とおだえりか

役者|真面目でお茶目

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最近の記事

わたしは毎日わたしに出会う。

余韻に浸りすぎて新作のお知らせきちゃった。 この前人生初のマームとジプシー観てきましてその独特で圧倒的な世界観に溺れてしまいました。 余韻を何度も楽しんでいたらもう桜が咲いている。 朧げな記憶なんですが折角なので綴ってゆきます。 なんというか言葉をあまり信用していないようで信じているような台詞選びと運び方。身体も言葉の一つとして扱っているような極めてフェアな世界がそこにはあって観劇中も観劇後も確かな感覚はあるけれど表現する言葉が浮かんでこない、初めて知るアトラクションに乗

    • 「生きるって素晴らしい」のかな

      普通って唯のマジョリティ 当たり前のような平凡な人生を見つめていたらいきなりカウンター喰らってしまった。お恥ずかしい。 衝撃的なシーンとかメッセージ性の強いセリフとかがある訳じゃないのに食い入るように見つめていた。 序盤から当然のようにアナウンスしていく人がまさか彼にとってこんな存在になろうとは。でも確かに中学生の彼は自分であることに苦しそうで人生をコントロールしていないようだった。思春期と片付けていたものが回収されて気付いた私たちに遅れて本音を拾い上げる主人公の姿がとて

      • わたしは人間であるということ

        1879年生まれだってことが最大の衝撃 恥ずかしながら未読の状態で挑んだ本作。何度も何度も繰り返される夫婦の会話は、まったく何故だか現代まで続いている会話そのもので面食らってしまった。 やだ、わたしたちって何も変わっていないのかしら。 ノラの言葉も思いも空を切るばかりで目の前のヘルメルには届かない。 夫は優秀で子どもは3人いて信頼できる乳母もいる。 なにがそんなに不満だというのか。ヘルメルには本気でわからないんだろう。 「君は妻であり母だ」 きっとわたしたちが思う以上

        • 魔法にかけられた。気がしてた。

          女の子って本当に楽しい!canmake Tokyo! って訳にもいかないのが現実で。 それでもやっぱり女の子ってばいつも周りのことを気にしてて。笑って飲んで声掛けあって、強い生き物だなと思うわけです。 旅に恋する女学生と島に根付いた女達。年代と価値観のギャップがある中で「女子会」などという魔法の言葉で魔法にかけられたフリをするのは微笑ましくも見覚えがあったり。 恋したい出会いたいと話しながらも王子様は簡単に変身してしまうし🐸アブナイアブナイ 女の子を生きようとしなが

        わたしは毎日わたしに出会う。

          恵方を向いてさようなら

          我が家の炊飯器は6年選手。 2017年からフシュフシュがんばり来る日も来る日も炊いてきた。新社会人を踏ん張ってごはんだけが支えの日もあったろう。その場で食べたり冷凍したりうっかり保温忘れの日もあったかもしれない。 そんなあの子もついに世代交代。いよいよ新しい世代と変わることになった。これは戦友の門出であり、ただの恵方巻きパーティの記録である。 新しくやってくる炊飯器の日付が決まった。 2月3日。節分だ。 そうと決まれば話は早い。炊飯器ラスト仕事として恵方巻きなんてうってつ

          恵方を向いてさようなら

          オーディションに行ってきた。

          オーディションに行ってきた。 人生でもう何度目かわからないけれど、 オーディションに行った日の帰り道は毎度特別だ。 達成感やら敗北感やら、後悔やら懺悔やら。 いつも色んな感情が毎度違う比率で胸に渦巻いている。 いつだって足取りが軽いとは限らない。 ああ、こういうやり方があったか どうしてあんな声色になったんだろう あの人すごく素敵だったな 自分にも他人にもとめどない感想が溢れつつ、素知らぬ顔して乗り慣れない駅に辿り着く。 それでも近頃は反省が少なくなった。 増えたのは

          オーディションに行ってきた。

          海は続くよ、どこまでも

          おばあちゃんが海に還った。 去年癌が発覚したら、あれよあれよという間に 旅立ってしまった。 そこからしばらく月日は経って いよいよ海洋散骨の日がやってきた。 天気は快晴。 大好きな人の名が刻まれた袋はずっしりしていた。 なんとなく軽いだろうと思っていたのに人を生涯支えたものは粉となっても案外重い。 これが存在の重さか、なんて考えてみても袋は水溶性。ものの数秒で溶けてゆき中に包まれた白い骨がサラサラと水に光り、揺れて、去っていった。 お酒もお花も捧げた。 海洋散骨、思

          海は続くよ、どこまでも

          いっぱい転ぶ君が好き

          事務所を辞めた。 学生の頃からその日を夢見て受けてきた。 きっと自分は花が咲くと信じて疑わない若者だった。 ドラマも映画も出演させていただいた。 板ばかり踏んだ身にはあまりにも違う。 生の視線に慣れた体もカメラの視線は怖かった。 恋焦がれた場所に立てたと思ったら 信じられないくらいに凡人だった。 そのとき初めて、若者から大人になったのかもしれない 4年間、多大な経験をさせていただいた。 沢山の人から数えきれない程のアドバイスを頂いた。 受けたオーディションへの足掻き

          いっぱい転ぶ君が好き