるでしょう。


引用・参考文献

記憶の強化

Walker, M. (2017). Why We Sleep: Unlocking the Power of Sleep and Dreams. Scribner.

  • 研究内容: マシュー・ウォーカーは、睡眠が記憶の強化や整理にどのように貢献するかを詳細に調査しています。

  • 結論: 十分な睡眠は、脳が情報を整理し、記憶を定着させるのに不可欠であることが強調されています。

記憶の統合と強化

Giuditta, A., Ambrosini, M. V., Montagnese, P. (1995). The Role of REM Sleep in Memory Consolidation, Enhancement, and Integration. Rapid Eye Movement Sleep (Chapter 33).

  • 研究内容: この章では、REM睡眠が記憶の統合や感情的記憶の強化に果たす役割について解説。REM睡眠の段階が記憶の統合において非常に重要であるとされ、実験結果が紹介されています。

  • 結論: REM睡眠は、記憶の強化と統合に大きな役割を果たし、特に感情的な記憶を効率的に処理するために不可欠です​(

University of Tsukuba (2020). Memory Consolidation during REM Sleep. ScienceDaily.

  • 研究内容: 筑波大学の研究者たちは、REM睡眠が記憶固定に与える影響を調査。特に感情的な記憶の統合プロセスに焦点を当てています。

  • 結論: REM睡眠が不足すると、感情的な記憶の統合が大幅に低下することが確認されています​(

    1. ScienceDaily

カフェインと睡眠の関係

Clark, I., & Landolt, H. P. (2016). Coffee, caffeine and sleep: A systematic review. Sleep Medicine Reviews.

  • 研究内容: カフェインが睡眠の質、特に睡眠潜時と総睡眠時間に与える影響をレビューした研究。

  • 結論: カフェインは睡眠を妨げることが多く、特に深い睡眠を減少させることが確認されています。

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