息子と私の予防接種奮闘記。「注射とチョコレート」
こんにちは、eringishimejiです。
小学生の子ども2人を育てています。
今日は、「昨年もお世話になりましたシリーズ」(初耳)として、病院編、その中でも予防接種について書いてみたいと思います。
※予防接種については賛否あるかと思いますが、わが家ではリスクを踏まえた上で、病気から身を守るために、打てるものはなるべく打つ方針にしています。
*
とにかく注射が大大大の苦手な息子(小1)。
まず、ちょっとした痛みでも敏感に反応。さらに針を刺すという日常ではあり得ない状況の緊張感。先生との相性。
その日の状況で、どれくらい騒ぐか分からない。
予防接種のたびに、私もかなりの覚悟と気合いで臨まなければ、無事に任務完了することはできない(大袈裟と思いますよね?でも本当なんです 泣)。
そんな息子と母の奮闘記である。
流行病のワクチン接種は、引っ越したばかりでかかりつけ医がなく、なかなか予約が取れなかった(一見さんお断りのところが多い)。
それで微妙に遠い小児科で受けることになったのだが、案の定、大暴れ。
看護師さんのおかげでなんとか接種できたが、疲労困憊(こんぱい)で帰宅。
だから、インフルエンザの予防接種は2回受けないといけないし、近場にしようと心に決めていた。
そんなある日。
娘の視力検査で初めてお世話になった眼科にて。
受付の方がとても感じが良い。
先生は60歳代くらいの温和なおじさま。
眼科だけど漢方薬や生活習慣の話などもされる。
院内のインテリアの雰囲気はかなり独特だが、嫌いじゃない。
(待合室の真ん中に和風のお屋敷にありそうな木の厚切りテーブル配置。スピリチュアルな雰囲気の石とか本がたくさん。ガラス張りの飾り棚にアニメやキャラクターのフィギュアが多数。おもちゃや絵本も備えてある。)
ちょっとオタク心をくすぐるような空間。
色々コレクターだな、先生。
視力検査の会計時、受付に貼り紙を発見。
「インフルエンザ予防接種できます」
ここしかない!直感的にそう思った。
しかも息子の習い事のすぐ近くだ。
この個性的な空間で、息子の気も紛れるかもしれない。
それで、息子の習い事の後に受けようと、1週間後に予約した。
予防接種当日。
習い事が終わるまで注射のことは内緒にしていた。
騙すわけではないが、気にする時間は短い方がいいだろうと思って。
しかも習い事まで行かない、となるのも面倒だったので。
習い事が終了し、外に出る。
ーー今日ね、これから、注射なの。
息子「え、誰が?」
ーーえっと、みんなで。
私も娘も一緒に予約していた。
息子「え、嫌だ。」
ーーだよね〜。でももう着いたの、ここ。
すでに歩いて眼科の入口に到着。
ーー急で悪いけど、がんばろ!今年はインフルエンザ流行るんだってよ。打ってたらきつくないから。
息子はそんなことどうでもいいはず。
初めての場所も、初対面のおじさんも苦手なの知ってる。
でも、今日、ここしかないんだ(母の決意)。
渋々、院内に入る息子。
「こんにちは〜!」
やっぱり感じの良い受付の方に救われる思い。
予約の時に息子がおそらく騒ぐことを伝えていたが、快く了承してくれていた天使のような方だ。
木製厚切りテーブルで問診票を書く私。
待合室をキョロキョロ見渡す息子。
ーーいいぞ、いいぞ!その調子で気を紛らすんだ!!
誰から打つ〜?と相談していたら、思ってたより早く呼ばれてしまった。
先生、まだ、心の準備が!!
とりあえず私と娘が先に打つ。
ーー全然痛くないね!!
オーバー気味に笑顔になる私と娘。
うんうん、いい感じだ!
確かに、皮膚を厚めにつまんでくれるせいか、痛みがいつもより少ない気がした。
それでも無痛ではないのだが。
先生「じゃあ最後に息子くんね。」
とりあえず聴診はできた。
でも注射器を見た瞬間。
息子「嫌だあ〜!帰るう〜!!泣」
しーんとした院内に響き渡る息子の叫び声。
小児科ではないので、待合室には視力検査やコンタクト購入に来られたであろう方が10人ほど。
お騒がせしてすみません。
と思う余裕もない私。
先生「お母さん、股で挟んで!」
ここで気付いた。
小児科、内科ではないから、先生につく看護師さんがいないのだ。
ーー承知しました!!
がちっ!
