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恐怖の胃カメラ検査とその15年後のピロリ菌【ユーモアエッセイ】

ようこそ♡こんにちは♡私です
✅ユーモア記事は全無料です✨
✅追記のおまけが栄養学的要素含むため一部有料です✨


 胃カメラ検査の初体験は20歳だった。どうにもこうにも胃がおかしくて、口の中も粘っこい感じが続いていた。

 昔から胃が弱く、父形の家系が胃弱体質である。慢性的な胃痛は遺伝といえば遺伝だし、体質だといえばそうだろう。上手く付き合う他ないと割り切って過ごしていた。

 しかし20歳の胃痛は、一区切り打ったような、成人となった数字と共に胃粘膜も余計な荒波の成長具合の調子であったのだ。

 幼少期から分厚い「家庭医学書」を読むことが趣味であった私は、20歳にして様々な胃の病気の症状を知っていたもので、「これはまさか悪いものでは」と、背筋にスーッと冷たい物が走る気持ちになっていた。

 胃というのは神経過敏な臓器であるのは周知のごとくだろう。

 胃痛が不安になればなるほど更に症状が悪化するだけでなく、突然現れた毒キノコのようにハッとする気持ちにさせられる。

 はじめは軽いキリキリとした胃痛がもやもやとした不快感も混濁した気分がし、不調が落ち着く様子もなくしまいには膨満感もあるように感じ、気がかりが胃に集中し、いつもより食が細くなっていく。膨満感が続くと良くないことは知っていた。胃薬もイマイチ効果が薄い。

 このまま放っておいては本当に毒キノコが生えてしまって取り返しのつかないことになってしまうのではないか。いや、もはや既に生えているのでは…。

 そんな不安に駆られた私は、症状の洗いざらいを上司に熱弁しては、強引にシフトを変えてもらい近所の総合病院を受診したのだった。

 小学校4年生のときと同じ軽い胃炎だろう。問診と触診と採血と、ついでに超音波で診てもらえば何かが分かるだろう。と、病院の待合室についた頃には不安が払拭された気持ちになっていただけに衝撃だった――胃カメラだ。

 総合病院というのは何かと「精密検査」が好きな機関だと分かってはいたものの、20歳の若者に胃カメラを煽ってくるなぞ思いもよらなかった私は、「あぁ来ましたか、とうとうこの時が」と心臓とヘソがうごめいた。

 死ぬまで経験したくないと願っていたトップ5に入る検査。胃カメラ。とうとうこの時がやってきてしまったのだ…。

 もしかしたらもう私の胃はダメなのかもしれない。だって、20歳という若さで最悪の病気になる確率は低いのに、バリウムやCTではなく、胃検査の王様である胃カメラときた。

 そうだ。私が「最近は膨満感が続いています」と伝えたとき、まだ研修医の香りがするような若い男性医師の眉間にシワが入っように見受けられた。若干声色も低くなって「胃カメラはしたことありますか?」と聞いてきた。私が「ない」と答えると、「では一回きちんと見てみましょう」と言ったのだ。

 やはり膨満感が続くと言うのは良くない症状なのかもしれない。



 ここまで書いて何だが、私はこの通り元気である。でも当時はビクビクしては、祖母が手術までしている胃潰瘍か、またはそれ以上か…?なんてどんよりとして帰宅したものだ。

 緊張もてつだってか検査当日まで背負いそうな不安を押し切ろうと努めていたが、暇ができるとついつい胃カメラ検査のことを調べてしまい、ただ胃痛に拍車がかかっただけで終わった。

 私はまぁまぁな嘔吐恐怖症もあり、と言うか吐き方が分からない人間であるため、とにかく苦痛で仕方なかったのだ。
 鎮静剤使用の胃カメラ検査などもほぼない時代だったし、鼻から管を通す機材など存在したのかしないのか。細いホースほどの管を口からグイグイ押し込む拷問と公開処刑が合体したような検査であることは、テレビドラマなどで見ていたから心していたが、想像と違った。悪い方に違っていた。

 検査当日、どうして本番前からこんなにキツいのかと私は半泣き状態だった。首を逸らして天井を向いて口を大きく開けた状態で喉に麻酔をするのだが、透明な生ぬるいゼリー錠のものを注射器で看護師さんが喉ちんこ奥の際どい部分にピューッと流し入れてきた。

 むせないように、でも極力喉の奥に溜めておかなくてはならない。
 どんどん唾液も溜まってくるし、首は痛いし、息はし難いし、飲み込みそうになるのを必死で我慢しなければならない。約5分間も咽頭で全神経の大渋滞を起こしていた。

 私は5分、壁に掛けられている時計を何度も確認し、鼻の穴全開にして、はがはがもがき苦しんでいた。まだ20秒しか経っていない…と、ワキ汗を感じながらもなんとか耐え抜く。1分がとてつもなく長かった。

 ドロドロの液をやっと吐き出した後、麻酔は私の喉から口元の感覚を全て奪っていた。呼吸も困難な状況下、看護師さんに支えられながら歩いて検査台まで行き、やっとのことで横になったと思えば今度は細かい指図をされる始末だった。こっちの腕はここにとか、足はこのようにとか、首はこうとか、とにかくうるさい。

