最近の料理あれこれとペアリング。歩み寄ること。
○新玉ねぎのムースを今回は塩水ウニで。玉ねぎの甘味うまみ、ウニの繊細な味わいやミネラルと、トマトジュレの酸味と仄かな青さ。
ロワールの微発泡(シュナンブラン)
軽く熟したフルーツのような果実感と仄かなミネラル。酸度やトーンが近付くように、ムースを少なめにしウニとトマトのジュレを際立たせる。ゲランドの塩をパラリ。ハーブはマイクロセロリ。
○ホッキ貝のヴァプール。甘味と旨味が強いホッキの中にはキャビアドオーベルジーヌ(焼き茄子、ブラックオリーブ、アンチョビのピュレほんのりにんにく)とほろ苦く酸味の効いたレモンコンフィのピュレ。
サルディーニャの白(ナスコ)
少し度数が高めでボリュームのある果実味。レモン、ハーブの香りや磯のニュアンスと綺麗な酸味、そしてアフターにはほんのり豆。ネガティブな要素として捉えられる豆っぽさですが私は(余程強烈でなければ)嫌いではなく。豆×コリアンダーが個人的には好きなので、ハーブはマイクロコリアンダーとバイマックル。
○グリーンピースのスープ。塩漬けの桜を塩抜きしながら一枚ずつはがし、乾燥させて散らしています。春色。
北海道三笠市、滝沢ワイナリーのミュラートゥルガウ
穏やかな酸味と強い旨味。スパイシーで土や茎のニュアンスも感じ、後味はビター。揮発酸と青い香りがリンクするギンスイバを散らして。
○ホワイトチョコレートのムース
イチゴはビネガーでしっかり酸味を効かせたシロップでマリネ。華やかなダマスクローズのジュレとザクザクのシュトロイゼル、檸檬カード。
優しい甘さのそば粉のシフォンに、アイスは口にいれるとカーッとするくらいしっかりめにクラフトジンが効いた牛乳とスダチのアイス。鮮やかな黄色が春らしい金魚草と、シュッとした酸味と青みのギンスイバ。
醍醐のしずく。無濾過の生原酒。
乳酸のニュアンスを感じる甘酸っぱい生原酒。グレープフルーツのような苦味に寄らせてジンのアイスをつけることに。甘酸っぱさが際立つデセールを、発酵の旨味が支えている感じ。甘口ワインも良いが、ドリンクの流れ的にも面白いチョイス。
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winemanでは多くのお客様が食事と共にワインを召し上がるため、ペアリングの際は''ワイン(お酒)と一緒に食べる''を意識しながら料理を作っています。(勿論まだまだわからない事だらけで力不足ですが。。)
出来上がった料理にワインを合わせるだけでは文句なく相性抜群!という事はなかなか無いので、実際に食べて飲んだ上で料理を微調整。
完成した料理を変えることに抵抗はないどころか、そこでの新たな発見が本当に多く、結果的に料理の精度を上げることに繋がっていると思います。
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人間関係や自分を取り巻く環境もきっと同じで、私という人間に最初からぴったり合う人や環境なんてほぼなく、自分から寄り添っていくことで少しずつ丁度よいところに着地していくものなのだろうな。大切なことは、料理を通して学ぶことが本当に多い。
私も元々はお酒は無くても全然OK!というタイプの人間ですが、ここでシェフを務めるようになってから、料理と一緒にお酒を楽しめるようになりました。まだお酒やレストランの楽しみ方を知らない若い方にも、winemanでの時間を是非楽しんでもらいたい。
シェフである私(32歳)と店長(33歳)。まだまだ未熟な二人ですが、その余白すらも楽しみながら、楽しんでもらいながら、winemanというお店を作っていきたいなと思います。
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