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夢をみつけて何者かになりたかった

11歳、「アニー」の初舞台で"子役"としてデビューした。

「あ、私の居場所はここかも。」

舞台に立って、大きな拍手をもらったとき。
そう思ったよね。

学校では、クラスのみんなに無視されてた。私は空気が読めない子だったみたい。同級生と足なみそろえて共存するのはムズかった。

「居場所がなかった」
脳内の浜崎あゆみが叫びまくってたわ。

「私らしい表現でたくさんの人を元気にできた」その経験が本当に嬉しくって。一生舞台に立ってようって決めた。

千秋楽を終えたら、お母さんにこう言われた。

「アニーは過去の栄光。次に向けて行動しよう。」

「だよねー」って焦ったわ。そのあとオーディション受けまくって、落ちまくって。なんとか舞台とか読者モデルの仕事をもらえたりした。

15歳。もう"子役"とは名乗れない歳。大人になっても舞台に立ちたかったから「音大で歌を極めよう」って流れになった。

"音大生"という肩書きを手にして、4年間「のだめカンタービレ」なライフを満喫しまくった。

はい、卒業。
もう"現役音大生"って名乗れない。

ドイツに音楽留学する予定だったけど、家族の事情でポシャった。"留学生"になりそこねた。

お金も家族も住むとこも失って、それでも芸事をつづけてく勇気がなかった。とりあえず、生活費を稼ぐために"ボイストレーナー"として就職。

"子役"、"音大生"の肩書きはわりと私らしくて好きだったんだけど、"ボイストレーナー"はぜんぜん気に入ってなかった。

歌は好きだけど、人に教えたいワケじゃない。生徒さんが「えり先生のおかげで歌が上達した!」って喜んでくれるのは嬉しかった。でも、私の居場所はここじゃない感がすごい。

夢をみつけて、何者かになりたい。

そのころかなぁ。つよく願ったのは。

だから、いろいろ次の夢を探したよ。芸事とは関係ないSomething elseを。

"エステテシャン"として働いてみたり、パーソナルカラーと骨格診断士の資格とって"イメージコンサルタント"として開業したり。

ブログ・SNS集客がうまくいってたから、"SNS運用代行"をやらせてもらったり。文章力を活かして"ライター"のお仕事をいただいたり。

どれも、シックリこなかった。

何者かになりたい!

「呪われてます?」ってくらいのテンションで、あれこれ模索しまくった。あまりにもお気に入りの肩書きが見つからなくって・・・

海外逃亡した。

日本人が日本に住んでるのはふつうだけど、"海外移住者"になるだけで何者かになれるのでは?っていう思考回路。

そういえば、ドイツ留学をあきらめた過去があったんだ。「いつか海外住みたいなー」とは思ってたから。その夢、今叶えちゃお。

思い立って、賃貸を解約した。
先月に更新費払ったばっかりなのに。

パソコンあればどこでも働ける"ライター"やりながら、とりあえず治安よさそうなシンガポールに飛んだ。

マリーナベイサンズを毎日眺めながら、片手にスタバのコールドブリュー。最高じゃん!・・・っていうのは2ヶ月で飽きた。

「次は香港住もー」
さっそく日本経由の航空券ゲット。日本で友達に会ったり歯医者と美容院すませてから、"海外アドレスホッパー"やっていく計画だった。

そしたら、まさかの日本帰国中に出会った人と結婚。パソコン1台で場所に縛られずに生きてた私が、夫からみて魅力的だったらしい。

子供は作らない家庭を選んだから、"DINKS"の"主婦"になった。

新しい肩書きは、めちゃめちゃハッピーな暮らし。でも、それだけじゃ満足しないのが私。ふつうの主婦になりたくない。まだまだつづく、模索の日々。

YouTubeをはじめてみた。前からずっとやってみたい気持ちはあったけど、コンテンツが定まってなかったから、やってなかった。

やっと「君に決めた!」のジャンルは、アウトドア。夫がくれた、おニューの趣味。

当時あんまり、顔出ししてる女性でアウトドアのYouTubeやってる人がいなかったから「ハネるかも?」っていう勘でやってみた。

運とタイミングもあってか、登録者は爆伸び。チャンネル開設の初月から、"ライター"の収入を超えた。

"ライター"っていろんな仕事をこなさなきゃいけないから、ADHDみが強すぎる私にとって「まじ向いてないわ」って落ちこんでた時期だった。

それよりもっと、YouTubeみたいに自分自身をモロに表現・発信してくほうが、私は生きやすい。実際そっちで稼げるんだったら、乗り換えちゃおーって。

"YouTuber"は、いつから名乗っていいんだろ?

「動画1本でも投稿したら名乗っていいんじゃね?」みたいな風潮あったけど、私のなかでは"登録者10万人"かなって。だから10万人いくまでがんばった。

銀の盾が届いたときは「もう"YouTuber"名乗ってもいいかな!?」っていう風には思わなかった。

別に私、"YouTuber"になりたかったワケじゃねえわ。

動画つくるの好きだけど、文章を書くのも好きで。"エッセイスト"として連載やらせてもらったり、"アメブロ公式ブロガー"のスカウトもいただいた。

今はYouTubeとアメブロから生活費いただいてるけど、私は"YouTuber"でも"ブロガー"でもなくていいやと思ってる。

私が「そのときやりたい表現」が「私らしく」できて「人を元気に」することであれば、なんでもいいかなって。

あれだけ肩書きにこだわって「何者かになりたい」って模索しまくってたけど、やっぱり子供のころから変わってないや。

「私らしい表現でたくさんの人を元気にする」

ここだけ、ブレなければ。
職業?肩書き?なんでもいいや。

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