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とろ日記(最近)


 姉と出掛けた。
「〇〇へ行ってみようと思ってるけど、行く?」
姉からのお誘いがあったのだ。わたしたちには珍しく、当日に決まった。


わたしはフットワークが重い人間なのだが、その日は出掛けてみようかな、という気持ちになった。残っていたハヤシを少し食べ、急いで準備をする。服、化粧、髪、皿洗い、トイレ掃除…。1時間でできるだろうか…?
テテテッ テテテッ テテテテテ♪
徒競走でよく流れる曲のごとく、急ぎに急いで準備した。出発時間まで5分ほど余裕を持つという記録を叩き出した。ニューレコード!


その日は縁あって、長野県松本市へ。博物館を見てから「松本市歴史の里」へ行った。(経緯は割愛)

敷地の中に5棟の歴史的建造物があり、広さにびっくりした。

・旧松本区裁判所庁舎
・旧松本少年刑務所独房舎房
・工女宿宝来屋
・旧昭和興業製糸場
・木下尚江生家

展示・休憩棟(山本茂実展示コーナー、川島芳子記念室、シベリア抑留展示コーナー)

始めに見た旧松本区裁判所庁舎の外観、内装が好みで、おおっ!!とテンションが上がった。

正面から上手く撮れず、右側から
入口の天井。ちょいちょい見かける桜に興奮


裁判所庁舎は重要文化財にも指定されているらしい。確かに、これは残したい。


法廷を再現した展示では、裁判長たちに見下ろされていて怖い感じがした。んーこれは泣いちゃうかも。段差が何センチか書いてあったのに、写真を撮るのを忘れてしまった。裁判の内容が流れるボタンがあり、しばし聞く。死刑を求刑されて笑う。
あれ!あれは!後ろの方に、なんと法服があった!着ていいとのことで、ウキウキと袖を通す。


嬉しくてXにも投稿
裁判長に訴えかけてる風


わたしが着たのは弁護士の法服。姉は赤色の検事のものを着た。刺繍がきれい。わたしは刺繍製品が好きなんだなぁと思う。その日は空いていたのでお互いに撮影会をしてから、他の部屋へと向かった。「なんで段差があるのかなぁ。弁護士だけ下とかひどいよね〜」「弁護士は、やってるやってないじゃなくて、罪を犯したとされる人を弁護するからね〜。弁護士はどれだけ罪を軽くできるかっていうところが力量だよね〜」(言葉は違うが、そのようなこと)と言われ、本当か分からないがなるほど!と、とても納得してしまった。冤罪とかそういう考えはないのか?ひえ〜。


外は木々がさわさわと揺れ、風が心地いい。それだけで嬉しい。

朝ドラ『虎に翼』を見ているので、裁判所の展示が頭に入ってきやすかった。そしてなにより、法服を着れたことが嬉しくて満足だった。
が、他の施設の展示もおもしろくて、長居してしまった。

・旧松本少年刑務所独房舎房
→これは狭い。こわい!宇宙を考えそうだ。ほぉ〜こんな細工が。規模は違うが、ゴールデンカムイを思い出す。

・工女宿宝来屋
→日本昔ばなしの家のような、懐かしい古民家。多いときで100人泊まったと表記があり、ほんとに!?と姉と驚く。

・旧昭和興業製糸場
→少し近代的。大河ドラマ『花燃ゆ』の撮影もされたとあり、マスオさんのように声を出す「えぇ!!」姉に笑われる。

・木下尚江生家展示
→新聞記者・弁護士・小説家として活動した木之下尚江さん。いい家に住んでいる。才能を分けて欲しいと思った。

・休憩棟(山本茂実展示コーナー、川島芳子記念室、シベリア抑留展示コーナー)
→少ない展示ながらも、ほうほうと楽しむ。川島芳子って男装の麗人だよね!?と何度も訴え、当たっていて安堵するわたし。


見学が終わったあとはお茶をしに行った。落ち着いた店内でクレープ。緑を眺めながら食べ飲み、話をした。


急遽決めた予定ながら、充実していてほくほく。
フットワークの重いわたしは、軽さが持て囃される風潮が嫌だった。フットワークが重くたっていいだろう!と。でも、軽くすることでいいこともあるもんだと思った。ときどきなら、重い腰を上げてみようかな。





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