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潜在的なニーズを見つけるための店舗分析とアンケートの試み  

駆け出しの頃、京都で数店舗を経営している女性オーナーさんからお仕事の依頼が来ました。当時のことを思い出すと、今行っている事柄にもつながっているように感じます。

ストアコンパリゾン(Store Comparison)を行い、メニューやお客様を観察しながら食事をすると、おおよその客層は把握できますが、潜在的なニーズを知ることはお客様さえも認識していない事柄を見つけること、なのかもしれません。これらのニーズは、メニューを作成する前にある程度把握しておく必要があると考えています。

オーナーさんの悩み

  • 京都の繁華街に位置し、歴史もあるのですが、デパート内の店舗の売上があまり良くない。

  • 物販も手掛けているが、あまり購入してもらえない。

これらの問題をどのように解決すれば良いかという内容でした。

まず、物販については、類似した商品を探すために商業施設に行き、販売している商品をピックアップし購入しました。その際、他の店舗の店員さんにいろいろとお伺いしたのです。これにより、他の商品との価格設定や、どのようなお客様がいつ購入するのかが見えてきました。さらに、商品の配置や見せ方が他の商品との調和を欠いていたこともわかりました。

売上があまり良くない理由を調べるには、料理や価格などさまざまな角度から検討する必要があります。そこで、来店したお客様にアンケートを実施してはどうかと提案しました。オーナーさんにお聞きすると、既にアンケートは実施しており、あまり効果がなかったとのこと。机に置かれているアンケート用紙で任意に回答を集めていたため、どうしても適当な回答が多くなり、精度の高いデータが得られなかったようです。

そこで、アンケートを目的として来店していただくことで、より精度の高い内容をお客様に記入してもらう方法を考えました。アンケートの質問事項を作成し、オーナーさんにも手直ししていただいて完成させました。この際、回答を誘導しないように注意し、質問文を慎重に見直しました。

アンケートの実施方法

  • アンケート人数は少なくとも100人を目標にする。

  • ○○店に来店していただき、一人1商品を食べてもらう。

  • お会計の際、アンケート用紙を渡し、記入していただければその商品は無料とする。

問題は、初めての試みで果たして100人を集められるかどうかでした。わざわざそのために京都まで来てもらえるのだろうかと心配しました。友達にお願いしたものの、数人しか集まらなかったのです。しかし、ある友達が京都の大学出身で、同窓生で集まってコーラスをやっていることを教えてくれました。その方々に来てもらったらどうかという提案があり、コーラスの練習の後に行けばいいし、大丈夫だと言ってくれました。

最終的に100人から集まったアンケートによって、見えなかった問題点もいくつか明らかになりました。しかし、当時はまだ統計学を学んでいなかったため、より精度を高めるためには、ある程度、アンケート参加人数を多い方がよく、少なくとも400人にすることが必要であることを後に知りました。このアンケートを実施したことで、より有意な結果を得るためにも統計学を学ぶきっかけの一つとなりました。


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