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詩歌

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「泡」vol.1

「泡」vol.1PDF版「泡」vol.1の番外編インタビュー

N: 成瀬遠足

T: トダリョウコ

K: 神威

〈トダさんにとって「境界」とはなにかの話〉
N: 今回は泡のテーマである「境界」について話しあいたいのだけど、まずトダさんにとって「境界」とはどういうもの?そこから話を広げていこうかな。

T: 最初に浮かぶものは皮膚かな。外界と体内を隔てる皮膚がイメージとしてあって、その薄い皮が

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2020のまとめ

ことし発表したもののまとめです。

1. 「猫は瞳」(ネットプリント「ゼロの花束 vol.4」)

2.

watermelonを知ったヘレンの夏のこと ぐにゃりと揺らぐ鉄扉の匂い

(角川『短歌』2月号・大学短歌バトル予選選考会)

3. 「あこがれ」(イベント「y2k」、Twitter)

4.

レミーキスユー砂漠ではないね、いまのうちに魔法円でも試しておこう

(フリーペーパー「5月の公

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はちどり



はちどり

ときどき人がやさしい
ことで
生き させられている
今日のための筆記用具
今日のための本
なにも聞こえなかったからって
なにも言わなくてごめん
できるだけ
さがす ことで
生きながらえている
今日のための交換
触れることができる
でしょう?
身体があるということは
いつまでも続かないようにとの
祈りのために
私たちは生かされている
みつけるのはうれしいけど
それは幸福ではない
なに

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川 砂糖を知らない

すこしだけ光をはねかえす
あとは通過してゆく

すこしだけ光をはねかえす
あるいは通過するという
運動

流れ弾に当たる可能性
口封じのために殺される可能性

いましかない、

どんどん麻痺する

麻痺

さらに大きなスパンで重なってゆくものがある

星の終わりがたまたま
星の終わりにであう

煙が上がる

日が落ちる

ちっともわかっていない いろんなことを

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第6回詩歌トライアスロン選外佳作

こんばんは、成瀬遠足です。

先日の第6回詩歌トライアスロンにおいて、拙作「私はヤマアラシだからきみを抱きしめることはできないのですか/おなかのところだけならきみに触れてもいいのですか/心臓だけならきみに触れてもいいのですか」を、選外佳作に選んでいただきました。選外佳作の発表は任意ということでしたので、以下に記載いたします。

  

 私はヤマアラシだからきみを抱きしめることはできないのですか

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