ルノーエリコ

南フランスの小さな村にピアノ教室をひらきました。 音楽、本、ヨガの暮らし。

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今朝、娘から担任の先生の年齢を聞いて驚いた。 44歳だって。え! 彼女は昨年秋からこの村の校長先生となり、 1年生と2年生の合同クラスも受け持っている。 失礼ながら、もっとずっと歳上だと思っていた。 とはいえ マスクで顔はよく見えないので 醸し出す雰囲気(なんといっても校長先生だ)や エレガントな服装から勝手に。 考えてみたらこの国の大統領は77年の生まれ、現在43歳だ。 (私、娘、母、女三世代!) かくいう私も77年生まれ、あと数ヶ月で44歳になる。

    • おつかれランドセル

      5年前に送られてきたランドセルの出番も 最後となった。 一足先に日本に行くため、 クラスメイトたちより早めに 夏休みに突入した。 担任の先生にお世話になったお礼をと 学校へ行くと 娘が友達に囲まれて頬を染めながら教室から出てきた。 幼稚園と小学校を合わせて150人くらいの 小さな学校で 娘はたくさんのことを学んだ。 初めて幼稚園に見学に行った日や ママと離れたくないと泣いていた年少さん 体より大きいランドセルを背負って 誇らしそうに登校していた1年生 友達と喧嘩をして

      • 年度末のさよなら

        年度末のイベントが続いている。 土曜日は私の4人の生徒ちゃんが踊ると聞いて、 勤務先のダンスクラスの発表会を観に行った。 くるみ割り人形を全幕、 なかなかできることではないだろう。 30年のキャリアを閉じるマニュ先生の全魂が込められた 舞台に深く感動した。 最初のシーンには 犬(本物の!)を連れて散歩する女の子が横切ったりと、 演出もなかなか斬新だった。 続いて日曜の朝は 自宅教室の発表会、 1部の大人の部には音楽院の室内楽クラスも交わり バリエーションに飛んだプログラム

        • 夢の弓をひけ

          Photos / Frédéric Barrès 6月1日、娘が初めてのピアノリサイタルを開いた。 11歳の少女の演奏を聴きに集まってくださった たくさんのお客さんに挨拶をしながら、 今からこの子は たった1人で1時間、舞台に立つのだ と思ったら私も震えそうになった。 本番前、楽屋に恩師のヴェロニク先生が 満面の笑顔で訪ねてくださり その途端、娘の瞳がきらりと光った。 リサイタルは盛況だった。 お辞儀もスピーチも まだまだ子供らしく ややぎこちなかったが 集中して、と

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          うちの猫はどこ?

          うちの猫見ませんでしたか?! と言って 夜の10時過ぎ、近所の方々に迷惑をかけてしまった。 みなさん信じられないくらい優しく 一緒に探してくれたのに 見つからない。 絶対に家から出ないうち猫のパール、しかも 持病の心臓病に加え、 少し前から別の病気が見つかり、毎日治療中の日々。 張り裂けそうな胸を抱えて家に戻ると、 庭やガレージ、あらゆる所を探していた夫が叫んだ。 いたよ!!! なんと子供部屋の棚、ぬいぐるみの猫 (娘いわく、パールは このぬいぐるみが好きではない)の横

          うちの猫はどこ?

          あしたの家に住む子供たち

          春休みに遊びに行った 紙漉き工場の土産屋で、ある英語の詩を読んだ。 いつか何処かで読んだ気がするのに ひとつひとつの言葉がまっすぐに心に突き刺さり その場を動けなかった。 家に帰って調べると カリール・ジブランの預言者という本に 出てくる一節だった。 取り憑かれたように何度も読み返し 英語の本を注文した。 レバノンで生まれアメリカに育ち パリで勉強をしたジブランの人生も興味深い。 あなたの子供はあなたの子供ではない。 彼らは、人生の希望そのものの息子であり娘である。 彼

          あしたの家に住む子供たち

          究極の舞台

          もう既に2ヶ月前のことだ。 あまりに大切な思い出として どう書いて良いのかわからないほど 感動した夜について。 3月半ばに 夫がアーティストディレクターを務めるフェスティバルに パリ在住のピアニスト務川慧悟さんをご招待した。 プログラムは バッハ、西村朗、バッハ=ブゾーニ、 ショパン、ラヴェル。 前週のレオノーラ・アルメッリーニさんの コンサートに引き続き 娘と、親友のニナと一緒に聴いてきた。 フランス組曲4番が始まった途端 あまりにクリアな音色、正確なリズムに圧倒さ

          子供の情景

          サマータイムから すっかり日照時間が長くなり、夏休みまであとひと月。 フランスは年度末だ。 5月は連休が続き、花が咲き乱れる中 あちこちでイベントがあり 子供達も浮き足立って落ちつかない。 そんな中、娘は6月に3回、 リサイタルを予定している。 今まで私達両親や友達、先輩達と 一緒に様々なコンサートに参加してきたが ひとりで1時間近く弾くリサイタルは初めてだ。 昨日は日帰りでパリに、 ピアニスト、クレール=マリール・ル・ゲ先生の レッスンを受けに行ってきた。 エクソンプ

