スペースコロニー暮らし(日記)
酷暑が続きます。屋外での活動は命の危険があるとして、エアコンという生命維持装置によって辛うじて人間らしい社会生活が保たれている現状は、もはや月面や火星や衛星軌道上のコロニーで暮らしているのとそんなに変わらないような気もします。この星の夏はちょっと人間には厳しすぎる。
いろいろと過去を振り返ることの多い季節。
7月は、大学時代のゼミ仲間とコロナを跨いで数年ぶりに食事したり、はたまた中学時代の仲間の誘いで、友人のクラス担任の先生を囲んで飲んだりしました。後者に至っては四半世紀ぶりの再会…。中学生からここまで、体感として自分の時間だけが連続している感覚で、その時間が長く途切れて共有できていなかった友人たちの姿は自分よりもずっと大人びて見えて、わたしだけが過去に取り残されているような錯覚を覚える。実際にはわたしもちゃんとおじさんになっているのにね。
中学の先生は当時20代半ばとかで、がきんちょだったわたしたちとも実際には10ほどしか離れていなくて、この年で再会するともうそんなに自分たちと変わらないのです。同じ大人だ。先生を囲んで話していると次々思い出す記憶のなかのエピソードと、それに加えて今になって初めて聞く先生サイドの職場エピソードとがオーバーラップして、不思議な気持ちになる。あのころただ無邪気に毎日楽しかったけれど、先生は先生で日々奮闘する社会人だったのだな。
いまは中学の国語教師を早期退職されて、技能実習生に日本語を教えるお仕事をなさっているのだとか。思えば中学時代、作文の何かで賞をもらったこともあった。課題や仕事で文章を書くことを嫌いにならなかったのも、今こうして楽しんでブログのようなくだけた文章を書けるようになったのも、国語の先生のおかげもあったのかもしれません。感謝。
以下、とりとめなく最近の話題についてつらつらと。
何もしてないのに壊れた
先週の夜中、いつものようにPCを使っていると、メインの液晶モニタの画面全体に急に横縞が入るようになり、間もなく像が縦に2重3重にぶれて表示されるようになってしまった。すわ、お高いグラフィックボードRTX3060Tiの故障かと慌てたけれど、問題を切り分けるとどうやら液晶側の故障みたい。
3年前に購入したEIZOのFlexScan EV2451で、使用時間もまだ13,000時間程度。メーカー保証は5年間かつ30,000以内とあるので、保証期間内であることが分かり、翌日サポートにフォームから問い合わせしました。盆休み明けなのにすぐにレスポンスがあり、故障品送付用の梱包箱と代替機を送ってくれる手筈になった。さすがのEIZO(旧ナナオ)のサポート。
液晶、いま輸入の安いものもゲーミング用のものもあれこれあるけれど、EIZOの製品はそれなりに信頼度が高くて愛用してきました。最初に買ったEV2334Wも50,000時間超えてまだサブモニタとしてバリバリ現役だし、今回のように急に壊れるのは想定外だったけど、こうサポートが手厚いと安心感ありますね。とはいえまあ、まだどう転ぶか分からないから調査結果待ち。
夏のお料理
相変わらず、毎晩お料理しています。
夏はカレー。ちょっと時間が取れた日は、玉ねぎをじっくり炒めてまたスパイスカレーを作りました。レシピ本などを読むと、まず刻んだ玉ねぎをけっこう心配になるくらい真っ黒になるまで炒める。スパイスはコリアンダー、カイエンペッパー、ターメリックを3:1:1で粉っぽくならないように分けて入れる。塩も忘れず。トマトを足してカレーペーストがおいしく作れたらひと安心。そのあとは水やヨーグルトなどを足して肉などを煮込む。繰り返し作ってみて、基本は分かってきた。
自作の汁なし担々麺は、一人であれこれ試してレシピが固まってきた。
スープにピーナッツバターを加えてもいいし、なければ砕いたピーナッツをトッピングしてもいい感じになった。上のレシピに何か足すならまずピーナッツ。風味と食感が酢醤油ごま豆乳ベースに合う。お店だと桜エビが入ってたりもしますよね。あと何があったら良くなるかな。晩ごはんにしては野菜が全然足りないので、副菜で何かしら野菜を摂れるとなお良し。
豚バラがある日は、お手軽なゴーヤーチャンプルーや冷しゃぶサラダになりがち。ゴーヤーチャンプルー、豆腐の水分がめっちゃ出てびしゃびしゃになるのでしっかり水を切らなきゃなんだな。戦いのなかで成長していく。
最近観た映画から
noteでは感想を書きそびれてしまったけど、立川シネマシティで公開2日目に『君たちはどう生きるか』を観ました。普通に良かった。
