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高校教員初任研一次研修で「生徒理解と生徒指導」を担当しました

先日の基本研修に続き、一次研修として40名の初任者対象に3日間の研修が行われました。基本研修での担当講座についてはこちら。

今回の研修は残念ながら対面がかなわず、オンラインでの研修に変更されてしまいました。前提として、受講者は1画面であること(サブモニターなし)を考慮しなければなりませんでした。

今回のミッション

私が担当した講義・演習「生徒理解と生徒指導」でのミッションは、

①生徒理解の上で、共感的理解の重要性を感じてもらうこと

②生徒を共感的に理解していくコツとしての「成功の責任追及」について体験的に理解してもらうこと

でした。


アイスブレイク

あさイチの講座だし、場を和ませたいし、チャット機能に慣れてほしいし、ということから「ZoomでZoom」という活動をしました。

正確には今回はMeet使ったので「MeetでZoom」ということになります(笑)

まずは「今朝は何を食べましたか?チャットに書いてください」からスタート。チャット機能はみんな使えそうだと確認できました。

次に「これなーんだ?」「チャットにどんどん答えを入力してねー」と言いながらカメラに「あるモノ」をめっちゃZoom Upして映します。今回は第1問に子供用のハンガー、第2問に生徒が作ったMONO消しゴム似のマグネットを使いました。MONOじゃなくてOIMO(お芋)ですがww

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わざとZoom Upしてるので受講者には大きさや質感等分かりづらい感じです。だんだんZoom Outしていくと、チャットにも回答がどんどん寄せられてきます。

私はチャットを読み上げながらどんどんZoom Outし、正解が出たらその先生に拍手~!という感じで進めました。アイディアはこちらの書籍で得たものです。


講義・演習の内容

アイスブレイクの後は早速演習「あなたの授業に遅刻して来る生徒をどう指導するか」です。

「不登校傾向ではないのに、授業に遅刻してくるA君」についての模擬事例を読み、A君にどのように声をかけるかについて個人ワーク→ペアワーク→全体でシェアリング。その後、A君の背景には何が考えられるかについても個人ワーク、ペアワーク。

「生徒指導は生徒理解から始まる」
「頼りにするな、自分の枠組み」(神田外語大客員教授  嶋﨑政男先生)

を確認し、私の失敗談も披露(汗)。いっぱいありますので(汗)。

自分の枠組みを外すのって難しいですよね。


それから、昨今の高校生を取り巻く状況についてデータをもとに一つずつ見ていきました。もしA君の背景にこんなことがあったら…と想像しながら。

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そして、「客観的事実の指導・支援」と「心理的事実の受容・共感」について説明し、B/Oルームでのロールプレイで体験してもらい、ついやってしまいがちな「客観的事実の指導・支援」、この先生になら話せるかもと思ってくれるような「心理的事実の受容・共感」を理解してもらいました。

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そこから、「心理的事実の受容・共感」に必要な視点・スキルとして、

「聴く」と「訊く」

「成功の責任追及」

について説明し、「失敗の責任追及から成功の責任追及へ」というメッセージを伝えました。「成功の責任追及」とは、私も大好きな解決志向アプローチにおける考え方の一つです。

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(上記スライドは目白大学人間学部心理カウンセリング学科 教授 黒沢 幸子先生が公開しているものです。画像にリンク貼ってあります。)

これを覚えると、叱ることがほぼなくなります。子供たちは成功したことを自分の手柄(能力)として強化されるので、望ましい行動を繰り返すようになります。家庭での子育てでも役立っています。


最後に「あなたの授業でよく寝ている姿を見るA君が、今日はしっかりと授業を受けています。」という事例で、「成功の責任追及でひとこと」の演習をB/Oルームにて行なってもらいました。受講した先生方もとてもうまく声かけのロールプレイをしてくれていました。

振り返り

最後に「今日、何を学びましたか?」と問いかけ、振り返りをキーワードでチャットに書いてもらいました。そのワードクラウドがこちら。

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「成功の責任追及」をほとんどの方が、次いで「聴くスキルと訊くスキル」、さらに「解決志向」、「直そうとするな、わかろうとせよ」などもキーワードとして挙げてくださいました。

前回の講座も4点満点評価で3.91点(受講者49名)をいただいてましたが、今回も3.975点(受講者40名)という高評価をいただきました。これも「教える」から「学び取ってもらう」セミナーへとデザインを意識できたからだと思います。私が繋がっている方々には講座デザインがとても上手な方がたくさんいて、その方々から学んできて本当に良かったなと思っています。

今後、初任者だけでなく経験の豊富な先生方を対象にした講座もたくさんありますが、「学び取ってもらう」セミナーづくりを続けていきたいと思います。


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