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息子と私の予防接種奮闘記。「注射とチョコレート」


こんにちは、eringishimejiです。


小学生の子ども2人を育てています。

今日は、「昨年もお世話になりましたシリーズ」(初耳)として、病院編、その中でも予防接種について書いてみたいと思います。

※予防接種については賛否あるかと思いますが、わが家ではリスクを踏まえた上で、病気から身を守るために、打てるものはなるべく打つ方針にしています。



とにかく注射が大大大の苦手な息子(小1)。

まず、ちょっとした痛みでも敏感に反応。さらに針を刺すという日常ではあり得ない状況の緊張感。先生との相性。
その日の状況で、どれくらい騒ぐか分からない。


予防接種のたびに、私もかなりの覚悟と気合いで臨まなければ、無事に任務完了することはできない(大袈裟と思いますよね?でも本当なんです 泣)。

そんな息子と母の奮闘記である。


流行病のワクチン接種は、引っ越したばかりでかかりつけ医がなく、なかなか予約が取れなかった(一見さんお断りのところが多い)。
それで微妙に遠い小児科で受けることになったのだが、案の定、大暴れ。
看護師さんのおかげでなんとか接種できたが、疲労困憊(こんぱい)で帰宅。

だから、インフルエンザの予防接種は2回受けないといけないし、近場にしようと心に決めていた。

そんなある日。

娘の視力検査で初めてお世話になった眼科にて。

受付の方がとても感じが良い。

先生は60歳代くらいの温和なおじさま

眼科だけど漢方薬や生活習慣の話などもされる。

院内のインテリアの雰囲気はかなり独特だが、嫌いじゃない。

(待合室の真ん中に和風のお屋敷にありそうな木の厚切りテーブル配置。スピリチュアルな雰囲気の石とか本がたくさん。ガラス張りの飾り棚にアニメやキャラクターのフィギュアが多数。おもちゃや絵本も備えてある。)

まさにこういうテーブル!
こんな感じの石もたくさん。


ちょっとオタク心をくすぐるような空間。
色々コレクターだな、先生。


視力検査の会計時、受付に貼り紙を発見。

インフルエンザ予防接種できます

ここしかない!直感的にそう思った。

しかも息子の習い事のすぐ近くだ。

この個性的な空間で、息子の気も紛れるかもしれない。

それで、息子の習い事の後に受けようと、1週間後に予約した。


予防接種当日。

習い事が終わるまで注射のことは内緒にしていた。

騙すわけではないが、気にする時間は短い方がいいだろうと思って。

しかも習い事まで行かない、となるのも面倒だったので。


習い事が終了し、外に出る。

ーー今日ね、これから、注射なの。

息子「え、誰が?」

ーーえっと、みんなで。

私も娘も一緒に予約していた。

息子「え、嫌だ。」

ーーだよね〜。でももう着いたの、ここ。

すでに歩いて眼科の入口に到着。

ーー急で悪いけど、がんばろ!今年はインフルエンザ流行るんだってよ。打ってたらきつくないから。


息子はそんなことどうでもいいはず。

初めての場所も、初対面のおじさんも苦手なの知ってる。

でも、今日、ここしかないんだ(母の決意)。

渋々、院内に入る息子。

「こんにちは〜!」

やっぱり感じの良い受付の方に救われる思い。

予約の時に息子がおそらく騒ぐことを伝えていたが、快く了承してくれていた天使のような方だ。

木製厚切りテーブルで問診票を書く私。

待合室をキョロキョロ見渡す息子。

ーーいいぞ、いいぞ!その調子で気を紛らすんだ!!

誰から打つ〜?と相談していたら、思ってたより早く呼ばれてしまった。

先生、まだ、心の準備が!!

とりあえず私と娘が先に打つ。

ーー全然痛くないね!!

オーバー気味に笑顔になる私と娘。

うんうん、いい感じだ!

確かに、皮膚を厚めにつまんでくれるせいか、痛みがいつもより少ない気がした。

それでも無痛ではないのだが。

先生「じゃあ最後に息子くんね。」

とりあえず聴診はできた。

でも注射器を見た瞬間。

息子「嫌だあ〜!帰るう〜!!泣」

しーんとした院内に響き渡る息子の叫び声。

小児科ではないので、待合室には視力検査やコンタクト購入に来られたであろう方が10人ほど。

お騒がせしてすみません。
と思う余裕もない私。

先生「お母さん、股で挟んで!」

ここで気付いた。

小児科、内科ではないから、先生につく看護師さんがいないのだ。

ーー承知しました!!

がちっ!

