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住宅設計者の自分の家づくり 18 買って(導入して)よかったもの

住み始めて2年近くが経ち、生活のパターンもなんとなく見えてきました。

今回はここまでの生活で「これは取り入れてよかった」というものをご紹介します。

設備編

一番「これにして良かった」と感じているのは60cm幅の食洗機です。

元々食器を洗うという作業は嫌いではないので、以前使っていた卓上食洗機だと入る量が限られていて入れ方に悩んだりしていたので、時には手洗いのほうがマシかもと思うこともありましたが、これだけ容量があるとあまり考えずに朝晩の食器と調理器具を1回でまとめて洗ってくれるのでとてもありがたい存在です。

「楽をする」という観点で食洗機を選ぶときの基準としては機能性よりは容量を優先するほうが幸せになれる気がします。

次はガスコンロのグリルです。

これまで20年近く、掃除が面倒そうとか臭いがとれないというイメージ先行でグリルのない生活をしていたのですが、最新のグリルを使って驚いたのは汚れがつきにくく魚を焼いてもあまり臭いが出ないということでした。

さらにメニューが多彩でココットも付いていてほぼガスオーブンとして使えるのでかなりの種類の料理が放っておいても完成するということで、引っ越し前に別途での導入を検討していた自動調理機は買わずに済みました。

トーストも美味しく焼けて、電気とガスの間の越えられない壁を感じています。

続いてはレインシャワーです。

設計を始める段階で、これだけは絶対にほしいと思っていたものでもあり、期待どおりといったところですが、頭上から温かいお湯が降り注いで全身を包み込むというのはとても気持ちよく、入浴以上のくつろぎを感じます。

今回入れたのが直径30cmのタイプで、欲を言えばもう少しヘッドが大きいと良かったかもと思わなくもないですが、水がもったいないという観点もあり、ギリギリ妥協できる大きさという感じがします。

設備の最後は基礎蓄熱暖房です。

基礎内部に不凍液のチューブを巡らせて基礎を温めるというものですが、1階の足元が一番暖かいという状況が冬を過ごす上では最高です。

暖気は上に上がるので2階も寒くはなく、早朝に1時間程度エアコンをつける日はありますが、それ以外は風が吹くことがなく、あまり乾燥もせず2シーズン加湿器無しで過ごせたので今年は加湿器を手放そうかと考えています。

家全体が暖まるので、トイレや浴室を含めてどこにいても快適というのは体にも良いですし、家を使いつくすことができます。

家電

続いて家電ですが、一番助かっているのは定番ながらやっぱりロボット掃除機です。

2階だけでの利用でゴミを貯めておけるタワー付きのタイプにしたのですが、1年10ヶ月時点でまだ1度しかパックの交換をしておりません。

完璧にきれいにしてくれるというわけではないものの、放って置いてもあらかたきれいな状態が続くというのは5歳児のいる家庭としてはとてもありがたいものです。

続いては壁にぴったり寄せられるテレビです。

通常の壁掛け金具だと壁と本体の間に10cm程度は隙間が空きますが、このモデルは壁に厚さ3cmの板がついているような状態で収まるため、下にテレビ台などを置かないようにしていることもあってか、テレビ番組の取材に来たディレクターの方が「この家はテレビがないんですね」と言ったほどで、暮らしていると写真で見る以上に存在感が少ないです。

最近はテレビは不要という方も増えていますが、映画やスポーツを大画面できれいに見たいけどスッキリさせたいという方にはこのタイプのテレビをおすすめします。

意匠、プラン等

購入するものではないですが、取り入れてよかったものとしての一番は広い玄関です。

延床面積25坪に対して玄関土間だけで子供部屋よりも広い2坪を使うというのは図面を書きながら葛藤もありましたが、中途半端に1坪とかにすると靴を脱ぐだけの場所になってしまうところが、朝の支度や帰ってきたときの一休み、縄跳びの練習など多目的に使える場となり、出入りの際もゆったりとした気持ちになれることで家の狭さを感じにくくさせる一因になっている気がします。

玄関と同じくらいあって良かったと思うのは庭です。

四季の移り変わりを楽しめたり子どもが虫を探したりなど以外にも、特にリモートワークになっているから感じるのでしょうが、ちょっとした時に視界に揺れる葉や木漏れ日が入るというのが思った以上に精神的安定をもたらしてくれているようです。

どうも「揺れ」というのがポイントな気がするので、集合住宅でもベランダに植物を置いてみると室内においているのとは違う効果があるかもしれません。

もう一つ、良かったのはキッチンの窓です。

キッチンで何かしているときに外が、特に空が見えるというのは精神安定にとても良いようです。

後片付けなどをしている時に横で子どもが騒いでいても月が見えたりするとそちらに気が向いて、子どもの声がこころなしか遠くに聞こえたりします。

キッチンに窓をつけるときはなるべく上に目線が行くような位置につけるのが良いように思います。

キッチンには吊戸より窓を。

以上、全て個人の感想ではありますが、家づくりに導入するものの参考になれば幸いです。

※竣工後の写真などは下記リンク先でもご覧いただけます。

このシリーズをマガジンにまとめておりますので、こちらも併せて是非ごらんください。


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