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「不安」と上手く付き合う3ステップ

7都府県に緊急事態宣言が出され、報道番組、ワイドショー、ネットニュース、SNS…どれを見てもウィルスに関連した話題を取り上げていますよね。

私たちの生活は今、心配事や不安が増す毎日だと思いますし、実際に強い不安を感じている方も多いと思います。

まだ感染していない方が、このまま新型コロナウィルスに感染することなく、またほんの少しでも心に癒しがありますようお祈りするとともに、不安との上手な付き合い方について書きたいと思います。

「不安」て聞くとどんなイメージでしょうか?
嫌な感じ、暗い、怖い、マイナスなイメージですかね。

でも「不安」は生きている限り必ず感じるものです。
そして自分の身を守るための「危機管理能力」とも言えます。

不安に囚われるとどうなるのか

しかし、必要以上に「不安」に囚われてしまうとどうなるのでしょう?

最近では外出自粛で家にいることが多くなり、虐待やDVなども問題として出てきています。
海外では現状を悲観し、自殺してしまう人も出てきており、ウィルス感染だけが人を傷つける要因ではないことがわかります。

これは、人間の持つ「不安」という感情が許容範囲を超えてしまったことが原因なのではないでしょうか。

強い不安から自分や相手を傷つけることは二次被害です。それが増えてしまうのはすごく悲しい。
でも不安は消すことはできないし、自然とわいてきてしまうもの。

だからこそ「不安」と上手く付き合っていく術を身に着けることは大事なことです。

そんな私も、実は不安に囚われやすい方です。
今でこそ昔よりはコントロールできるようになりましたが、やはり苦手で…。
不安を感じるとそこへ意識が集中してしまい、自分の中で増長させてしまい、必要以上に脅えてしまったり、そのストレスが体に出てしまったりします。
だから、「不安」と上手く付き合っていく術は私にとっても大事なことです。

人間はなぜ不安になるのか?

なぜ人間は不安になるのでしょう。

先程書きましたが、「不安」は人間の「危機管理能力」です。
自分の身を危険から守っているわけです。

そして人間は何に恐怖や不安を感じるかというと
「わからないもの」
が怖いのです。

わからないもの
名もないもの
(わからないから名前を付けられない)
見えないもの
(実体がないものは想像でどうにでもなるので)
に恐怖を感じる

これは私の中学生の時の体験です。
私は学生時代、かなり繊細な方でした。
中高生の時は過度なストレスから心の病気になることが多かった時期です。
高校受験の時に周囲の期待と自ら課すプレッシャーで顔面神経麻痺の症状が出たことがありました。
精神科の先生は「自律神経失調症」、「心身症」、病気の呼び方を決めてカルテを書いていましたが、私は内心「私のことを本当に理解してくれているんだろうか。その病名は合ってるの?病名を決めつけないでほしい。」と感じていました。
そして、「ああ、何か病名を付けないと大人は怖いんだな」と思ったことを強く記憶しています。

わからないもの、理解できないもの、は恐怖を感じ、不安感を煽ります。

だから名前を付けて実態を持たせようとする。
見えないものを想像で絵にしたり、なんとかして画像にしたり「目で見える」ようにする。

新型コロナウィルスの感染者が出始めたころは、まだ情報がなく「わからなくて怖い」だったと思います。
今はある程度分析や研究が進み、ウィルス自体のこともわかってきたし、感染予防の方法や感染してしまった後の対処法などの情報が得られるようになったので、感染への恐怖や不安はありますが、「新型コロナウィルスが何だかわからなくて不安」ということは減ってきていると思います。

今何に対して不安なのか

では、今私たちは何に対して不安を感じているのでしょうか。

・自分や家族・友人の感染リスク
・目に見えないウィルスから身を守らねばならない
・効果的な治療法がまだ確立されていない
・感染した際、周囲から批判や差別を受けるかもしれない
・情報がありすぎて、何が正しいか判断できない
・過去に前例のない事態に対する戸惑い
・緊急事態宣言など、自分の生活にどう影響が出て今後どうなるのかがわからない
・いつまでこの状態が続くのか見通しが立たない
・仕事がない・休止・解雇・やむを得ず休まなければならない、という状況で経済的に苦しい

