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私の転職記(6)DTPデザイナー

私の転職記、ラストになります。今現在、この会社に入社して3年目。
週一更新を目指していますが、先週は予言通り?アップできなかったー!
ももクロの夏のバカ騒ぎ2022に娘と参戦してました。
あと、息子の吹奏楽部最後の引退コンクールでした。
その話はおいおいまた。
前回の話はこちら。

前職でのおばちゃんのアドバイスの通り、自分で選び、正社員として入社できました。このご時世、正規雇用・非正規雇用の差ってなんだろうって思いますが、とりあえず倒産しない限りは毎月安定のお給料がもらえます。

私、『安定』がやっぱりいい。
フリーランスでいけるよって友人にも勧められたりするのですが、不安定な収入だと精神が安定しない。安定した収入と貯蓄があって、その上で好きな事(今だとストックイラスト)をするのがいいです。安定だけだと物足りず、安定がないと生きていけない。私の働き方はそんな感じです。


.ダンボールで使うケアマークの無料素材

今働いている会社は、ダンボールに印刷する印版を作る会社です。
DTPオペレーターとして入社して3年目になります。
営業さんが指示をする時、変なケアマークをエクセルやパワポで貼り付けて指示してくるので、正しいケアマークを知ってもらう意味でも表にしてみました。
よろしければどうぞ。

DTPオペレーターって?

私は元々はグラフィック関係の出身ではありません。
ファッションデザイン専門学校出身の元アパレルデザイナーです。
結婚、出産を機に色々転職を繰り返し、今に至ります。
だから、最初はDTPって何をする職業なのか、ネットで調べた程度の知識しかありませんでした。ただ、求人で『Illustratorを使用できる人』っていうキーワードで探すと必ず出てくる職種です。

DTPオペレーターとは?
DTPオペレーターは、デザイナーが作成した原案をもとに印刷物を完成させるため、パソコン上でデータを調整・加工・修正する仕事です。 DTP(DeskTop Publishing)とは、パソコンでデータの作成・編集・加工を行い、データを出力して印刷物をつくることをいいます。

DTPオペレーターという職種が初めてでドキドキしていましたが、入社してしばらくたった頃、他の会社のDTPオペレーターってどんな事をしていたのか、仲良くなったオペレーターの前職や体験談を聞いてみました。

オペレーターAさんの前職は教科書や書箱(教育関係の書箱だそうです)のデータの流し込み。イラストも文字の内容もすべて決まっていて、それを本にするための知識を使ってIllustratorで流し込んで作成する仕事だったそうです。Aさんはトレースができません。絵も描けません笑
オペレーターBさんは、主に年賀状やポストカードだったそうですが、決まったデザインにお客様の依頼の文章や住所を決まったデザインの配置場所に流し込むお仕事。今流行りの写真を本にするアプリがありますが、そういうアプリからの入稿されてきたものを、印刷できる状態に仕立て直す仕事だったそうです。アルバイトで入って、そこで1からIllustratorを学んだって言ってました。小さいイラストくらいは描いたりしていたようです。
オペレーターCさんは、チラシやギフトカタログを作ってたと言ってました。こちらも、入稿されたデータを元に、きれいに決まったルールに沿って配置する作業で、たまにPhotoshopで画像を加工したりというのがあった程度で、デザイン業務はなかったそうです。

DTPオペレーターという職業は、印刷をする上での知識(色の指定やCMYK、RGBの知識、組版や面付けの知識などです)は必要だが、デザインに関する知識は特になくてもできる職種なんだなぁというのが実感したところです。
むしろ、ミスが少なく、デザインとして認識せずに、製版できるかどうかを判断できる目が養われている人の方が向いていると思います。

グラフィックデザイナーがデザインを主に仕事としているのに対して、DTPオペレーターはそのデザインを使って印刷するためのデータを作成する仕事っていうのがざっくりとした違いになります。

じゃ、DTPオペレーターとDTPデザイナーの違いってなんだろう?

入社の時の面談で、現状デザインができる人が1人しかいない(課長だった)ので、しばらくはオペレーターとして知識を積んで、ゆくゆくは私にDTPデザインを任せたいと言われたのですが、DTPデザインってどういう事をするんだろう?って思っていました。
3年目にして今、まさにそれを任せれつつあるので、それを書こうと思います。

フレキソ印刷の製版オペレーター

私の会社のDTPとはフレキソ印刷の製版オペレーターです。

フレキソ印刷とは?
フレキソ印刷とは、版の素材にゴムや合成樹脂を使用した凸版印刷方式の一種。 インキ供給にアニロックスロール(金属製)を用い、ダンボールやパッケージ、布などの印刷に多く利用されています。 また、アニロックスロールの交換で、簡単に画質の調整ができます。 さらに、溶剤インキや水性インキ、UVインキ全てが使用可能。