 恐怖心を消すように優しく語りかけてくれるのだが、こちらはそんな余裕などなくパニック寸前である。何せ今からさらに苦しいことが待っているのだ。

 先生がいつ現れたのかも記憶にない。あれよさっさというリズムでよく分からない液体をさらに噴射され、マウスピースを装着された。

「カメラ入りますねぇ。オエッとなったら頑張ってゴクンと飲み込むように喉を動かしてね」と、医師が言う。

 看護師さんは私の背中を優しくさすってくれていたが、その感覚が記憶から消えてしまうほどの時間がはじまった。

 先っぽが青光りする黒い管が入り、医師が言う嘔吐反射のオエッを感じ、私は、喉を動かした。思ったより上手だったようで褒められたのを覚えている。

 それからはずーっとオエオエしっぱなしで、私はこのまま天へ召されるのではないかというくらい辛かった。

 途中、医師が「喉に力入れすぎだね、力抜いて喉を開けるように息してみて」と言われて志すも一瞬軽くなっては、やはりオエオエは続いた。

「見えるかな?ほら、モニター見て。綺麗な胃だよ!」なんて医師は陽気に言うが、私は遠くで心配そうに見ている2人の看護師(看護学生だったのか?)の存在に辱めも合わさってむごい気持ちになりながもオエオエと戦っていた。和式トイレで下痢をしているとこを見られた気分だった。

 約数分で検査は終了。
 管がスルスルと抜かれていく。不思議と抜かれているときはオエオエは発生せず快感だった。

「よく頑張ったね、お疲れ様。綺麗な胃でしたよ。きっとストレス性のものだね」と、医師は安堵するように笑って早々と去って行く。

 私は、涙と鼻水とよだれできったねぇ顔面をティッシュで拭きなら「それはそれは良かったです」と、他人事の返答しかできなかった。

 最後に担当医から説明があるから内科へ行くようにと言われ、少々休んでから行くも、異常なしということで胃酸分泌抑制剤みたいな胃薬が処方されて終了。私の胃カメラ初デビューはとても厳しい道のりだった。

 病名までは分からず仕舞いだったが、この時は機能性ディスペプシアというやつに違いないと勝手に思っていた。異常がないのに不調が続く疾患だ。

 
 結果こそ良好であったから良かったものの、それから15年後、私は会社の健康診断(バリウム検査)で萎縮性胃炎を指摘されて、また胃カメラを飲む羽目となった。

 あんな思いはもうこりごりだった私は、鎮静剤を使用して半分眠りながら検査が受けられる病院を探し、今でもお世話になっている。言わばホームドクターである。

 鎮静剤使用の胃カメラ検査がこんなにも楽ちんならもう怖がることはない。知らぬ間に終わっていて気づけばベッドの上だった。とは言うもの前夜から緊張はするのだけど。

 結果的に私の胃にはピロリ菌が生息していた。除菌に成功し、今では胃痛もほとんど感じない。
 ただ萎縮性胃炎という治り難い大きな不安要素があるため毎年一回の胃カメラをしなくてはならない。

 どうしよう。
 前回受けてからなんやかんやで2年半経過してしまった。
 ちょっとずつ良くなっているようだと言われていたが、心配ごとの耐えない毎日に胃が泣いているかもしれない。

 萎縮性胃炎こそ指摘されているが、以前のように胃痛はほぼなくなった。でも大きなストレスがかかると急激に痛くなるときが極たまにある。

 そろそろまた鎮静剤を打って半分寝ながら胃カメラ検査をしなくては。


最後までお読みいただきありがとうございました★
またきてね!


~おまけ~
久々にユーモアエッセイを書きました。
それよりも何より、医療コラムの最終テストライティングのメールが気づいたら届いていました。指定がとても細かくテストの割には納期も短くいささかアドレナリンが出ています。今の段階では企業名なども分からないため安心なのか騙されていないのかなんとも言えませんが、不採用でも報酬をいただけるので急いで、でも丁寧に書きます。
プロの作家は連載を掛け持ちしていたり3000文字程度のコラムなど朝飯前なのだろうな。良いなその技量と才能。


萎縮性胃炎(慢性胃炎)は胃がんの確率も高くなるらしいから怖いのだが、10年単位で良くなるとどこかの医師が言っていました。
ピロリ菌除菌からそろそろ10年。ルート治療(鍼灸)でも時々胃の施術もしてもらっていますから、良くなっていることを祈るばかりです。
はちみつも良いとのことですし、前回も記事に書きましたが、黒糖の最新研究結果でも明らかになった記録があります。
はちみつや黒糖を摂取してから胃痛が激減した体感があるので、自分の体の声を聞きながらこれからも実践していきたいと思っています。

 「黒糖摂取と部位別がん危険度」調査については、黒糖摂取が「少ない」・「中程度」・「多い」(1日1回以上)の三択で追跡調査していた。結果「多い人」は「少ない人」に比べて危険度が▽全がんで約40%減▽胃がん約70%減▽大腸がん30%減▽肺がん約60%減▽乳がん約50%減▽前立腺がん約10%減だった。原因は未解明だが、顕著なデータが得られた。

日本の多機関共同研究

徳南製糖の純黒糖は「日本一の黒砂糖」、そして「幻の黒砂糖」と言われています。(Amazon商品説明欄より)

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