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死ぬほどの恋に落ちたんだ。「早春」

Cześć!
ピザが無いと生きていけないとエンピツカフェの店員さんに噂されているアンです。今日もピザ、もぐもぐとほおばってます。
お気に入りの世界の映画を紹介しますね。

今回紹介する映画の舞台は、1960年代ロンドンの公衆浴場。
主人公は、思春期まっさかりの男子、15歳のマイクくん。

滴れ落ちる鮮血。
ロンドンの街をさっそうと自転車で駆け抜けるマイクくん。
主題歌を歌うCat Stevens(キャット・スティーヴンス)さんのシャウト!

But I Might Die Tonight!(今夜死ぬかもしれないんだ!)

そんなシーンから、この映画は始まります。

マザコン気味のマイクくんは学校を中退し、公衆浴場で働き始めたばかり。
そこで働く、とても魅力的な年上の女性スーザンさんに恋心を抱きます。
マイクくんの初な恋心を察知したスーザンさんは、彼を思うままに弄びます。

なんとこのスーザンさんは、とっても悪女で、婚約者がいながら別の年上男性ともつきあう、奔放な性生活送っていたんです。
そんなスーザンさんのビッチな生活を知れば知るほど、マイクくんの態度も徐々に変化していきます。
そして、悪女スーザンさんによって、マイクくんの恋心はどんどん捻じ曲げられ、ひねくれていってしまうのです。

婚約者の車を自転車で追いかけ、交差点をふさいだり、二人が出かけたクラブに年齢を偽って入り込もうとしたり、ストーカー行為は徐々にエスカレート。
やがて歓楽街でスーザンさんに似ている等身大のストリッパーの看板を盗み出し、その看板とプールで泳ぐなど行き場を失った恋心は、ピークに達します。

そして雪が積もった日、マイクくんはスーザンさんの車のタイヤをパンクさせるいたずらをします。
スーザンさんは怒り狂い、雪の中に婚約指輪を落としてしまい、二人は空っぽのプールで雪を融かし、指輪を探し出そうとするのですが、というストーリー。

この映画は、今年で86歳になるポーランドを代表する鬼才Jerzy Skolimowski(イエジー・スコリモフスキ)監督の作品。
イエジー・スコリモフスキ監督といえば、監督自身が「私が唯一、涙を流した映画」と語る、Robert Bresson(ロベール・ブレッソン)監督の1966年の映画「Au Hasard Balthazar(バルタザールどこへ行く)」にインスパイアされた、ロバが主人公の映画「EO」が話題になりましたよね。
1970年に製作された「早春」と2022年に製作された「EO」。
どちらの作品も、いつの時代も色あせない普遍的な輝きを放っていることに、とっても驚きました。

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