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明日から学校に行きたくない君に送る、5冊の本

8月31日が来てしまったと、一大決心をしようとしている君へ。

僕は卑怯者だ。

だから、安易に「頑張れ」という言葉をかけたくない。
頑張れない人に「頑張れ」と声をかけるのは、言葉の暴力だ。

僕は無責任だ。

だから、君が明日、学校に行くかどうか迷っているのに対して否定も肯定もしない。
自分一人の人生を支えるので精一杯なのに、君の人生の責任を負えない。

ただ、もし君が出口のない迷路で行き場をなくしてしまい、本当に途方にくれて、最後の手段しか残っていないのなら、その最後の手段を使う前に、10分、いや、5分でいいから時間をくれないか。

僕は僕自身の言葉で君を救うことは出来ない代わりに、ちょっと人生の先輩たちの言葉を贈ろうと思う。

今から5冊の本を紹介する。もし、1冊でも気にいる本があったら、騙されたと思って読んでみて欲しい。

そんなヒマがないって? 

大丈夫。どうせ、明日学校に行かないのなら、夏休みを1日、2日くらい延長したって構わないさ。

空気を読むのに疲れた君へ

「空気」と「世間」 著:鴻上尚史

空気を読むって嫌になるよね。僕も空気を読むのは嫌いだ。誰かが決めたわけでもないのに、なんか居心地が悪くて、やってらんねぇって思うのに、無言の圧力で自分らしく振る舞えないときってあるよね。じゃあ、その「空気」ってやつの正体を考えてみよう。『「空気」と「世間」』は舞台作家の鴻上尚史さんが書かれた本で、「差別的で排他的な世間で、順番に来るいじめに怯える少女に届いて欲しい」と鴻上さんはあとがきで述べている。僕らをしめつける「空気」の正体がわかれば、君は無敵になるかもしれない。

なんとなく生きる意味がよくわからなくなった君へ

バタフライ・エフェクト 世界を変える力 著:アンディ・アンドルーズ

別に死ぬ理由も見つからないけど、生きる理由も見つからない時ってあるよね。僕もある。アラサーになってもある。それは、将来への見通しがつかないからかもしれないし、毎日が単調でつまらないかもしれない。こんなに頑張っても死んだら何も残んないじゃんって思うよね。僕は自己啓発本の類はうさんくさいから嫌いなんだけど、この本はきっと「なんとなく生きること」にも意味があると教えてくれる。嘘だと思ったら、読んでみて欲しいな。

やさしすぎるせいで疲れてしまう君へ

鈍感な世界に生きる敏感な人たち 著:イルセ・サン

やさしい人というのは、概して周りの人の言葉に敏感だ。それゆえに自分が悪くないのに、自分で自分を責めてしまう。みんながみんな優しい世の中なら良かったのに、残念だけど君のまわりにも、僕のまわりにも”鈍感な人”というのは紛れている。じゃあ、どうすればそんな人たちと上手くやっていけるのか。そのヒントがこの本には乗っている。「自分はなんでこんなに敏感なんだろう」と思う必要はない。きっと君の友達も友達も、君と同じだから。

ひきこもりの仲間が欲しい君へ

かがみの孤城 著:辻村深月

小学生のときにいじめられて、学校に行くのが嫌になったことがある。それも本当にくだらない些細な理由が発端だった。なんでいじめられるのがわかっているのに学校に行かなければならないのか。そう思っていた。幸い、僕には他にも話す人がいたおかげで、辛さを少し軽減することができた。でも、それが難しい人もいると思う。「かがみの孤城」は学校へいけなくなった人達の物語だ。ある日、家の鏡が突然ひかりだし、鏡の中のお城へと中学生のこころは誘われる。そこで出会う同じような境遇の6人の子どもたちと、狼の仮面をかぶった少女。空想の世界の中で頑張る自分の生き写しのような彼らを見て、君はどう思うだろうか。

いじめに立ち向かわなければならない君へ

学校に行きたくない君へ 編:全国不登校新聞社

テレビをつけると出てくる、キラキラとした芸能人たち。一見すると”成功者”に見える彼らにも、実は君たち同じ様に学校に行きたくない時期があったとしたら、ちょっと勇気が湧いてこないかな。俳優のリリー・フランキー、漫画家の荒木飛呂彦、萩尾望都、西原理恵子、作家の辻村深月、声優の高山みなみ、棋士の羽生善治、脳科学者の茂木健一郎などが、不登校やひきこもりの当事者・経験者である子供たちに取材されて出来上がった本がこの「学校に行きたくない君へ」だ。立ち止まって、先輩たちの話を聞いてみるのも、悪くないと思うよ。

どうだろう。

気になる本はあっただろうか。

もしあったなら嬉しいし、無かったら申し訳ない。

まだ大人になってない君にこんなことを言うのもなんだけど、20代になっても、たくさん悩むことはある。本当に一人で生きていくことをしない限り、絶対に悩みは生まれる。10代の頃、僕は今ほど本を読む人じゃなかったけど、もし10代に戻れるのなら、もっと色んな本を読んでおきたかったなと思う。なぜなら、本は誰にも心の内を開かなくても、君のそばで支えになってくれるから。

僕自身、社会に出て、他の人から見たら些細なことでも悩んできた。その度に本を読んで「もうちょっとだけ頑張るか」という気持ちになってきた。

別にここにあげた本でなくてもいい。長編の小説だろうと、エッセイだろうと、漫画だろうと。幸か不幸か、世の中には一生かかっても読みきれないくらい本が溢れている。それが悩みの解決のためでも、現実逃避のためでも、理由は何でもいい。最後の手段に移る前に、ふらっと本屋や図書館にに立ち寄って、君の世界がとんでもなく広いことを知ってもらえたら嬉しい。

そうして、君の好きなタイミングで、夏休みを終わらせられることを願っている。

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