などが挙げられるのではないでしょうか。

不安との付き合い方
1.不安になっていることを自覚する

では「不安」が襲ってきたらどうしたらよいのでしょう。

まず最初のステップは「1.不安になっていることを自覚する」です。

「不安」は生きている人なら誰でも感じるものです。
0にしようとしてもそれは無理なのです。
むしろなくそうとすればするほど、「不安」にフォーカスしてしまい、「不安がなくならないことへの不安」が今度は出てきます。
これだと自分で不安を作ってしまうので、なくそうとすることはなおさら難しいでしょう。

不安を感じたら、誤魔化したり見て見ぬ振りをしたりするのではなく、まずは「自分は今、不安を感じているな」「不安だな」と気づく・自覚するところからスタートしましょう。

不安を感じることさえ怖い、嫌だ、と思ってしまうと「不安になっている自分に不安」となんだかごちゃごちゃしてきます。
そうなると、よくわからないけどとにかく不安ばかりが大きく感じられます。パニックになってくるのです。

だから、すごく当たり前のことかもしれませんが、自分が不安を感じている、と認識することがまず大切です。一呼吸おいて、自分を一度静観してみる。

不安を感じていることを自覚するうえで必要なことがあります。
それは「許す」ということです。

不安になっている自分を否定しないこと。
不安になったらダメだと思うと余計に苦しくなります。
不安を感じている自分を許してあげてください。

不安なんだな
そうか、私は不安なんだね
そう感じるのは無理もないよ
仕方ないよ
と、不安な自分を受け入れて受け止めてあげる。
不安が後から後からわいてきても、その都度受け止めてあげる。

「不安」を感じる自分
「不安」と一緒にいる自分
それはおかしなことでもなく
あなたが特別弱いわけでもなく
あなたが人より劣っているわけでもなく
あなたが人よりダメなわけでもない

「不安」を感じている自分に気づき、自覚したら、自分自身に優しい言葉をかけてあげてください。
自分を責めたりせず、「不安」を抱く自分もそのままいていいんだよ、と伝えてあげてください。

不安との付き合い方
2.不安に思うこと、
感じることを書き出してみる

「不安を感じてもいいんだよ」と許してあげて、「私は不安を今感じているよ」と自覚できたら、次のステップへ進みましょう。

頭の中だけで考えていると悶々とします。同じことを何度も考えたり、たくさんのことが脳内を巡ってよくわからなくなったり、ぐるぐるしますよね。
そんな時は紙に「2.不安に思うこと、感じることを書き出してみる」、をやってみましょう。
誰かに見せるわけではないので、どんな書き方でも構いません。気楽に考え、思ったこと、感じたことをただひたすら書いてみてください。

文字にすると、見えなかった不安に名前がついて見える化するので、すこし不安が和らぎます。
自分はこんなことを不安に思っていたんだな、と改めて認識できるという利点もあります。
書き出すことで、自分を客観視して冷静になれるのです。
不安の渦の中にいると不安の内側にいるので、自分は不安に包まれていてどこを見ても不安が感じられるでしょう。そうすると不安が大きくなり(大きく感じ)パニックになります。
書き出すことで「不安」と少し距離を置き、一度「不安」の外側に出る。そうすると外側から「不安」を眺めることができるようになります。

1.で不安であることを自覚して、2.で不安に感じることを書き出す。
ステップ1、ステップ2まで進んだら、ここからはいくつか選択肢を用意したので、ご自身で選んでください。どれか1つでもいいですし、2つでも3つでもすべてでもいいです。

