日本のものづくりは世界一 2

「日本のものづくりは世界一」という本の続きです。

日本のマスコミの報道姿勢は、センセーショナリズムです。
騒ぎの大きさや深刻さを報じることが主眼となっていて、そのことの背景に関する深くて論理的な考察が欠けている。
これには民放テレビ局の視聴率競争や新聞社の他社に抜かれたくない意識が働いていると考えられるが、それはあくまでもマスコミ内部の事情である。
客である私たちがそのとばっちりを受けて不完全な、または誤った報道に接するのであれば、それは本末転倒と言うものだと書いていました。


日本のマスコミの特徴は、自虐的で悲観的なことだそうです。
「だから日本はダメなんだ」という論調で、調子のいいものまで引きずり下ろしてしまう。きちんと基礎的なデータを検証し、背景に隠れたものまで調べようという姿勢ではなく大向こう受けする、派手でセンセーショナルなニュースに飛びつく傾向がある。
それに加えてひとつの流れができてしまうと、みな無批判でそれに同調する。
競争心だけはやたらに強いから、こうなると洪水のような勢いになり報道の内容が事実に反していたとしても、正義の声はかき消されてしまう。
一度そうなってしまうと、元に戻るまでにはかなりの時間を要する。

これはマスコミにも政治家にも当てはまることだと思うんですが、今回のコロナのことでデータを検証し背景に隠れたものまで調べようということよりも、ただ批判をして煽ったり緊急事態宣言は出して、外から入って来る人は完全に止めなかったりとコロナを終わらせたくないのかなと思ったりもします。


あと、うっかり乗せられて信じ込んでしまうと自分の国を過小評価する愚にはまりこんでしまうと書いていましたが、その通りだと思いました。


次は、日本のマスコミによる「ジャパン・バッシング」で得をするのは一体誰かについてです。
それは、日本を目の敵にしている海外の勢力です。
日米貿易摩擦が火花を散らしているとき、ジャパン・バッシングをしたがっている勢力に対して日本のマスコミは利敵行為を繰り返したみたいでこれは偶然の産物ではなく、先方が日本人と日本のマスコミをよく研究して練り上げた作戦の結果であるそうです。


日本との付き合いが深いアメリカ人は、日本人がブラフ(脅し)に弱いことをよく知っているそうです。
少々怪しい理屈でも自分に有利なロジックを構築し、それを高飛車に押しつけると多くの日本人は恐れ入って言うことを聞くと思っています。

問題なのは日本の交渉当事者よりも日本のマスコミの方が、はるかにブラフに弱いことだそうです。
駆け引きの苦手な日本人が絶対的なデータをもとに必死で交渉にあたっているときに、後ろで見ているマスコミの方が先に参ってしまうのだ。
これでは交渉の当事者は立場がない。

その結果、日本のマスコミは日本側の主張を熱心に取りあげず相手側の主張ばかりを報道します。
ブラフに負けて、向こうに利があると思い込んでしまっているために公平な報道ができなくなってしまうのです。
しかもそれがワシントンにいる現場の記者ではなく、東京のデスクのレベルで起こってしまうので始末が悪いと書いていました。


日本人が交渉の場に臨むときは、自分たちの主張を裏付ける客観的な数字や物的証拠を豊富に用意し、徹底的にそれで押しまくるしかないと書いていましたがこの本を読んで改めてすごく大事なことだと思いました。

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