誰もが知っているような大手メーカーと、ダンボール製造の会社がお客様です。

大手メーカーのデザイナーから頂いた入稿データ(商品のパッケージデザイン)を元に、ダンボールに印刷する印版のデザインを作成します。
そのダンボールに印刷する方法がフレキソ印刷で、その知識が必要となります。
大手メーカーのグラフィックデザイナーはフレキソ印刷のルールは全く無視でデザインを起こしてくるので、私たちDTPオペレーターはそのデザインを元に、フレキソ印刷で印刷できるデータに修正しなくてはなりません。その作業をIllustratorを使って作ります。それが私のDTPオペレーターとしての仕事です。

ざっくりと書くとこんな流れです。

大手メーカー(お菓子、飲料水、物流会社など)
 ↓  ①デザイン依頼     ↑
製版会社(私の会社)     ↑ ③段ボール納品
 ↓  ②印版作成及び納品   ↑
ダンボールメーカー(印版を使ってダンボール製造)

商品のロゴやパッケージは大手メーカー専属のグラフィックデザイナーが作るので、私達のところには制作途中もしくは商品開発中(まだ市場に出ていない)のパッケージデザインが入稿されます。

余談ですが、今、私はストックイラストをやっています。
入稿データみて、これASで見たな、とか、これACで見たな、ってイラストも入稿されます。
そして、私のところに入稿してくる時期というのは最終段階なので、逆算をすると季節のイラストをデザイナーが探す時期を割り出せたりします。
デザイナーが使うイラストや完成形のデザインをたくさん見られるっていうのは、ストックイラストをやっていく上で有利だなって思います。
ただ、その絵が得意か不得意か、自分が描けるか描けないかは別問題ですけどね。

DTPオペレーターとしての通常業務

大半はこれです。
こんな感じで指示が来て、その通りに原寸データを作ります。(※得意先によって入稿方法が異なりますが、ほぼこんな感じという例として自分で書きました。本物ではないです。念のため。)

例A

コンビニやスーパーでよく見るダンボールケースです。

ダンボールに印刷するITFコードやJANコードを作り、指定されたフォントやロゴを使って実物サイズの製版データを作ります。
これを作るときにNGな点やルールがたくさんあるので、フレキソ印刷の知識が必要になります。
罫線から〇〇mm以下はダメ、とか、色の組み合わせは3色まで、とか、色と色の重ねの知識、グラデーションの場合は網点化、その場合の線数や角度の知識、また製版の時の面付けの知識や、紙の縮みや縮率、ロールに巻いて印刷する際の円周率から計算した縮率などの知識です。私はそれを入社して1年くらいかけて徹底的に叩き込まれました。
この歳になって新しい事を覚える機会があるってとても幸せな事だと思います。

私の場合、過去にTシャツのプリントをデザインしていたのですが、その顔料プリントっていうプリント方法の知識とそっくりでした。
アパレルデザイナー時代の話をこちらで書いてます。

紙の縮率も、布の縮率と理論は一緒だし、面付けもアパレルのデザイナーの時に型紙を布に効率よく並べる仕事とほぼ同じ、紙目というのがあるのですが、それも布の地の目と同じでした。だから理解がすごく早かったと思います。
なんか、アパレル時代から職種は違えど一周して戻ってきた気がします笑

1年間、淡々とDTPオペレーターの仕事をこなしました。
ちょうどコロナが流行し始めた2019年〜2020年で、当時6年生だった息子は卒業式がなくなったり、入学式がなくなったり、学校が休校になったりと大変な時期ではありましたが、人が家に篭り、ネット注文をするようになった分、ダンボール業界は流通業界が逆に盛んになり不況知らずでした。

私の会社のDTPオペレーターは、基本的には全ての業務を誰が休んでも滞らないように全て共有されています。そして誰でもできる業務です。
それはアパレルの時代、私しかできない業務(ブランド)で休むと雪だるま式に仕事が増えて積んでしまった過去がある私にとってはとてもありがたいことでした。

それでも得意先によってなんとなくの振り分けがあります。
基本、誰でもできるようには指導されていますが、オペレーターにも得意不得意や性格があります。仕事なので、最終的に得意分野の方が早くて確実なものができるから、まぁそうなりますよね。

まず前職で教育関係の書箱のDTPをやっていたAさんは、トレースやデザイン物は不得意ですが、ミスが圧倒的にないので、大手の絶対に間違えてはいけない得意先を担当しています。ものすごい大きな金額が動く会社なのでミスは致命的となる為、この得意先の案件はほぼほぼAさんです。ただ、デザインは本当に苦手で、トレース案件がくると逃げます笑
ただ、私はそそっかしいのでこの得意先は危ないって、任せてもらった事がありません汗

前職はアルバイトから始めたBさんは、淡々と同じような案件をこなすのが得意です。配置は同じでバーコードと品名・品名コードを変更するだけの案件ってすごい量があるんですが、そのような案件を淡々とこなすのが得意なのでBさんのところにいきやすいです。私は同じ作業の繰り返しは吐き気がしてくるので正直不得意です汗

ギフトカタログをやっていたCさんは、まだ子供が小さいので時短社員です。
新規案件で他のオペレーターが手が回らない時など痒い所に手が届く系で、できる範囲で拾ってこなしてくれています。とてもありがたいです。