不安との付き合い方
3-1.人に話してみる

不安である自分を自覚して、不安を書き出して認識したら、「3-1.人に話してみる」もやってみましょう。

ただし注意点が1つ。話す人を選んでください。
あなたの話をちゃんと聞いてくれる人。
あなたの言うことを否定せずに聞いてくれる人。
「そんなことを不安に思っているの?」「どうしてそんなに不安なの?」などと言われたら、悲しいですよね。
やっぱり不安である自分はおかしいんだ、ダメなんだ、と感じてしまいます。
だからあなたのことを肯定してくれる、信頼できる人に話してみましょう。
(身近に適任と思われる人がいない場合は、カウンセラーなどを頼ることもありですよ)
話をするときに、「私が今感じていることを聞くだけでいいから話してもいいかな」と前置きするのもいいですね。

話すだけでスッキリする、ということは大いにあります。また、自分の信頼する人に自分が不安を感じている状態であることを知っていてもらえるだけで、心強く感じます。

不安との付き合い方
3-2.情報から離れる

情報が溢れる今、正しい情報・必要な情を取捨選択することはとても難しいことです。
情報を見ないと不安になる。でも見ると余計に不安になることもあります。
そうなったら、「3-2.情報から離れる」ということも必要です。

東日本大震災があった際、連日報道されるニュースや映像を見て、多くの方が胸を痛めたと思います。
中には、自分自身が直接被害を受けたわけではないのに、心や身体に何かしらの影響が出てしまった、という方も多かったようです。
被災地の方々のことを思いすぎて、「共感疲労」を起こしてしまったのでしょう。
【共感疲労:他者の痛み苦しみに共感し過ぎてしまい、心が疲れてしまうこと】

実は私も東日本大震災の時は「共感疲労」を経験しました。
何を見ても悲しく、気分は落ち込み、急に不安に襲われては普通に戻る、を行ったり来たりしました。
よく眠れなかったり、食欲がなくなったり…。
自分自身の身に何か起きたわけでもないのになぜ?と思いましたが、テレビやネットでたくさんの情報を受け取ることで、被災者の方々の気持ちを想像して苦しくなっていたことに気づき、見ることをやめました。

今世の中で起きているニュースを見ないなんて、現状から目を背けているだけではないか、と悪い事のように感じてしまうかもしれません。
でも、情報から離れることは、決して悪い事ではありません。常に受信し続けなくても、自分の心が落ち着いている時に情報を得る、でもいいのです。
あなた自身の心や体が健康であることがまず1番大事です。
健やかな心身を保つために、情報から一時的に離れることはあなたを守ることにもつながります。

不安との付き合い方
3-3.夢中になれることに時間を費やす

これは一時的に気を紛らわせることとは少し違います。
自分は不安を感じている、と自覚したうえで、「3-3.夢中になれることに時間を費やす」のです。

パニック状態に陥らず、自分を客観視できていると、不安と一定の距離感が保たれます。(不安がなくなったわけではない)
そこまでいけたら、別のことに目を向ける余裕が少し出てきます。
不安は相変わらず感じてはいるけど、そればかり考えていても仕方ないな、少し別のことをしてみようかな、と思えるようになればOKです。
自分の好きなこと、夢中になれるものに時間を費やしましょう!

オススメはスポーツです。体を動かすことは脳・身体・心に良い影響を与えます。外出が難しいときは、ストレッチやヨガ、室内でできるトレーニングをやってみましょう。

呼吸に集中して深呼吸なんかもいいですね。
不安を感じていたり、強いストレスを感じるときは、無意識に呼吸が浅くなっています。呼吸が浅くなると脳や身体は酸欠になってしまいます。
呼吸が浅くなっていることに気づき、大きく深呼吸をしてあげるだけでも、血行もよくなり気分転換にもなります。

読書もおススメです。
本の世界に入り込むと、現実から一旦離れお話に没頭できます。
たった6分の読書でも本に集中して(夢中になって)読むだけで、ストレスを7割軽減できる、という研究結果もあるそうです。
ただし、自分があまり興味のない分野や難解な本はすぐに飽きてしまうので、やめておいた方がよさそうですね。

