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大使館追っかけ②なぜ大使館は6つの区にしかないのか

大使館に関する学術書をAmazonで買ったりして、ひにひに大使館について造詣を深めていっている平野です。

早速、気になっていたことの答えにたどりついたので披露させていただきたいと思います。

大使館はなぜ特定の区に集中しているのか

東京にある各国大使館の一覧を外務省のHPで眺めている日々ですが、

とっても気になったことがありました。

それは、かなり特定の区に集中しているんです。

なんとたったの6つです。

港区
渋谷区
目黒区
品川区
千代田区
世田谷区

の文字しか見当たらないんです。

例えば

アメリカ大使館は港区赤坂

中華人民共和国大使館は港区元麻布

インド大使館は千代田区九段南

マレーシア大使館は渋谷区南平台

アラブ首長国連邦も渋谷区南平台

スイスが港区西麻布

タジキスタンが品川区大崎…


6つの区といっても、特に港区・渋谷区が多そうですね。

このまま延々と、港区、渋谷区が続きます。

新宿区にはない?

気になったのは、「新宿区」の文字がぜんぜん無いということなんです。

上記6つは便利な場所ということでなんとなくわかるのですが、

新宿区にはほぼ無いというのが気になっていました。

何かありそうだなと。

すると、買ったばかりの本[1]で答えが見つかりました。


大使館を置く場所の基準


大使館を置く場所というのは、

「千代田区霞が関の外務省に近くて」

「騒乱が少なく警護がしやすい」

ところを選ぶそう。


そう!新宿は便利な街でもありますが、

騒乱の街でもあるので条件に当てはまりづらいんですね!

いやー納得…!!!


さらに前述の本によると

「各国大使館で行われるパーティーに相互に訪問するので密集してる場所のほうが便利」

とのこと。


わかる気がします。

2020年春現在、私が学生時代に住んでいた寮の仲間が、エジプトの日本大使館につとめるダンナ様についてカイロに住んでいわゆる駐在員の妻をしていますが、

よく各国大使館のパーティーに着物を着て行っている姿をインスタで見かけます。

主な区の設置数

現在日本にある約140の大使館のうち

港区に半数の約75館[2]、渋谷区が23館[3]、千代田区・目黒区が約15館、品川区が約10館と

いったところでした。

港区ダントツですね。

例外・はじっこ

皇居を北東のはじっことして、南西方向に楕円形に点在しており

例外として

台東区浅草橋にコンゴ民主共和国

中央区築地のアルバニア大使館

さらに

南端は目黒区自由が丘のタジキスタン

そして西端が目黒区上用賀のタンザニア

だそう[1]。

南端も西端も目黒区というのが不思議な世界ですね。


日本の2大繁華街の近くには2館ずつしかなかった

改めてGoogle先生に聞いたところ

私の住まいのある新宿区には

ベリーズ大使館とモルドバ共和国大使館

の2館。

また、新宿と同じく日本最大級の繁華街である銀座を抱える中央区は

サモア独立国大使館とアルバニア大使館

の2館でした。

やはり日本人からするとややなじみの薄い国の感じは否めないですね。

サモアはかろうじて昨年のラグビーワールドカップ東京大会の時によく聞きましたでしょうか。


そして今回、大使館を「1館」「2館」と数えるということを初めて知りました。

「館」という単位で数えるものって身近にないですよね…。

フランスやイギリスのお城とかはそう数えたりするのでしょうか…。


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[1]木下郁夫『大使館国際関係史』社会評論社 2009年 社会評論社

[2]港区公式ホームページ
https://www.city.minato.tokyo.jp/kyouikucenter/kodomo/kids/machinami/taishikan/index.html

[3]渋谷区公式ホームページ
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/bunka/spot/shisetsu/embassy.html

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