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こころの見方 いい気分を貯めて暮らしたい(心療内科医 海原純子 著)

今日は、心療内科医であり、ジャズシンガーでもある海原純子先生の著書の感想を書いてみたいと思います。

海原先生はこれまでに、新聞コラムの連載や、多数の本を出版されていて、この本は2022年6月に出版されたもの。
毎日新聞での連載「新・こころのサプリ」が本になったものとのことです。

本を読んで感じたのは、海原先生は日常の中で、自分の心が心地よくあるための ”気付き” をたくさんなさっているのだということです。

例えば、煮え立ったスープが熱を放って、しん、と鎮まるその様子と
沸き立った自分の心が落ち着いてきて、しん、とすることに共通点があって

熱いスープのように、私たちの心も
「落ち着かなければ」と無理をするよりも、外からは余計な手を出さずに、そのもの自体が鎮まっていくのを邪魔しないことが大切だ、と教えてくださいます。

心を落ち着かせるための具体的なHOW TOが書いてあるというよりも
海原先生自身の ”気付き” や ”思考” を通して、読者自身がいい気分でいられることに気づけるようになる、意識づけられるようになる、という印象でした。

世界各地を旅しておられる先生の、臨場感のあるお話や、各地での写真によって、視野が開けたような開放的な気分にもなります。

何より素敵だなと感じたのは、章ごとにジャズスタンダードの曲名の副題がついていること。
そして、先生の素敵なお人柄に触れて温かい気持ちで本を閉じると
表題のそばに、とある有名なジャズスタンダードの歌詞の一部が書いてあって、それが副題になっていること。(最初は全然気づかなかったのです💦)

粋でおしゃれで、読んだ後には窓を開け放ったように視野が広がり
こころの波が鎮まるのを慌てず待てそうな気分になる、そんな素敵な本でした。

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