見出し画像

フラグブレイカー(300字ss)

 人生は選択の連続だ。何をするにも、目の前の選択肢から一つを選ばなくては前に進めない。
「ユウ君、一緒に帰ろ」
「いや、あたしと帰ろ」
 ぼくの前には二人の女子が立ちはだかり、更にその前には、どちらと帰るかの選択肢が表示されている。この世界は、この二人のどちらかとぼくとを結びつけたいらしい。けれど。
 ぼくの目は教室の隅に座る男子に向く。見えない大きな力に全力で抗い、重い足を懸命に動かす。毎日少しずつ試してきたのだ、今日こそ打ち破りたい!
 その時、パリンという音とともに選択肢が崩れ、足元に散らばるのを感じた。呆気にとられたような女子達から逃れ、ぼくは彼に声をかけた。
「一緒に帰らない?」


 24時までと勘違いしていたため慌てて書きました。お題は「選ぶ」。

いただいたサポートは、私の血となり肉となるでしょう。