このところジブリはご無沙汰だったけれど、思春期に宮崎アニメを浴び、創作の根っこにジブリ的なる美意識が刻まれている者の一人として、今作は観ておいてよかった。作家の心象風景やシグネチャー的な画を盛り込んだ…というか、そういうもののみで構成された、アーティスト最晩年の作という趣がビシバシあった。煮詰まっている。バッハがフーガの技法を書いたように、ダリが故郷の浜を描いたように。万人向けでないことは明らかなので、敢えて内容を喧伝しないという今回の広報の方向性とも合致していたように思います。届く人に届けばいい作品。
アマプラのレンタルで、春に劇場で観そびれた『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』を観ました。噂に違わぬおもしろさ。妥協のない圧倒的な映像美、手の込んだ小物の美術によって、彼らとともに冒険している感触が確かに感じられる王道のファンタジー作品でした。これは万人向け。わたしは原作D&Dには全然触れていないのだけど、その派生作品であるロードスとかクリスタニアとかルナルとかファイブリアのような国産TRPGリプレイ小説にどっぷり浸かった少年期を過ごしたので、完全に実家の味がした。
別の日には、同じくアマプラの有料レンタルに入ったばかりの『キル・ビル: ボリューム 1』を初めて観た。ニンジャスレイヤーの元ネタ要素が多々あると聞いてはいましたが、確かにね。観る前はなぜかチャーリーズ・エンジェルみたいな女性ヒーローチーム的なものかと思っていたから、全然違う超ソリッドなソロ復讐劇で驚いた。構成もいびつだし、セリフ回しもヘンだし、お話も前編だけで完結していないんだけど、100%大満足でした。なぜなら、画面上にことごとく爆発するアートとクリエイティブの刹那的快楽を前にして、そんなお行儀よく端正で整ったものは何も関係がないからだ!
そして最近は、未見だった『ミッション:インポッシブル』シリーズを1から順番に観ています。3まで観た。シリーズとはいえ、毎回監督が違うからか、それぞれに違った良さがある。ことのほか二転三転ある複雑なプロットの1、病原体と特効薬をセットで開発した暗黒製薬会社を乗っ取ろうとするテロ組織を相手取るド定番にして王道アクション大作の2、所帯を持ったイーサン・ハントをギリギリまで追い詰めるシリアスでサスペンスなシナリオが魅力の3。もっと当たり外れがあるかと思いきや、全部ちゃんとおもしろいのが驚きです。トムも若い。
旅動画が誘う海外
この夏は海外旅行の動画が楽しい。ぽんぽこちゃんとピーナッツくん(ぽこピー)はベトナムのダナンへ行っていた。もとはピーナッツくんに対するドッキリ企画の一環として計画された弾丸旅行、旅の後半ではそれぞれに自由行動でベトナムを楽しむ様子がとても良かった。この2人、VTuberなんだけどパペットもmocopi(スマホでモーショントラッキングできる装置)もあるから海外でも無敵だ。
特にバイタリティ溢れるぽんぽこの行動力がすごい。一人旅がうまいとこんなにも濃い一日を過ごせるのか。編集も極まっていて、単体でも見やすい動画に仕上がっていました。上の動画は全4編の最終回です。
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一方、これとはまったく違ったベクトルの旅動画として、バキ童チャンネルの「レンタルぶさいく救出編」(フィリピン編)がいま熱い。2週間ほど前からほぼ毎日新作が連続公開されているんだけど、めちゃくちゃ笑えて異常におもしろい。下記の動画の再生リストから順番に視聴できます。
いろいろと終わっている三十路の男たちが仲良く限界フィリピンを旅する、汚いジョジョ三部みたいな感じ。出てくるキャラはみんないろんな方向にダメだし、ルームシェア時代の下世話な限界エピソードは無限に出てくるし。だけどここで描かれる男たちの友情は爽やかで眩しい。飄々とした立ち位置で爆弾を放っていくピーターや土岡さんの存在にも笑う。
バキ童ぐんぴぃさんは、この動画シリーズが苦手な「内輪」ネタであるとnoteの記事のなかで危ぶまれていましたが、動画のなかで丁寧に説明があるので特に前提知識はいらないと思います。わたしも同じくらいの歳のころベトナムに駐在している日本人の同僚を貧乏出張で訪ねたことがあるから、ちょっと雰囲気が分かるところもある。こんな旅うらやましい!
