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ハラスメントのガイドラインってこれだと思うけどこれじゃない現実【不適切にもほどがある!第3話】

クドカンは天才だ。知ってたけど。
みんなとっくに知ってるけど。

「ふてほど」って略す人は周りに誰もいないけど、今期ドラマはこれだけは観てるって人は周りに結構いる「不適切にもほどがある!」は、タイムスリップのドタバタコメディー(昭和っぽいね)と見せかけて、コンプライアンスって何かね?を各々に問う、令和だから生まれたドラマだと思う。

前回の第2話は「働き方改革」のその言葉とは裏腹に、職場で起きてるどうにもならない歪みとか、何世代でも役職がどうでも、いろんなことひっくるめて「働き方くらい自分で選ばせてくれよ!」ってもうその通りなんですけど!って歌い上げたくなったけど、続く第3話は、よりセンシティブな「ハラスメント」に切り込んできた。

観ました?いきなり秋山を出すのはズルくない?
何「はやチョメ」って。あんなの秒で笑うもん。

これを笑えてしまう時点で、然るべきところからお叱りが入ってもおかしくないくらいには、令和と昭和って、まるで違ってはいたけれど。

ミュージカルパートの完成度もさることながら、そこで歌い上げられる内容が、もうクドカンしかエンタメに昇華できないと言い切りたくなる絶妙さ。
第3話を観ていて、思わず唸ったのは、ハラスメントのガイドラインは「娘だと思えば良いんじゃない?」の、あの一言。

え?クドカンもしかしてあのとき同じ会社にいた?
メールしたっけ?あの話したっけ?
って、思った人いる絶対。私以外にも。

ハラスメントのガイドラインって、この言葉もよく考えたら色々とおかしいとは思うんだけどそれは置いておくとして。
ハラスメントのガイドラインって、シンプルにこれだと思う。

自分と自分にとって大事な人が、言われたり、されたら許せないことは、誰かにしない。
これが指標になると思って生きてきた。

けれど、悲しいかな。
現実には、娘がいても、ハラスメントする人はするんですよね。
「え!娘いんのかよ!」って、これまで3回くらいは言ったことある。
聞いただけで怒りで口調も荒くなるやつね。

「娘だと思えば良いんじゃない?」
そうなの!!それなの!!言ってやってよクドカン先生!
って思った直後に、あ、でもそれじゃダメだったんだそういえば・・・
って、思った人いる絶対。私以外にも。(2回目)

あんなこと人にしておいてどの顔で家族に会えるの?
何もなかった顔して一緒にご飯とか食べられるんだ?
って憤ったところで、普通にそのひと家に帰ってるしご飯も食べてるから。

現実って、そういうものでもある。
まだまだ、そういうものがたくさんあるんだと思う。

昭和に生まれて、生きてきて、令和で過去と現在の価値観の違いを時に笑うことはあっても、それでもやっぱり、昔は良かったとは言うつもりはない。

ドラマでは「CM明け謝罪お願いします」のカンペ繰り返すたびに「いやそれ神経質すぎるってしんどい」って笑ってしまう自分だけど、職場ではコンプライアンスに守られていることだってたくさんある。

ガイドラインはあなた次第、とはいかないハラスメント。
でも守って当たり前なことって、本当はとてもシンプルなことだと思う。

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