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【病気】入院中にできないこと①

外では蝉の声が聞こえ始めていると聞く。
例年であれば少々耳障りだとも思うところだが、今年は早くその鳴き声を耳にしたい気持ちもある。
私の夏はしばらくお預けだが、肌で感じる日を楽しみにしたい。


入院、2ヶ月目に突入

入院生活、33日目。
以前の記事にあるよう、私は入院中の日々を楽しく過ごすよう努めている

だが、昨日ちょっと限界が来てしまった。
「出来ること」は最大限活用しようと心がけているのだが、「出来ないこと」に対するストレスが限界値まで溜まってしまった。
仮に数値で表すとすると、毎日の「出来ないこと」で溜まるストレスが3、「出来ること」で減るストレスが2、つまり毎日1ずつはストレスが溜まってしまい、私の場合はだいたい10~15を超えたあたりで心の限界に達するらしい。
それが今回でよくわかった。

心優しい友人たちが泣き言や愚痴を受け止めてくれたおかげで、一晩経った今はだいぶ落ち着くことができた。
彼らには本当に感謝している。
ありがとうの言葉では足りない。

せっかくなので感覚が熱いうちに、「入院生活はこんなストレスがあるよ」もまとめてみようと思う。
むしろ以前の「入院生活でもこんなことが出来るよ」より、重要度はこっちのほうが高いかもしれない。
これから長期入院という方々の参考になれば幸いだ。

いつも通り先んじて述べておくが、病院関係者、他の患者さんへの不満は一切ない
ただ事実として、様々なことがストレスになってしまうことは避けようがないということをお伝えしておきたい。
例えば隣のベッドの患者さんがオナラをしたとして、それは生理現象だし気にしない。
しかし、臭いものは臭いのだ。


出来るだけ音を立てない

これまでを振り返ると、この「音を立てない」という制限がかなり大きなストレスになっている気がする。

入院は基本、大部屋に案内される。
私の病室は4人部屋で、大きなカーテンで視覚的にはある程度のプライバシーが確保されている。
しかし所詮カーテン1枚。
音に関しては、色々と注意を払わなければならない

大きな音を立てると同室の患者さんたちに迷惑なのは当然であるし、また小さな音や息遣いでも、繰り返されると気になったりするものだ。

例えば筋トレ。
最初のうちは腕立てなど負荷の高いメニューも入れていたのだが、後半はどうしても息が上がり、力む声が出てしまう。
周りがどうかはわからないが、私自身が聞かれて恥ずかしいとも感じたのでそのメニューは没にした。

次に音楽や映画などの音。
スマホやノートPCから直接音を出すことはできないが、イヤホンを使うことは可能だ。
ただこれも音漏れはもちろん、逆に看護師さん達からの訪問等に気づけるようあまり大きい音では聞けないし、いいところで中断ということも多い。
自室であれば、大音量の音楽に包まれてボーっと過ごすなんてこともたまにはあったが、ここでは鼻歌すら歌えない

ただノートPCを使うときは椅子に座っているし、なんというかモニターに向かっている感覚が強いのでイヤホンを使うこと自体に抵抗はない。
しかしスマホ、これが問題だ。
寝る前に少しずつドラクエVを進めているのだが、音を出すことができない。
ワイヤレスイヤホンを使うこともできるが、寝る前のちょっとのためにわざわざというもの手間だし、そのまま寝てしまうと紛失の恐れもある。
BGMも好きなゲームなのだが、結局今は諦めて無音で進めている。

自分が音を立てることと逆に、他の患者さんの立てる音も問題だ。
これを書いている今現在も、隣のベッドの男性がかなり素敵なイビキをかいている。
これが友人であれば対処のしようもあろうが、手術後でしばらく寝たきりのご老人とあれば話は変わる。
イヤホンで音楽を聴こうにも、前述の通り周囲の音をシャットアウトできるほどの音量にはできない。

イビキを始めとして咳、くしゃみ、オナラ、げっぷ、点滴のアラーム、ナースコール、尿瓶への用足し等々、生理現象と医療関連の音は多い。
これらに関しては、耐え忍ぶしかない

また消灯後はさらに気を遣うことになる。
21時に各病室の灯りが消され、必須ではないが就寝を促される。
そうなると、昼間より一層音を立てることが憚られてしまう。

これは私独特の問題にはなるのだが、意外と困るのがマウスホイール。
持ち込んでいるマウスはメインPCでも使っているもので、一般的にゲーミングマウスと呼ばれるものだ。

見た目はゴツいしゲーミングというだけあってボタンもたくさんだが、実はゲームだけでなく仕事の効率化という面で非常に活躍してくれる。
ところがこのマウス、マウスホイールが繊細に動かせるようになっている分、勢いよく動かすと「カリカリカリカリ」と小気味の良い音が鳴ってしまうのだ。
自室や昼であればまったく問題ない音なのだが、これが消灯後になると部屋に響かないか気になってしまう。
虫の羽音や時計の針と同じようなものだ。
結果、スクロールするのも音が出ないようにそっとホイールをコロコロするしかなく、なんとも扱いの悪いことになってしまっている。


気楽にお喋りできない

コロナ禍を経て、この病院では面会は個室、または談話室に限定されている。
マスクも必須だ。
4人部屋の自分のベッドには案内してもらえない(患者が動けない場合を除く)

一応、談話室での面会中の会話は過度な大声でもない限り自由だ。
ただ面会は1時間という目安があるし、そもそも相手にわざわざ来てもらわなければならない。
それは非常に貴重な時間だ。

それ以外でお喋りとなると、通話、看護師さん、他の患者さんとなるわけだが、まず電話やオンライン通話だ。
これも原則、個室と談話室のみ許可されている。
通話するためにいちいちマスクをして談話室へ移動しなければならず、また人もそれなりに多い。
オンライン仲間とワイワイとゲームなど以ての外だし、仮に内密な話がしたくても、そのタイミングと場所はないに等しい。

では看護師さんはどうか。
大前提として、看護さんは仕事中である。
何かしらの検査、例えば血圧測定などの時に軽く談笑くらいは可能だが、それ以上の引き留めは迷惑にしかならない。
私以外にも多くの担当患者がいるのだ、出来るだけ邪魔はしたくない。

他の患者さん。
これは最もハードルが高い
病状はそれぞれ、性格や年齢、性別も千差万別、もしお喋りできる関係になったとしても、退院時期はバラバラ。
仲良くなったけど、相手は明日退院なんてことになったら逆に気まずくなってしまう。
頑張れば仲良くなれる人も多少はいるだろうが、自分も病人だ。
そこまでの体力は正直いってない。
これに関しては偶然に任せるしかないと思っている

とまぁこういった塩梅で、お喋りをしたくてもその相手がいないのだ。
元々そこまでお喋りをしない人なら問題ないかもしれないが、私は自他ともに認めるお喋り野郎だ。
とにかく人と、色んなことをたくさん話したい。
だからBarに通うのが好きだし、パフォーマーなんていう仕事を続けている。
そんな私にとって気軽にお喋りできる相手がいないというのは、本当に辛く寂しいものなのである。


長くなってきたので

思ったより(いつものことだが)長くなっているので、今回はパートを分けることにした。
音、お喋り以外にも制限は多々あるため、次回はそれらを事細かに記そうと思う。

やはり入院生活は、大変だ。

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