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休職中日記#8「復活の儀」

体調不良の波に負け、しばらくイモムシのような生活をしていた。

目を開けて、抜け殻のように天井を見つめ
やっとこさベッドから這い出るも、リビングでまた寝て、
食べて、寝て、食べて、寝る生活。

出口の見えない無力感に、何度も何度も、消えたいと思った。

それでも、そんな日々に終わりは来るもので、
つい数週間前から、急に身体が軽くなり、
朝から身体を起こすことができるようになってきた。
(精神科のお薬と、人間の生命力よ、ありがとう。)

一丁前に、朝に紅茶を淹れたり、果物の皮を剥いたり。
以前は当たり前だったことを当たり前にすることが、
こんなにも嬉しいだなんて、なんだか可笑しい。

気分が上がるフルーツティー。些細な幸せを感じられるようになった自分に万歳。

ということで、脱イモムシ生活を祝う、復活の儀。
改めて、決意表明をした。

これから残りの休職期間にしたいこと。


「自分の登りたい山を決める」。


ソフトバンク孫正義さんが言ったらしい、
休職中に出会った私の好きなことば。

「登りたい山を決める。これで人生の半分が決まる。」

ひすいこたろう著:「あした死ぬかもよ? 人生最後の日に笑って死ねる27の質問」より

このことばに初めて出会ったとき、ハッとさせられた。

そういえば、私はこれまで、
自分が登りたい山なんて、ちっとも決めてこなかったんじゃないか。


目の前に現れる大して高くもない丘を、
人に言われるがまま、期待されるがままに
なんとなく手当たり次第に登っては、

「あれ、なんか思ってた景色と違う」
「これ、登った先になんの意味があるんだっけ」

と、ある時気づいて途方に暮れる。そんな繰り返し。


そんな不毛なこと、もうやめよう。



ちゃんと、10年後、20年後、それよりももっと先に
自分が見たい景色を見据えて、
一歩一歩、登る過程をも楽しめるような
そんな人生にしたい。



幸い、やると決めたら、意外とやれる性質(タチ)じゃないか。
受験だって、就職だって、貯金だって。
今のメンタリティの私なら、なんだか、やれる気がする。
その調子、その調子、その調子。


今は、職場に復職を期待されている。復職予定はあと2か月先。
けど、自分の人生。

期待がなんだ。
キャリアがなんだ。
私以外に、私の人生を生きてくれる人はいない。

登りたい山へ、方向転換するなら今だ。


がんばろう、自分。負けるな、自分。


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