私は料理をしている時、中でも「食材を切る」時がストレス発散の時間になっています。材料を切っている時はただひたすら無心です。切ることにだけ集中しています。(私の場合は、ですが)
そのためか、材料を切った後はとても気分がスッキリしていることが多い。「今日は材料をたくさん切る料理が作りたいな」と思う時は、ストレスが溜まっている合図です。

時間を忘れて何かに没頭することは、私たちのストレスを発散させてくれます。夢中になれるものがある人は、ストレスをうまく発散させられる人です。時間や場所を選ばない趣味(夢中になれること)を持っておくといいですね。

不安との付き合い方
3-4.楽しいと思えることを見る・聞く・する

今もなお、苦しんでいる人がいる、辛い思いをしている人がいる、と思うと、自分が普通に生活していることや楽しむことに罪悪感を覚えてしまう方もいるでしょう。
そういう方々はきっと、想像力豊かで相手のことを思いやれる優しい方、繊細な方、なんだと思います。

3-2.情報から離れる」でも述べましたが、まずは【あなたの心身が健康であること】を大事にしてください。
元気に過ごしていたあなたまでもが、辛く苦しい思いを背負わなくてもいいのです。
また、あなたの心や身体が病んでしまうことを、あなたを大切に思う周りの方々は喜ぶでしょうか。
あなた自身を大切にする、ということは、あなたを大切に思う方々の思いも大切にする、ということです。

ぜひ、自分が「3-4.楽しいと思えることを見る・聞く・する」をやってみてください。

自粛が続く中、エンターテインメントも縮小される傾向にあります。
それでも、皆さん今自分にできることを考えて発信してくださっています。それってすごく素敵なことです。だからそれを受け取りましょう。
好きな音楽、ドラマ、映画、お笑い番組、本、楽しい動画、癒される動画…
自分が「楽しいな」「いいな」「元気出るな」というものにたくさん触れてください。
もちろん、自分自身が発信することも素敵ですね!

不安との付き合い方
3-5.今できることは何か考える

これは3-1~4までの総括にもなりますが、気分が落ち着いてきたら、自分が「3-5.今できることは何か考える」をやってみましょう。

過去でも未来でもない、「今」の自分ができること
自分を喜ばせるためにできること
大好きな人を守るためにできること
毎日を大切に生きるためにできること
どんな些細なことでもいい。今できることは何か考えて、そしてそれを実行していきましょう。

不安と上手に付き合いたいなら、
焦らずステップ1から

ステップ1は大事です。飛ばしてしまうとうまくいきません。
なぜなら、紙に書きたくても、人に話したくても、何に不安を感じていてどう思っているか、自覚しなければ表現することができないからです。
気を紛らわそうとして、ステップ3をいきなりやっても、おそらく一時は不安を忘れられるかもしれませんが、すぐにまた不安が襲ってきます。
これは自分の不安な気持ちを見て見ぬふりしているだけなのです。

だからこそ、「自分が不安を抱いていることに気づき、受け入れてあげる」ことが必要です。

「不安」を抱える自分だって存在していてもいい
「不安」を感じてしまう自分は弱いわけでもおかしいわけでもダメなわけでもない
そう許してあげるだけでも、心は少し楽になるのではないでしょうか。

自分らしく今を楽しく生きる

不安と上手く付き合う=不安を最小限にして自分らしく今を楽しく生きること
だと私は考えます。

パニックになって自分や人を傷つけることも、不安に囚われて気分が落ちてしまうことも、「今」という時間を有意義に生きているとは言えません。
私は「もったいない」と思ってしまう。
自分がそうだったから。あの時あんなに不安に囚われて我を忘れていなければ、もっと違った道があったのではないか、と思うことがあります。

「不安」を強く感じている方が、少しでも楽になるように、うまく「不安」と付き合って今を生きられるように、この文章がお役に立てたなら嬉しいです。

早く「あの時は大変だったね」と懐かしめる日々がきますように。


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