見出し画像

表舞台に立たなくても地味に裏方として輝き続けること

「この仕事を辞めるにしても、ほかの部署や会社、業界に行くにしても、チームをリードする経験は身に着けた方がいいかもね」
と、当時、監査にいたときにお世話になった綺麗で素敵な女性の上司に言われたことだ。あの時から恐らく『こいつすぐ辞めるんだろうな』という雰囲気を無意識に醸し出して、上司が一気に察知したのかもしれない。いずれにせよ、確かに、彼女に言われたことは納得できる。


「一人でなんでもこなせる人材より、それをもっと大々的に多数の人々に教えられる人材のほうが会社は重宝する。あなたが辞めても仕事が回れるような体制が作れるから。」
と今でも仲良くしている人生の先輩でもあり、憧れの存在として見上げているお姉さん友達に言われた。チームの面倒をみるマネージャー職のほうがなぜ給与が高いのか納得はいく。ある意味、会社の代わりに人材教育をしているわけだし、自分がいなくなっても仕事が回せられる体制を気づき上げることは会社にとっては利点だ。自分が病気で倒れても、事故にあって働けなくなっても、仕事が回る保証ができるからだ。

私はチームを率いるリーダーではなく、チームをサポートするアシスタントとして向いてる。それでいいと思う。
こう思えてきたのは自分が2回目に燃え尽きた後。人に仕事を引き継ぐこと、お願いすること、任せること…どれも簡単なように聞こえるけどそんな簡単ではない。相手のスキルや知識に合わせて自分の仕事の内容を理解してもらえるように説明、タイミングを図りながら仕事を依頼、マイクロマネジメントしないと思いながらも仕事がちゃんと出来てるか確認…。側から見たら自分が今まで山ほどあった仕事を他の人に引き継げたから仕事は軽くなったと思いきやそうでもない。

今まで一人でやってきた仕事は他人がやることになると、物事の全貌を把握することが難しくなってくる。クライアントさんへの説明を作業した本人がやればいいことだが、作業分担上それが出来ない。しつこく聞こえるが、私から幾度も確認しないと気が済まない。下の子がやらかしたミスは自分が責任を取らなければいけない。こう思うとマネージャ職は本当に過酷なんだと気付かされた。そして、自分自身も身をもって痛感した…どれぐらいマネージャー職は大変なのかと。

上を目指すのが人間の本能であっても、社会に促されようと、私は動じないことにした
苦手を克服するように得意ではないものを無理やりやらせる。できるだけなんでもやらせ、各個人を万能選手に育て上げようとするにしても限界はある。もう私は身をもって体験した、それが合わなかった。そのことを学んだ時点で、わざわざ無理に自分にとってダメなものを自分自身に押し付けなくてもいいのだということに気づいた。

リーダー的存在にならなくても、価値のあるスキルや経験が適用できればそれでいい
チームを率いることは本当に価値のあるスキルであることは間違いないが、それ以外にも組織や会社に提供価値はできるものは山ほどあるはず。裏方の作業なしで成り立たないものばかりであるはず。イベントごと一つにしても、入念に計画し、物資を調達し、人と作業を適材適所し、進捗の確認や、費用やお金の管理などなど…表舞台に立つ俳優、観客にこのショーを売る営業マンじゃなくてもやれることはたくさんあるはず。

地味だけど裏方として今後も活躍し続ける意義
何が起こっても瞬時に対応し、物事をうまくスムーズにいかせるのが裏方の仕事なのだと私は思う。このスキルは誰しもが身に着けなきゃいけないだろうし、仕事のみならず自分の人生の大部分に大いに影響するはず。裏方は観客の目には触れないけど、彼らの目に触れているもの全てを見通して計画を立てている。見えないところで力を発揮するのが裏方たちの長所だ。ちょっとした誤差が命取りになるのがわかっているため、先の先まで見据えて動き続ける。作業が地味であれば地味であるほど奥は深い。

私は今後も裏方として地味に輝き続けようと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?