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カラスとヒトが共存できる社会を創る|ミヤラジ起業塾#2

ミヤラジ起業塾は毎週土曜日20時~FMプラプラにて放送中!

第2~5回の放送では、ゲストをお呼びして対談形式でラジオをお送りいたします。お話を聴いて、起業についてより興味をもっていただけると幸いです。

今回は第2回放送のダイジェストとアーカイブ音声を公開していきます!

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1. CrowLabが解決する課題

常川(株式会社エンターテイン代表):
毎回初月はゲスト回となっております。今日来ていただいているのは、株式会社CrowLab(クロウラボ)の塚原さんです。

津田(ラジオパーソナリティ):
クロウラボのクロウはカラス…?

常川:
そうですね。カラスのベンチャーということで、全国では珍しく世界的にみても、多分ここしかないんだろうなという凄い会社が宇都宮にあるんですよ。

まず、ご本人から自己紹介と事業の内容をお話いただきたいなと思います。

塚原さん:
はい、株式会社CrowLab塚原直樹と申します。弊社はカラスを研究して、そのカラスに関する困り事の解決を目指した会社です。

常川:
カラスに関する困り事ってよく考えてみると身近にあるんじゃないかなと思います。ビジネスにするには、課題がないといけないと思うんですよね。どんな課題があるのか、塚原さんから教えていただいてもいいですか?

塚原さん:
カラスが果物を突ついて食べてしまうことで農家さんはかなりお困りです。果物以外ですと畜産農家さん。牛とかですね。牛の餌を食べに来るのですが、そのついでに牛自体を突いてしまって結構深刻な被害が出ます。また、電力会社さんが困っている事としては、電柱にカラスが巣を作り、その結果停電を引き起こすことがあります。自動車メーカーさんは車に糞をされてしまったり、ワイパーを持っていかれてしまったり…。

意外と知られていないのですが、非常に多くの分野での被害がありますね。

2. カラスの研究は大学教授の無茶ぶりから始まった

常川:
塚原さんのバックグラウンド、研究してた時のことを教えてください。

塚原さん:
私は宇都宮大学の農学部出身でして、現在も宇都宮大学在籍しています。

博士号を宇都宮大でとって、そのあとも宇都宮大で研究していました。その後、神奈川の大学で大学教員を5年やっていて、最後の5年目のときに宇都宮でクロウラボを立ち上げたという流れです。

津田さん:
なぜカラスだったのでしょう…?

常川:
そういえば、最初にカラスに興味を持ったきっかけはあるんですか。

塚原さん:
「相当カラスのことが好きなんじゃないの?」とかよく言われるんですが、実は研究を始める前は全然興味がなかったというか…。皆さんと同じような感覚で「あ、居るな」くらいにしか思っていなかったですね。

ただ、動物が好きで動物の研究ができる研究室を選んで入りました。そこにカラス研究では有名な杉田昭栄先生という先生がいらっしゃいまして、私が「動物の研究がしたいんです」という話をしたら、「君にいいテーマがあるよ、カラスが何をしゃべっているか、明らかにしなさい」という無茶ぶりをされました。それがカラスに関する研究をしたきっかけです。

常川さん:
人との出会いって大切だなといつも思うのですが、それにしても衝撃なエピソードですよね。

3. カラスを傷つけずに課題を解決する

塚原さん:
研究している中で、カラスに関する困り事が沢山あるんだなとわかってきました。現場の農家さんから「カラスで困ってるんだけど、なんとかならないか」という相談を多く受けました。そのため、どうにか自分の研究を上手く活かして、その困り事を解決できるんじゃないかと思って、いろいろ試したというのが事業のスタートだと思います。

我々は、カラスが危険を感じたときや警戒するときに発する鳴き声をスピーカーから流します。そうすることで、ここにいると危険なのではないかとカラスに思わせて違うところに移ってもらうことができるのです。

津田さん:
優しさも感じますね。ただ駆除するだけではなくてね。

常川さん:
通常、悪いことをしたら駆除ということがあるじゃないですか。それも重要なことかもしれませんが、できるだけそうしないようにすることで共存を目指すのは塚原さんならではの事業なのではないかと思いますね。カラスにも優しいし、農家の方にも優しい。被害額でいうと結構なんですよね。

塚原さん:
全国で令和元年度の被害額は13億円です。

津田さん:
それが解決するものがあれば、お金を出してでも解決したくなりますね。

常川:
そうですね。お金を払ってでも解決したい困り事になるわけですよね。nice to have、painのお話をよくしますが、農家の方からすると歴然とpainですよね。

4. カラスとヒトが共存できる社会を

常川:
最初のお仕事の依頼はどういったものだったんですか。

塚原さん:
1つは自治体でして、大学の教員やっていたときから少しコンサルをしていた長野の飯田市が最初のお客様でした。あとは講演で何カ所が呼んでいただきました。それが初年度ですね。

常川:
初年度にそういうご縁があったりしたんですね。今や、ほとんど宇都宮にいないんじゃないかというくらい全国を飛び回っていますよね。宇都宮から世界的な企業が生まれるというのが私の夢でもあって、勝手にその夢を乗せてもらっています。カラスが嫌われるというよりも一緒に住んでいける方法を提案することで世界中の人とカラスとの共存が事業で実現できたらいいなと今日のお話を聴いて、改めて思いました。

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▼第2回の放送はこちらからご視聴できます

最後まで、読んでいただきありがとうございました。次回もお楽しみに!

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