          光の日々

          この春は、ざーっと激しい雨がよく降ったかと思うと すぐに力強く熱い太陽の光がやってくる。 日当たりの良い室内の床や家具を触れても、 その温度が違うほど。 おかげで我が家の小さな裏庭の緑は 輝かしいほど生き生きしている。 半年ほど毎月続いていた自分の本番が落ち着いたので 生徒さんたちの試験や発表会、 そして娘のサポーターに 専念することができている。 毎年、忙しくなると免疫が弱くなり いろいろなウィルスをもらってきていたが 今年は ソフロロジーという呼吸法とリラクゼーショ

          Rumba

          前回、Burlesque 映画について書いたが この映画コンサートの2日後に 偶然また別の、現代版滑稽喜劇映画を観ることになった。 娘の小学校では 年に2回ほど、 徒歩で隣村まで行って映画を観るという行事がある。 小学校最後の遠足と聞いて引率をすることになった。 隣村までは6Kmほど、徒歩では1時間19分と出ている。 娘はこの遠足に何度も行っているが 私は歩いて行くのは初めてだった。 日頃の運動不足はわかっている。 やや不安だったけれど 子供達と風景を楽しみながら歩いてい

          Burlesque について

          Burlesqueと呼ばれる滑稽喜劇映画を続けて観た。 まずは 私たち家族が 毎月開催している土曜クラシックの5月のゲストが ジャズピアニストのロベール氏と 映写技師のアンドレさんによる 映画コンサートだった。 アンドレさん、元々はトランペット奏者で 音楽院の院長先生だったと 奥様から聞いてびっくり。 映画好きが高じて映画技師にもなったそう、 素敵でしょう。 ジャズピアニストのロベールは、 ピアノ製造も手がける調律師、楽器のプロ。 本番でかける映画はもちろん知っているけ

          Burlesque について

          異国で集う女たち

          久しぶりに日本人の女友達3人でランチをした。 今回の行き先はアヴィニョン、私の村からは 50分くらいかかる。 それぞれの家からの中間地で待ち合わせて 友人が運転して連れて行ってくれた。 料理上手でグルメな2人は お洒落な店もよく知っている。 さすがミシュランに載っているという フレンチレストラン、接客サービスも良く 美しい盛り付けに目を見張り 繊細な味付けを堪能した。 お腹が膨れたあとは宮殿広場、大聖堂まで足を伸ばし 帰り際に文房具やチョコレートを買った。 さて、日本の

          異国で集う女たち

          エメラルドの泉

          4月末、プロヴァンス地方は 先週から2週間の春休みに入ったが 私は仕事をしていた。 今年は早々と6月末に日本に行くため、 そして生徒たちの試験も近いので 振り替えレッスンをしていたのだ。 その間我が家には 友人や義妹家族など ずっと誰かが泊まりに来ていて賑やかな日々だった。 仕事のなかった木曜日、 珍しく晴れたので 家族でフォンテーヌドヴォークリューズへ行った。 エメラルド色の澄んだ泉が有名な観光地で 雨風の続いた休暇中 唯一天気の良かったこの日は 観光客で賑わっていた。

          エメラルドの泉

          未来の音楽

          先日、娘にとって大切なピアノの試験が終わった。 音楽院の第3過程に進む飛び級試験で、 2ヶ月前からそのための準備をしていた。 審査員は院長先生と外部からの先生の3人で、 写真は娘の先生が送ってくださった。 試験は土曜日の午前中、私は仕事があったので 夫が付き添った。 試験の時間中はソワソワソワして待っていたら 審査員の賞賛つき満場一致で合格、 という良い結果が届いた。 とても集中して良い演奏をしたそうだ。 いつも厳しいヴェロニク先生も、 ずいぶん褒めてくださった。 この

          彼のいない春に

          夏時間になり 北向きで日当たりのあまり良くない我が家にも お日様がやってくるようになった。 テラスにもよく陽がさすようになり 洗濯物をたっぷりと干せて嬉しい。 猫のパールは ここ数日 朝は陽だまりの下で日光浴をしている。 その姿を見ながら とつぜん思った。 ああ、 パールにとっては初めてのひとりの春なのだ。 相棒だった武蔵は11月の末に逝ってしまった。 太陽が大好きで、冬の間も 僅かな日の光を見つけては 気持ちよさそうに寝そべっていた。 いつも武蔵にくっついていたパール

          彼のいない春に

          静かに正確に燃やすこと

          先日、あまりピアノを練習してこなかった言い訳に オリンピックマスコットを学校から 持ち帰ったから、という子がいた。 マスコットって、フリージュのぬいぐるみ? で、何してたの、そのマスコットと? と聞くと それはもういろいろ、と さぞ大変だったという様子で彼女は話し出した。 一緒におやつを食べたりブランコに乗ったり‥。 あまりにオリジナルな言い訳に 私は笑い出してしまった。 白血球みたい、などと周りの友人達には 不評のフリージュだけど 子供達には人気なのかしらん。 娘

          静かに正確に燃やすこと