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夏の実家帰省、今だから分かる幸せをかみしめる。


夏休みのある週末、1泊2日で私の実家に帰省した。


朝早く車で自宅を出発し、約2時間かけて実家に到着。両親と会うのは、GW以来だ。


田舎の一軒家の実家は、マンション暮らしの私たちにとっては、普段できないことができる最高の環境だ。マンションでは、隣接するお宅への騒音を気にして、飛んだり跳ねたりも子ども達が思うようにはできないから。

前もってお願いしていたので、母が庭にプールを用意してくれていた。割と大きめのビニールプール。小3息子も中1娘も、さっそく水着に着替えて水遊び。息子は最近覚えたばかりのクロールを披露している。といっても、プールの底にお腹がぴったりつくほど浅いのだけれど。

パラソルも立ててくれていたが、なんせ暑い。暑すぎる。でも2人とも、照り付ける太陽にも負けず、2時間くらい遊び続けていたらしい(私は途中、外出した)。挙句の果てには、ホースのシャワーで水かけ合戦が始まり、母もびしょ濡れになるという被害に。お母さん、ごめんね。

お昼は、父にランチビュッフェに連れて行ってもらう。夜は、天ぷらに煮物、採れたて野菜のサラダなど、母の料理が並ぶ。あー、ありがたい。

娘の私は、たいした手伝いもせずに、ちょっと買い出しに行き、子ども達とのんびりオセロをし、ゆっくりとお風呂に入り、ビールもいただき、オリンピックを観る。ここは極楽か。

ご飯の後は、庭で花火。最近は公園でも花火ができないので、本当にありがたい。夫と私も童心に返って、子ども達と一緒に手持ち花火を楽しむ。

パチパチ、シューっと光る花火を見ていたら、なんだかとても満たされる気分になった。アルコールのせいもあるかも。なぜか息子だけが蚊に刺され、痒い痒いと大騒ぎしていた。


家の中では、騒音を気にせず走り回る。息子は、体操教室で練習している三点倒立や逆立ち、側転を披露。両親に「おー、すごいなあ!」と褒められて、息子さん、鼻高々。

柱には、孫たちの成長の記録。訪れる度に、身長を測ってもらい、マジックで印を付けてあるのだ。「あ!〇〇ちゃん(いとこ)に近付いた!」と娘。息子は、数年前の自分の印に身をかがめ、「こんなに小さかったんだ~」と成長をしみじみ感じている。それを、目を細めて見守る両親。なんとも微笑ましい光景だ。

娘は、宿題で出ていた短歌の宿題があり、俳句が趣味の父にアドバイスを求めている。弟(息子)がなぜかゴーヤが好きだということをテーマに作っていた。「題材が面白い」、「短い句の中にどんな言葉を選ぶか、悩んで作るのが俳句の醍醐味」などと、父に褒められたり教わったりして、何となく句が完成していた。よかったね。

子ども達は、実家に来ると仏壇に手を合わせることも当たり前になっている。息子は面白がって線香を何本も立てていたのだが、途中で指を線香の火に当ててしまい、軽く火傷した。痛がって大騒ぎ。母が庭からアロエを取ってきて指に塗り、アイスノンで冷やしてくれた。やっちゃいけないことを、また1つ知った息子。いい勉強になったね。ご先祖さまもきっと見ているよ。

そうやって実家で過ごしていると、何気ないことでも、子ども達にとっては、1つひとつが大切な思い出になるんだよなあと感じる。私が子どもだった頃に祖父母宅で経験したことを、今でもうっすら覚えているように。

それに、子ども達と両親との触れ合いが、すごくいい。孫の成長を何よりも楽しみにしてくれているし、子ども達も、甘々なじいちゃんばあちゃんが大好きだ。コロナ禍ではこういう触れ合いもご法度だったよなあ。両親がまだ元気だからできることなので、感謝しなくちゃ。



実は私は、中高生の頃、田舎すぎる実家の町があまり好きではなかった。ちょっと厳しめの母とも離れたくて、迷わず県外の大学を選択した。


そんな私が、今では、この町に、実家に、父と母に癒されている。海も山も見えるこの町がとても好きだし、育った景色を前にすると、心が落ち着く。実家での時間も、とても有意義に感じるのだ。

それは、出たからこそ分かることでもあるし、私が大人になり、子育てをするようになったからこそ感じられることなんだろう。


だから、あの頃の私に伝えてあげたい。今あんまり好きじゃないかもしれないけれど、その場所が心から大切に思える時がくるよ、と。そして、「帰れる場所がある」っていうのは、本当に幸せなことだよ、と。


今回、久しぶりに帰省して、改めてそんなことを考えていた。



自宅に戻り、「無事に帰り着いたよ。」とメールを送っていたら、母からすぐに返事が来た。

「楽しい時間をありがとう。」

と書かれていた。母と同じ気持ちになれていることが、素直にうれしい。


こちらこそですよ、お母さん。色々とありがとう。きっと疲れたよね。でも、また遊びに行くね。


次は、父の畑で芋堀りに参加することになりそうだ。



最後まで読んでいただきありがとうございました♩

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