休職中日記#8「復活の儀」
体調不良の波に負け、しばらくイモムシのような生活をしていた。
目を開けて、抜け殻のように天井を見つめ
やっとこさベッドから這い出るも、リビングでまた寝て、
食べて、寝て、食べて、寝る生活。
出口の見えない無力感に、何度も何度も、消えたいと思った。
それでも、そんな日々に終わりは来るもので、
つい数週間前から、急に身体が軽くなり、
朝から身体を起こすことができるようになってきた。
(精神科のお薬と、人間の生命力よ、ありがとう。)
一丁前に、朝に紅茶を淹れたり、果物の皮を剥いたり。
以前は当たり前だったことを当たり前にすることが、
こんなにも嬉しいだなんて、なんだか可笑しい。
ということで、脱イモムシ生活を祝う、復活の儀。
改めて、決意表明をした。
これから残りの休職期間にしたいこと。
「自分の登りたい山を決める」。
ソフトバンク孫正義さんが言ったらしい、
休職中に出会った私の好きなことば。
このことばに初めて出会ったとき、ハッとさせられた。
そういえば、私はこれまで、
自分が登りたい山なんて、ちっとも決めてこなかったんじゃないか。
目の前に現れる大して高くもない丘を、
人に言われるがまま、期待されるがままに
なんとなく手当たり次第に登っては、
「あれ、なんか思ってた景色と違う」
「これ、登った先になんの意味があるんだっけ」
と、ある時気づいて途方に暮れる。そんな繰り返し。
そんな不毛なこと、もうやめよう。
ちゃんと、10年後、20年後、それよりももっと先に
自分が見たい景色を見据えて、
一歩一歩、登る過程をも楽しめるような
そんな人生にしたい。
幸い、やると決めたら、意外とやれる性質(タチ)じゃないか。
受験だって、就職だって、貯金だって。
今のメンタリティの私なら、なんだか、やれる気がする。
その調子、その調子、その調子。
今は、職場に復職を期待されている。復職予定はあと2か月先。
けど、自分の人生。
期待がなんだ。
キャリアがなんだ。
私以外に、私の人生を生きてくれる人はいない。
登りたい山へ、方向転換するなら今だ。
がんばろう、自分。負けるな、自分。
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