股で思いっきり息子の太腿を挟む。

力いっぱい抵抗する息子。

暴れる君と化す!

ジタバタジタバタ!!

あれ?いつの間にか娘がいない。
手伝ってくれよー。
さては、身内と思われたくなくて待合室に行ったな。
でも気持ち分かる!

本当に力が強くなったもんだなと成長を感じながらも、必死に息子を挟む私。

息子「嫌だって言ってるじゃ〜ん!今日はやめてえぇ〜!針痛いってえ〜!ぎゃーん 泣」

泣きたいのはこちらですよ。トホホ。

でもそこはさすが男性の先生。

息子の腕をがっちりホールドし、皮膚をつまんで固定、あっという間に打ってくれた。

多分2秒くらい。

ーーう、うまい!!

息子は一瞬、うっと痛そうな表情をしていたが、呆気に取られている間に注射は終了した。

むしろ、押さえ付けられた身体の方が痛かったはず。

先生にお礼を言って、しずしずと待合室に移動する私。

「痛い」「痛かった」「何で今日打つの」を何度も連発する息子。わりとしつこい。

ほんとはそんなに痛くなかったと思うよ。

しばらくすると落ち着いた。

私はやっぱり疲れて、ため息をつく。

「あと1回、またこれやるのか。。」


注射の後は15分くらい院内で待機。


その時気付いたが、次に呼ばれたのも小さな子だった。3歳くらいだろうか。
注射いやだーと泣き叫んでいる。

ああ、仲間がいた(いや、だいぶ小さな子だけれど)。

憔悴しきった様子で出てくるお母さん。

顔を見合わせるまではないが、気持ちが分かりすぎて、もはや同士。

しばらくするとその小さな子も落ち着き、おもちゃで遊んでいる。


と、その時。

診察の合間を縫って、先生が診察室から出てきた。手に赤いものを持っている。

「はい、これ。頑張ったからね。ご褒美だよ。」


にっこり笑って渡してくれたのは、あの有名なチョコ菓子。

キットカット。赤パッケージ。


うちの子たちと、さっきの3歳くらいの子に一つずつ手渡ししてくれる先生。


ずーんと沈んで真っ暗だった私の心に、ぽっと小さな灯りがともった。

ーーあ、ありがとうございます!!

子どもがお礼を言うより先に、私が感謝の言葉を述べていた。

あんなに騒いで暴れて、ご迷惑をお掛けしたのに。

先生だってやれやれと思ったはずなのに。

注射を受けた子どもにもだけど、私たち親にも労いの気持ちでくれたチョコレートのような気がして、本当にうれしかった。


さっそくいただいたキットカットを食べる息子。

「うんめ〜(おいしい)!」

調子いい奴。

でも、よかったね。

お会計でもやっぱり受付の方が優しくて。
ありがたい。



さらに2週間後。
結局、 2回目の接種も同じ先生にお世話になる。

今回は息子に先に伝えていた。
了承を得て臨んだ。
だが、1回目ほどではないが、やはり騒ぐ息子。

それでもなんとか無事に打ち終わる。

そして、待合室で一言。

「ねえ、今日は泣かなかったよ!(ドヤ顔)

 で、あのチョコはないの?」

しかもまあまあのボリュームで。

どの口が言うんですかね、息子さん。


すると、少ししてから先生が診察室から出てきて、また例のキットカットを渡してくれた。

あー、、聞こえてましたよね。

今回は顔から火が出るほど恥ずかしい私。

なんてこった。

息子「やっぱ、うんめ〜!」

土偶のような表情になる私。


でも、いいんだ。無事に終わったから。


先生、大変お騒がせしましたが、無事に2回接種できました。

また来年もお世話になるかもしれませんが、よろしくお願いします。

そして、チョコレート、ほんとにありがとうございました。



さて、この奮闘劇、いつまで続くのだろうか。

今まで色んな内科、小児科に行ったが、すんなり打てたことはない。

でもきっといつまでもってことはないだろうから、いつかは終わるのだろう。

注射一つでこれだけ大騒ぎだったんだと、優しい方々に救われたんだと残すために書いておく。

将来の息子、できれば反抗期にでも読んでおくれ。


みんなそうだけど、君は1人で育ったんじゃない。

忘れないでね。




似たような経験をされた方はたくさんいらっしゃるかと。

迷惑をかけたり、かけられたりしながらの子育てですよね。

親も忍耐力が鍛えられます。

でもそれが子育ての醍醐味でもあるような。

手を離れたらさみしいものなんでしょうか。

うちはまだしばらくは続きそうです。


※画像、お借りしました。


息子ネタはこちらにも。


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