で、デザイン物。
こちらは今までは課長しかできなかったので、ほぼ課長がやっています。
ただ、最近はそのデザイン提案の案件が増えつつあって、課長だけが毎日遅くまで残業ということが増えていたので、その案件を私ができるようになる為、課長の直下で指導を受けてきました。
入社して3年目。課長に頼らなくてもできることが増え、少しずつですが私だけの案件が増えてきました。今、仕事がすごく楽しいです。

DTPデザイナーの仕事

こんな感じで依頼が来ます。(※本物っぽい感じで自分で書きました。念の為。)

例B

上記は例なのでA式ダンボール(みかん箱とも呼ばれます)の図面で書いていますが、ダンボールの形状も多々あり、デザイン案件はラップ式(ペットボトルなどのダンボールケース)と呼ばれる図面が多いかもしれません。

DTPオペレーターの仕事に比べるとおまかせ部分が多いです。
ごちゃごちゃ書かれているところから、ひとつずつ読み解いて作成します。
所々、『おまかせ』な部分があります。
お客さんと営業さんが商談で話していた内容とそのイメージをDTPの知識を入れつつ作成する感じです。もちろんNGで没になることもたくさんあります。
5パターン作成してくださいって言われることもあります。

お客様はというと、農家の人や個人事業の人が多いです。野菜とかお米とか、通販サイトとか。事業主からお客様に直接届くパターンの場合です。
また、大手の案件も増えてきました。コロナの影響もあり、大手もネット通販に力を入れる会社が増えたからです。商品が店を介さずにそのまま直接お客様に届くケースでもあるため、店頭に並ぶ商品のように、陳列するスーパーの人がわかりやすいように品名ドーン!ケアマークドーン!というダンボールではなく、ダンボールも商品の一部となってきています。

肩書きはDTPオペレーターなので、仕事の大半はオペレーターなんですが、それとは別に、納期のあるデザインコンペのある仕事も何割かやっています。
この案件の時に、私もよくストックイラストから探します。だって、納期もあって、他の案件もあるのにチマチマとイラストなんて書いてる時間なんてないっ!

ストックイラストのヒントはここです笑
タグ付けも重要ですね!

こんな感じで楽しく仕事をしています。家から車で15分くらい。途中に息子の中学校もあります。
また、とってもホワイトで、残業は基本禁止です。申請しないと残れないので、遅くても家に着くのは19時前。最近は子供達も部活やバイトで帰宅時間が遅くなった分、1番早く帰宅するのが私になりました。
その分、社員といえども給料は低めで、都内のアパレルで派遣社員の頃より収入は落ちましたが、時間に余裕がある分趣味も楽しめるし、なにより心が安定しています。
もう転職活動は面倒だししたくないなぁ。

後記

こんなに長くシリーズとなると思わなかった転職記。
書き始めたきっかけは、転職記(1)の記事に書いた通り、すき家のパートの社員がワンオペ中に亡くなったというニュースから、その記事を書こうと思ったところからなんですが、色々自分の中でも消化できていなかった悔しかった思いとか育児中の辛さとかが、文章にしてまとめることで浄化された気がします。
書き始めたの6月なのね。長かったわー。
書いてよかった!!

また、すき家の記事を書いてから、不思議なことにイラストにした男の子や女の子にばったり会いました。

私をすごく助けてくれていた男の子は、当時、すき家でバイト中に付き合ってた女の子とめでたく結婚して、今現在2歳の子供がいました。
2人が子連れで仲良くスーパーで買い物中に、ばったり会いました。なんて偶然!
私の後にリーダーを引き継いでくれた女の子も、4歳の男の子がいてばったりファミレスで会いました!それもすごい偶然!!
この男の子にうちの子が使っていたおもちゃを最近あげたんですが、それも記事で書きたいなぁって思っています。

偶然なんだけど、必然な気がします。運命かな!笑
私が記事で引き寄せたかな。

そして、ストックイラストも頑張っています。副業OKなので、会社の人も知っています。
冒頭に書いたとおり、安定があってこそ精神が安定して好きなことができます。
ストックイラストもすごいダウンロード数があってウハウハってことはないですが、毎日早起きしちゃうくらい楽しんでいます。
時給に換算すると200円もしてないんだけど。

ダウンロードされるイラストがわかる洞察力は、自分で言うのもなんだけどあると思います。人のイラストや、この人ランキングいくな、とか、結構わかるし当たる。
それを描けば私も成功するのはわかるんだけど、そのイラストを描けるか描けないかは別問題で、私のイラストって、その類のイラストじゃないから描いても下手。だから描かない笑

家で描く絵くらい、好きな絵を描きたいのが本音ってやつで、ストックイラストの方はぼちぼちくらいのダウンロード数ですが、それでも楽しんでやれているのは本業があってこそかなぁと思っています。

この仕事とても楽しいです。仕事を楽しいって幸せなことだなぁ。

最後までお読みいただきありがとうございました。
私の転職記、完。

実はこの続き3年後を書きました。よろしければ。


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