股で思いっきり息子の太腿を挟む。
力いっぱい抵抗する息子。
暴れる君と化す!
ジタバタジタバタ!!
あれ?いつの間にか娘がいない。
手伝ってくれよー。
さては、身内と思われたくなくて待合室に行ったな。
でも気持ち分かる!
本当に力が強くなったもんだなと成長を感じながらも、必死に息子を挟む私。
息子「嫌だって言ってるじゃ〜ん!今日はやめてえぇ〜!針痛いってえ〜!ぎゃーん 泣」
泣きたいのはこちらですよ。トホホ。
でもそこはさすが男性の先生。
息子の腕をがっちりホールドし、皮膚をつまんで固定、あっという間に打ってくれた。
多分2秒くらい。
ーーう、うまい!!
息子は一瞬、うっと痛そうな表情をしていたが、呆気に取られている間に注射は終了した。
むしろ、押さえ付けられた身体の方が痛かったはず。
先生にお礼を言って、しずしずと待合室に移動する私。
「痛い」「痛かった」「何で今日打つの」を何度も連発する息子。わりとしつこい。
ほんとはそんなに痛くなかったと思うよ。
しばらくすると落ち着いた。
私はやっぱり疲れて、ため息をつく。
「あと1回、またこれやるのか。。」
注射の後は15分くらい院内で待機。
その時気付いたが、次に呼ばれたのも小さな子だった。3歳くらいだろうか。
注射いやだーと泣き叫んでいる。
ああ、仲間がいた(いや、だいぶ小さな子だけれど)。
憔悴しきった様子で出てくるお母さん。
顔を見合わせるまではないが、気持ちが分かりすぎて、もはや同士。
しばらくするとその小さな子も落ち着き、おもちゃで遊んでいる。
と、その時。
診察の合間を縫って、先生が診察室から出てきた。手に赤いものを持っている。
?
「はい、これ。頑張ったからね。ご褒美だよ。」
にっこり笑って渡してくれたのは、あの有名なチョコ菓子。
うちの子たちと、さっきの3歳くらいの子に一つずつ手渡ししてくれる先生。
ずーんと沈んで真っ暗だった私の心に、ぽっと小さな灯りがともった。
ーーあ、ありがとうございます!!
子どもがお礼を言うより先に、私が感謝の言葉を述べていた。
あんなに騒いで暴れて、ご迷惑をお掛けしたのに。
先生だってやれやれと思ったはずなのに。
注射を受けた子どもにもだけど、私たち親にも労いの気持ちでくれたチョコレートのような気がして、本当にうれしかった。
さっそくいただいたキットカットを食べる息子。
「うんめ〜(おいしい)!」
調子いい奴。
でも、よかったね。
お会計でもやっぱり受付の方が優しくて。
ありがたい。
さらに2週間後。
結局、 2回目の接種も同じ先生にお世話になる。
今回は息子に先に伝えていた。
了承を得て臨んだ。
だが、1回目ほどではないが、やはり騒ぐ息子。
それでもなんとか無事に打ち終わる。
そして、待合室で一言。
「ねえ、今日は泣かなかったよ!(ドヤ顔)
で、あのチョコはないの?」
しかもまあまあのボリュームで。
どの口が言うんですかね、息子さん。
すると、少ししてから先生が診察室から出てきて、また例のキットカットを渡してくれた。
あー、、聞こえてましたよね。
今回は顔から火が出るほど恥ずかしい私。
なんてこった。
息子「やっぱ、うんめ〜!」
土偶のような表情になる私。
でも、いいんだ。無事に終わったから。
先生、大変お騒がせしましたが、無事に2回接種できました。
また来年もお世話になるかもしれませんが、よろしくお願いします。
そして、チョコレート、ほんとにありがとうございました。
さて、この奮闘劇、いつまで続くのだろうか。
今まで色んな内科、小児科に行ったが、すんなり打てたことはない。
でもきっといつまでもってことはないだろうから、いつかは終わるのだろう。
注射一つでこれだけ大騒ぎだったんだと、優しい方々に救われたんだと残すために書いておく。
将来の息子、できれば反抗期にでも読んでおくれ。
みんなそうだけど、君は1人で育ったんじゃない。
忘れないでね。
*
似たような経験をされた方はたくさんいらっしゃるかと。
迷惑をかけたり、かけられたりしながらの子育てですよね。
親も忍耐力が鍛えられます。
でもそれが子育ての醍醐味でもあるような。
手を離れたらさみしいものなんでしょうか。
うちはまだしばらくは続きそうです。
※画像、お借りしました。
息子ネタはこちらにも。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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