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K-12(2019) バービーより断然こっち派。

 アマプラのおすすめに出てきてたので存在を知ってはいたけど未見だったミュージカル作品。またまた渋谷さんが褒めていたので鑑賞リストに入れていた。

 全体的にピンクが多くファンタジックな世界観はバービーと似ているが、私はバービーから一切何も感じ取れなかった女だ。でもこちらは断然良かった!(バービーは記事にするのを断念した。何も感じなかったので何も書けなかった)10代女子の悩みを歌と映像で表現したらこうなるわなって感じ。

 確かにミュージカルじゃなくて普通の映画だったらキツかったかもしれないけど…確実に人は選ぶ作品です。例えるなら原宿のカフェの店内でずっと流れていそうな映画(伝われ…!)否、映画を観ているというより長いMVを観ていると思うとあら不思議、ずっと観ていたい気持ちになる。

〈あらすじ〉

とある寄宿学校にやってきた風変わりな少女。思春期特有の悩みを抱きながら、特殊能力を持つ破天荒な彼女は辛い現実を乗り越えていく。

Amazonプライムビデオ

<感想>

 メラニー・マルティネスさんという(存じ上げずごめんなさい)アメリカのシンガーソングライターが監督・脚本・主演を務めた、彼女の世界観が全開の映画。ダンスも衣装も歌っている時の表情も完璧に作り込まれていて、その豊かな表現力は思わず羨ましくなるほど。

 ミュージカルなので歌とダンスがメインでストーリー展開していく。人を選ぶという観点では、まずミュージカル映画が大丈夫かどうかで最初のジャッジが下るし、サムネのようなPOPでカワイイ世界観が受け入れられるかで次の分岐点が訪れる。私はいずれもclearしたので先に進めた感じだ。メラニーの少しハスキーで落ち着いた歌声が耳に心地よい。

 ガーリーな世界観の中にちょいちょいサイコでダークな設定が見え隠れする。周りからバカにされる主人公クライ・ベイビー(メラニー)と親友のアンジェリータには特殊能力があり、集中して念じるだけで何でも実現することができる。ムカつく相手に嫌がらせをしたり親友のピンチを救ったりと、能力を使いたい放題の二人。この能力を使う時は白目の部分が無くなって目が真っ黒になるのが良い。普通は悪魔や悪霊に取り憑かれた時の表現なんだけどねぇ。

悪魔に憑かれたディーン・ウィンチェスター
(スーパーナチュラル)

 扱うテーマは思春期女子あるあるで、自分の体型や見た目への不満と劣等感、行き過ぎたダイエットによる摂食障害、生理などの二次的性徴、そして淡い恋愛模様。もともと自分は変わっている自覚を持っているクライ・ベイビーは周囲と激しく衝突しながら自分らしさを模索していく。

 …こんな風に書くとすごく分かりやすい感動青春ムービーのようだけど、違うよ!!扱ってるテーマはその通りなんだけど表現方法はかなり抽象的で、ずっとコンテンポラリーダンスを見ているような感じ。アート性がすごく強い。受け取り手のポテンシャルが試される映像の連続だ。でも10代のときの悩みってすごく混沌としているから、あながち間違いではないよなーと観ていて思った。ティーンエイジャーの頭の中ってこのくらいカオスな気がする。

 どの曲もキャッチーで耳に残るため思わずサントラを探して聴いてしまった。この世界観を1人で作り上げるメラニーは本当にtalentedだし、その才能を遺憾なく発揮している今作はまさに彼女の代名詞になると思う。

 現実と夢が入り混じるキラキラした世界。ちょっと抽象的なMV観るの好きな人なら絶対いけます。アマプラで見放題配信中なので是非挑戦を。気がついたらメロディーを口ずさんでいること間違いなしです。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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