夏のエモはにじさんじから得る
今年の夏もがっつり「にじさんじ甲子園」(にじ甲)を観ていました。育成配信から本戦の3日間に至るまで、足かけ一か月にも及ぶ恒例の箱企画。にじ甲に関して毎年思うことは、VTuberそのものが絵に声がついた演技であり、集まってプレイするのがパワプロの「栄冠ナイン」というごっこ遊びであり、チームメンバーすらも実在するライバーの名前と外見を借りたものでしかないのに…ライブ配信で20万人を熱狂させる、本物の感動が生まれてしまう凄みについてです。
ゲーム大会に直接関わる10人の「監督」陣以外のライバーさんたちにとっても、国内外のライバーさんを集めて観戦配信枠を作ったり、応援歌を歌ったり、育成をリスナーと一喜一憂してみたり、はたまたサイレンになったりと、それぞれに得意なことを生かして参加している様子が、リアルタイムに紡がれる関係性コンテンツであるにじさんじの真骨頂なのですよね。
今大会の優勝結果はどこから始まっていたかを考えてみると、偶然と必然が生んだドラマに唸る。椎名さんが育成に成功したところからだったのか、開幕ガチャで大谷を引いたところからか、地区ドラフトで岩手を引いたところからか、あるいは1位指名で葛葉を引いたところからなのか。また、育成配信を追っていて熱かったのは、何と言っても去年悔しい思いをしたレオスの枠でした。エンディングの閉会式で全ての笑いを攫っていったところまで、すべて含めて最高だった。
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そして、そのにじ甲を天開さんとともに主宰した舞元さんが、8月いっぱいでライバー活動を無期限で休止するとの急な報せ。
いちリスナーとしては、あれだけ好きな配信を楽しそうにやっていたように見えた舞元さんですらこんなにも秘めたる葛藤があったのだから、本当にひとの心は計れないよ。10代・20代のナチュラルボーン配信者みたいな子たちがゴロゴロいるような、ユースカルチャーの代表格であるVTuber文化。その可能性を、親しみやすい語りと人なつこい笑いで、30代40代といった上の世代にまで身近なものとして広く繋いでくれたのが舞元さんの功績だと思います。長い間お疲れさまでした。
そしてまた、引退でなく「無期限活動休止」という形を選んだ意味にも思いを巡らせる。VTuberの引退は、名前とキャラクターの使用権が失われ、動画アーカイブとSNSアカウントが消去されるという意味で、ほとんど死と同義であって、だからこそ黛くんは生前葬配信をして真摯に引退していった(それも素敵なことだ)。広く人と人を繋いだ舞元さんだからこそ、そういう終わりかたを選ばずにいてくれたことに救われたファンは多いんじゃないかと思います。たとえ戻ってこれるかどうか分からなくても、みんな忘れずにいるしね。
わたしが初めて舞元さんを認識したのは、2020年の正月のソロ配信だったのかな…。前年の台風で兼業農家の収入がゼロであったことを、笑いながらも赤裸々に告白する内容で、にじさんじにはこんなライバーさんもいるのかと思った。それから間もなく、風俗失敗談配信とか獄激辛ビジュお披露目配信とかユメノグラフィア体験会とかの攻めた企画でハマっていった記憶があるから、やっばこの時期だったのだと思います。
今年に入ってのレオスとの3Dでの絡みは、平成の深夜テレビお笑いファンには特に最高だったから、欲を言えばもっともっと見たかった。心と体のご快癒の折にはすぐにでも戻ってきてほしいし、10年後20年後、舞元さんもリスナーも全員おじいちゃんになったある日、急に戻ってきてくれてもいい。待っていたい。
チャンネル登録よろしくお願いします
「アカリがやってきたぞっ」などでおなじみのGYARIさんのこの新曲、その名も「チャンネル登録よろしくお願いします」最高でした。繰り返し聴いています。配信者文化の浮ついたノリと視聴者との双方向のエモを、お馴染みのかっこいいベースラインとおしゃれなコーラスに落とし込んでいる。変拍子のメロから4拍子のサビも自然と耳に馴染むし、手の込んだアニメーションもかわいくてクセになる。この夏のキラーチューン!
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