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ザ・ハント(2020) ドンは味方だったらしいよ。

 「セレブが庶民を狩って遊ぶ」というショッキングな内容がアメリカで物議を醸した本作。あらすじは有名かも。アイディアだけで出オチしてないのが良かった。ほぼ主演のベディ・ギルピンのおかげで成功したと言えなくもないけども。彼女が演じたクリスタル(サムネ)はこのドヤ顔で敵を無双していく。竹を割ったような性格で最高でした。

 余談だけどやっぱりブラムハウスのオープニング映像が大好き。よしホラー観るぞってテンションになる。

良くないですか??新たに登場した2本目に至っては、もはやこの内容で映画作ってくれたら絶対観るレベル笑


〈あらすじ〉

広大な森の中で目を覚ました12人の男女。そこがどこなのか、どうやってそこに来たのか、誰にもわからない。目の前には巨大な木箱があり、中には1匹のブタと多数の武器が収められている。すると突然、周囲に銃声が鳴り響く。何者かに命を狙われることがわかった彼らは、目の前の武器を手に取り、逃げ惑う。やがて彼らは、ネット上の噂に過ぎないと思われていた、セレブが娯楽目的で一般市民を狩る「マナーゲート」と呼ばれる“人間狩り計画”が実在することを知る。絶望的な状況の中、狩られる側の人間であるクリステルが思わぬ反撃に出たことで、事態は予想外の方向へと動き始める。そして次第にマナーゲートの全容が明らかになり……。

映画.com

〈感想〉

※ネタバレを含みます※

 他の方のレビューにもある通り、狩りが始まってすぐの怒涛の展開は今までに観たことないタイプ。「お、主人公かな?」と思った女性がライフルで頭を吹き飛ばされ、「なんだ、こっちか」と思った男性が地雷を踏んで爆死。感情移入が追いつかないスピードで観る者を翻弄し、一気に引き込む演出はお見事。ちなみにスプラッター描写はリアルだけど痛々しくなく、コメディ感があるので観ていてしんどくない。地雷の爆発に巻き込まれた女性は下半身が吹き飛び内臓がコンニチハしているが普通に会話でき、「ちょっと銃貸してよ!」みたいな感じで銃を奪い取り自害する。

 被害者(狩られる側)は全部で12人。その中で唯一落ち着いている女性がクリスタルだ。彼女は元軍人で銃の扱いや戦闘能力に長けており、冷静沈着に敵の行動を予想しながら行動していく。ただ冷酷なだけではなく、いちいち捨て台詞を吐きながら無双していくのでとにかくスカッとさせてくれる。

 この映画の世界線では人間狩り(=マナーゲート)が定期的に行われているのかと思いきや、実はそうではない。ある会社のCEOであるアシーナは、他の重役たちとのグループチャットでふざけてこのゲームについて書き込んだところ、内容が漏洩・炎上してしまい会社をクビになる。その腹いせに「じゃあ実際にやってやんよ!」とチャットを拡散した庶民を相手にゲームを実行に移したのだ。チャットに参加していたセレブ仲間たちもそれぞれ社会的制裁を受けてゲームに参加しており、単なる娯楽や快楽のためではないというところが捻りが効いていて面白い。

 クリスタル視点で物語が進んでいくが、どこに敵が紛れているか分からないのでこちらの緊張感も持続する。セレブたちは貨物列車の中で難民に扮していたり大使館職員を装ったりと、謎に高い演技力を駆使してクリスタルたちに近づいてくるのだ。

 ラストのアシーナVSクリスタルの肉弾戦もアクションとしてはハイクオリティ。時々コメディチックな演出が入るのは好みが分かれると思うが。クリスタルは自分と同姓同名の女性が同じ街に住んでおり、拉致する相手を間違えているとアシーナに主張する。これについては真偽不明であるが、そうだとしたらこんなにハイスペの女性を間違って選んで自滅した結果となり、とんでもないミスである。

 途中クリスタルが語っていた「うさぎとかめ R18ver.」のお話通り最後にウサギが現れたり(だからサンドウィッチ食べたのね)、ドレスに着替えて颯爽とチャーター機に乗り込み、ボトルごとシャンパンをがぶ飲みするラストも良かった。

↓すでに鑑賞した方に向けて↓

ドンが敵だったとすると被害者の人数が1人足らなくなるので、本当に味方だったようです。クリスタルは「疑わしきは罰せよ」タイプだから可哀想だけど仕方なかったかな。



 奇抜なシチュエーションながら、90分間にぎゅっと面白い要素を詰め込む技はさすがブラムハウス。今ならアマプラで見放題配信中です。ご覧ください。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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