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傷ついた心 聖なる願い 静かなる怒り。「魂のゆくえ」

Hello!
ピザが無いと生きていけないとエンピツカフェの店員さんに噂されているアンです。今日もピザ、もぐもぐとほおばってます。
お気に入りの世界の映画を紹介しますね。

今回紹介する映画の舞台は、ニューヨーク州北部の小さな教会「ファースト・リフォームド」。

主人公は、戦争で息子を失った罪悪感を背負って生きる、信仰心に厚く真面目な牧師のトラーさん。

とある日、ミサにやってきた女性メアリーさんから、環境保護活動団体に関与してカナダの刑務所に収監されていたが、つい最近釈放された夫のマイケルさんに会ってほしいと頼まれます。
トラー牧師は、迷える人間の助けになるのが宗教に身を投じる自分の役割であると意気込んで、マイケルさんの家を尋ねてみる。
すると「人類がしている地球環境の破壊は深刻で、もう取り返しがつかない」、その絶望から抜け出せずにいると深刻に悩みを打ち明けられてしまいます。
「神はこんな人間でも許すのか?」と聞かれ、正しく生きなさい、と歯切れの悪い解答で濁すことしかできないトラー牧師でした。

さらに、自分の所属する教会コミュニティが自然環境を破壊する大企業と癒着している事実を知ってしまったことで、ますます神を信じることへの疑念が膨らむトラー牧師。

愛国心が強く従軍家系だったので息子にも入隊を勧めたものの、イラク戦争で帰らぬ人となってしまった。
国に裏切られ悶々と悩むトラー牧師を救ったのは宗教でした。しかし今、その宗教にも裏切られてしまった。
さらには自分の体も癌に蝕まれ、未来は見えない。

悩めるトラー牧師は、やがて社会正義実現のためにある決意をすることとなります。彼の聖なる願いと魂の行き着く先は。

というお話なのですが、この映画の監督Paul Schrader(ポール・シュレイダー)さんは、あのアメリカン・ニューシネマの時代の終わりを飾る名作「Taxi Driver(タクシードライバー)」の脚本家として知られ、実に構想50年の末に完成させた渾身作ということです。

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