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AIを置き去りにする 未来に先回りするための思考法 後半

何のために生きるのか?を突きつけられる現代人

現代を生きる多くの人、中でも若者たちは何のために生きているのでしょうか?「○○になりたい」「○○を達成したい」「生まれたからただ生きているだけ」などなど沢山理由付けることができると思います。テクノロジーが発達し、あらゆるものが簡単に手に入る現代において、皮肉にも「生きる意味」を自分で模索する必要性が今後益々高まります。


ベーシックインカムは何を生むのか?

近い将来、日本においてベーシックインカムが導入されるべきではないかという議論もなされています。ベーシックインカムとは簡単に言うと、政府がお金を国民に配って、基本的な生活費は賄いますよという施策です。これだけ聞くとお金もらえるからラッキーと思うでしょう。しかしこれは視点を変えると、テクノロジーによって仕事が奪われていく時代にさらに追い討ちをかけるが如く、「稼がなくてもいいです。お金あげるんで」と働いて稼ぐという行為そのものの必要性を無くします。

この施策によってメリットももちろんたくさんあります。大きなメリットの一つに「可処分時間の増加」があります。今まで稼ぐためにかけていた時間をベーシックインカム分だけ貰えることになるので、その時間を自由に使うことが出来ます。スキルの習得や趣味にあてることで生活を充実させることが出来ます。著者の佐藤さんはベーシックインカムが成り立つ上で必要な要素を5つ上げています。

①資本主義のもつ欲望のエネルギー

②行政の持つ公益性

③市場競争による形骸化抑止

④営業利益による持続可能性

⑤ITがもつコストメリットとスケーラビリティ

それぞれの詳細は是非本を読んで確認してみてください。

テクノロジーの罠

テクノロジーが発達すればするほど個人個人に合ったサービスが提供されます。それと共に更にデータが蓄積され、パターン化されていきます。それは究極的に我々人間が認識できない、因果関係を解読できないようなパターン化を生み出すと言われています。不確実性を排除し、合理性を突き詰めるとそれはそれで機会損失を生みます。みなさんご存知の通り、人間は不合理な生き物であり合理的とは程遠い行動様式を持つ生き物でもあります。そのような問題に対処するため、Googleは20%ルールを適用しています。これは80%は至極合理的な戦略のもと判断を下し、残りの20%は社員一人一人がイレギュラー的なアイディアを出すという施策です。これによって不合理的な要素もカバーできるようにしてるんですね。


未来に先回りする思考法

本書にて佐藤さんは未来に先回りするための考え方をいくつか紹介してます。その中でも、個人的にぶっ刺さったものを2つ載せていきたいと思います。

・タイミングを見極める

これに尽きます。言い換えれば早いうちから準備をすると。なんだ長いこと読ませといてそんなことかい!なんて仰らないでください。佐藤さんはこれを面白い表現をしてくれています。皆さん、電車に乗る際どのように電車を選んでますか?どんなタイミングでどのようにどういう思考のもと乗る電車を選び、実際に電車に乗るでしょうか?

あまり意識せずに習慣化してしまっているんで説明するまでもないですね。電車に乗る工程を分解すると以下の通りです。

①対象の電車が来る前にホームに到着する。

②電車到着時間より早ければ早いほど対象の電車を待つ人はホームにいない

③電車到着時間が直近であればあるほどホームに人が増える。

当たり前ですよね。そしてこれは言い換えると、競争が激化する前に入念に準備し、先行者利益をぶんどれということなんです。

・パターン化し資源を最適な場所に投入する

前半で述べたように、全ての事象をパターン化し最適解を編み出す点で、ロボットに人間は太刀打ちできません。しかし、人間がそれを出来ないわけではありません。問題は、労力、時間、技術などといったあらゆるソースを最適な場所にポジションニングすることです。そのために、過去から現在までの事象におけるパターンを抽出することで、未来に起こる事象に限りなく適切に対応できるよう準備することが大事なんですね。

以上が本書まとめになります。お金2.0で有名な佐藤さんですが、それ以前に出版された今回の本もすこぶる内容が濃いものでした。是非、気になった方は読んでみてください。









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