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今日の名言は、「いわゆる“人付き合い”のおもな中身は、そこにいない誰かの噂をし悪口を言うことだ。」

パンケーキ大好きなかおるんです。いつもエンピツカフェの決まった席で本を読んでいます。
悩みごとがあるときに、ふっと何か大切なものを気づかせてくれる先人の名言を紹介しますね。

突然ですが、巨匠Ingmar Bergman(イングマール・ベルイマン)監督の映画「Smultronstället(野いちご)」って、観たことありますか?

妻を亡くし、優秀な家政婦と暮らし、研究者気質で気難しい性格の医学博士イーサク・ボルイさん(78歳)は、長年に渡る業績を称えられ、ルンド大学から名誉博士号を受けることとなりました。
授与式に向かう前夜に自身の死を暗示するようなシュールな夢を見てしまったものだから、墜落事故を恐れて当初予定していた飛行機をやめて、14時間かけてでも車で向かうことを決意します。
人生って面白いもんですね、ひょんなことから義理の娘と三人の若者のヒッチハイカーとともに授与式に車で向かうこととなるのですが、その旅の途中で、家庭がうまくいかなかったこと、昔の婚約者や妻への想いなど、自分の人生を振り返るシーンが回想形式で描かれます。

医学の研究に生涯を捧げ、その長年の功績が認められる一方で、自身の死を予感しながら、家族にも心を許すことなく孤独な人生を歩んできたことへ疑念を抱いてしまう。
「私の人生は、これで良かったのだろうか?何かやり残したことはないだろうか?」、そんな気持ちを抱きながら、書斎でつぶやいたこの一言。

いわゆる“人付き合い”のおもな中身は、そこにいない誰かの噂をし悪口を言うことだ。
私は、それがいやで友を持たなかった。
人との付き合いを断った。
年を取った今ではいささか孤独な日々だ。

このイーサク・ボルイさんを演じたVictor Sjöström(ヴィクトル・シェストレム)さんは、スウェーデン映画の父と呼ばれ、サイレント映画の黎明期を築いた偉大な映画監督。
撮影当時、ヴィクトル・シェストレムさん自身も78歳だったようで、健康状態が悪く撮影が遅れたり、台詞が覚えられなかったりしたこともあったようです。
彼は、この作品への出演を最後に、映画公開から3年後、この世を去ってしまいました。
脚本を書いたベルイマン監督もまた、女性問題や両親との確執など私生活でトラブルを抱えていたようで、リアリティのたくさん詰まった映画のようですね。

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