投資家に「結婚してるの?」と聞かれた。それって、男性起業家が相手だったら聞かないんじゃないかなぁ...

以前、こんな調査結果をみたことがありました。

投資家から見て、結婚している男性起業家は「責任ある頼もしい男」。結婚している女性起業家は「(夫のお金で守られながら)お遊びでやってる。子どもが生まれたら、育児と仕事の両立はできないetc」。

同じ「結婚」でも、それが男性か?女性か?で、こんなにも見られ方が180度変わっちゃうものなのかぁ…。「投資家の世界もそういう偏見ってあるんだー」と思いつつ、後日ベンチャー界隈で著名な投資家さんとお会いすることがあり、お話しをしていると……。

5分くらい経過したころに、唐突にこんな質問が。

「あなたは結婚してるんですか?」

思いもよらない話しの流れに「え?その話って今関係ある?!」と思いながらも、以前見た(先述の)調査結果が頭をよぎりました。

投資家は出資という大きなリスクを負うわけだから当然、起業家を見るとき、起業家の才能・起業家が経営する会社のビジネスモデル・メンバー構成・収益性・実現性などの他に「この人はEXIT(上場 or M&A)を実現するだけの、パワー・エネルギー・時間・覚悟は十分にあるのか?」という部分を重視します。それは当然のこと。投資家からしたら(CVCでない場合は)是が非でも投資先のベンチャーにはEXITしてもらわなければリターンを得られないのだから。

「妊娠・出産・育児をこれからする女性起業家、あるいは今現在、その真っ只中にいる女性起業家だったら、EXITまでに十分なパワー・エネルギー・時間を割けないのでは。」

そんな懸念があるとしたら、あの質問を受けたのも納得。たしかに実際、私が起業した当時、周りにはたくさんの同年代の女性起業家の仲間がいましたが、今や(当時私が仲良かった15名近くの女性起業家たちのうち)残ってるのは私だけ。他の女性起業家たちは、結婚して海外に行ったり、出産して育児を始めたり、親の介護が始まったり、実業家と結婚して専業主婦になったりと、さまざまなライフイベントを迎え、会社をいつの間にたたんでいました。

高校時代の優秀な女友達も、医者、薬剤師、弁護士、アナウンサー、建築家、デザイナーなどなど、キャリアを積んでいたものの、久々に会ったり、風のうわさを聞くと、辞めていたりという話も結構耳にします。

異常なほどまでにしぶとさがある私は、今もこうして会社を続けていますが確かに、さまざまなライフイベントを迎えながらもシングルだった頃と同じだけの精力をかけて女性が仕事を継続するのは、本当に大変なこと。

>日本の女性管理職比率 国際比較・都道府県別・産業別

日本全体は近年、あたかも「女性が働きやすい環境づくりを応援」しているかのように見えますが、結局はベンチャーという"革新的な未来を創造・開拓する人たち”の世界でも、そういう考えがいまだに根強いのだとしたら、一体、誰がこの不平等感を変えていくのだろう。

>ダブルケアに疲弊する女性たち ケアラーの平均年齢は39歳
>介護が理由の離職者数、男女間で大きな差

活躍する女性は増えてはいるものの、全体数でみればまだまだそれは少数派。一人でも長きにわたり活躍する女性が増えれば、きっと男性陣や社会全体の女性に対する「結婚してるの?結婚はするの?出産は?」といった質問はなくなっていくはずで、自分自身もその一員となれるよう、頑張っていこうと思います。しぶとく。

まだまだ先は長い。










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