人はなぜ滅びるのか
はじめに
聖書は、人の滅びについて語っています。
神様は、人を滅ぼしたいのでしょうか。
いいえ。
神様は、すべての人が救われることを望んでおられます。
それなら、なぜ人は滅びるのでしょうか。
これはとても大切なことですから、ご一緒に聖書から確認してみましょう。
人の選択権
先ほどの聖句にあったように、神様は、どのような人が滅びることも望んではおられません。
仮に、神様が一方的に人の運命を選ぶのだとしたら、すべての人が救われることを選ぶでしょう。
そうなさらないのは、人に選択権があるからです。
人には自由意志が与えられており、神の愛に応答できるからこそ、愛が成立するのです。
私たちは選ぶことができます、何のために生きるかを。仕事、趣味、地位、評判、富、あるいは自慢するため、安心するため、快楽のために生きることができます。
それらすべてを手に入れた人がいます。ソロモン王です。
彼は最後に何と言ったでしょう。
空っぽの人生であると言っています。死んだら終わりだからです。
ところが、この世界にはたった一つだけ、良いものがあるのです。
それは、神の教えに聞き従うことです。人にはこれを選ぶ権利があり、その選びを神が取り上げることはありません。
人はなぜ滅びるのか
人の選択権を正しく理解するなら、人がなぜ滅びるかがわかってきます。
実のところ、その理由は聖書に繰り返し書かれています。
人が滅びる理由はただ一つ、神の教えに聞き従わないからです。
悪を行う者は、命の木から遠ざけられる
アダムが罪を犯したことで、人は善だけでなく、悪も知るようになりました。それ以来、アダムから受け継いだ肉の性質のゆえに、人は悪を選びやすくなっているのです。
もしも、悪を選んだ人が、永久に生きることになったらどうでしょう。
私たちにはわかりませんが、神様はその悲惨さを知っておられるのです。
それで、悪を選んだ人が永久に生きることがないように、命の木への道が断たれました。
神は配慮されたのです。
命の木に与る方法
悪に勝利し、正しく生きる人だけが、命の木に与ることができます。
そのために、二つの方法が用意されています。古い契約と、新しい契約です。どちらも、勝利を得る方法を提示するものです。
古い契約は、罪とは何であるかを教える十戒を守って、悪から離れるというものでした。
これは人間主体の契約であり、自力で義を獲得するというものです。
そして残念ながら、人には不可能な方法でした。この方法は、むしろキリストの必要性を私たちに感じさせるためのものだったのです。
一方、新しい契約は、聖霊によって十戒を心に書き記していただき、神の力で守れるようにしていただくというものです。
これは神様主体の契約であり、神の力で義を獲得するというものです。
注意してほしいのは、どちらの方法も、律法を確立し、義を得ることが目的であるという点です。
義を獲得する
義と義認は違います。
義認とは、不法を赦され、罪を見なかったことにしてもらうことです。
一方、義とは、罪を犯さず、義を行うようになることです。
これが聖書の本当の教えです。
新しい契約によって、人は罪を犯さない者になれるのです。
そのためには、律法に心から服従し、義とされることを信じなければなりません。
そうするなら、誰でも価なしに、罪から解放され、義を行う者となれるのです。
聖書の教える「恵み」とはこのことです。
律法を守らなくてよくなることではありません。
律法を守れるようになること、それが恵みなのです。
神の教えに逆らうなら滅びる
「滅び」とは、罪人の自然な結果なのです。神様が滅ぼしたいのではなく、その人が命の木に来ようとしなかったから滅ぶのです。
すべての人は招かれています。神が救いたいと思っておられるのは、全員です。
全員が招かれているのです。
その招きに応じましょう。世のことにかかりきりでは、この招きに応じることはできません。
思い出してください。この世界のすべてを手に入れたとしても、「空の空」です。
良いものはたった一つだけしかありません。
神の教えに聞き従うことです。
イエス・キリストの働き
主が人として来てくださったのは、私たちを滅びから救うためです。
私たちは神の教えを無視して生きていました。
そんな私たちのために、主が身代わりとなって、死んでくださったのです。
ゆえに、神の教えを守ってこなかった人でも、救いに与ることができるのです。
救いとは、神の教えを守って、命を得ることです。
私たちが罪を離れ、義に生きるために、主は死なれたのです。
この方の死を無駄にしてはいけません。
おわりに
人が滅びる理由は、神の教えに聞き従うことを選ばないからです。
神の教えは、人が幸せに生きる方法を私たちに教えてくれます。
これを束縛だと思わせるサタンの罠にはまらないでください。
この教えにこそ、愛、喜び、平安があるのです。
神のほかに神があってはならない。
偶像を造ってはならない。
神の名をみだりに唱えてはならない。
安息日を聖とせよ。
父と母を敬え。
殺人をしてはならない。
姦淫をしてはならない。
盗んではならない。
偽証してはならない。
隣人のものをむさぼってはならない。
人類が地を管理できなかったのは、この教えに従わなかったからです。
「殺人をしてはならない」と書いてあるのに、大量破壊兵器を作り、「隣人のものをむさぼってはならない」と書いてあるのに、必要のないものまで求め、環境を破壊し、勝手に滅びようとしているのです。
客観的に地球を見るなら、なんと愚かな種族でしょう。
神の律法は、私たちを滅びから救い、罪から離れさせ、神の民とするために与えられたものです。それに感謝もせず、無視するなら、滅びてしまいます。
この律法を守れるように、主は私たちの心にこれを書き付けようと言ってくださるのです。この新しい契約を喜ぶ人々を、主は集めようとしておられます。主は間もなく来られます。
今こそ、聖書の正しい教えに立ち返りましょう。
正しいのは、いつだって聖書だからです。
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