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【初回限定】お客さん目線で考えた「カメラを止めるな!」を200%楽しむ方法。

正直言うと、「カメラを止めるな!」は、もう情報が溢れすぎていて逆にバズる前のお客さんのように楽しめなくなる可能性があるのでは無いかと危ぶんでいます。

まだ観ていない人は、不容易にググったり、twitterで検索したりしないで、いますぐにネットでチケットを予約してtiwtterは閉じましょう。

このnoteは、まだ作品を観ていない人向けに、最大限に「カメラを止めるな!」を初回から楽しむ方法を考えたものになります。

はじめに断っておくと、僕はゾンビ映画のマニアでも、映画評論家でも、シナリオ研究家でもありません。お化け屋敷は大の苦手だし(ホラー映画もろくに見れない)、映画も一般的な人より観る回数が少し多い程度だし、ストーリーの面白さについても大量の比較ストックを持っている人には敵いません。

それでも、「カメラを止めるな!」をなんとかして1人でも多くの人に観てもらうにはどうしたらいいかを考えた結果が、”普通のお客さんの目線で書く”というものでした。

一般人の視点から「観劇前」「観劇中」「観劇後」の3つに分けて全力で「カメラを止めるな!」の楽しみ方をお伝えします!

観劇前

観劇前の皆さんは「カメラを止めるな!」についてどれくらい事前情報を持っているでしょうか。

映画コラムやテレビでの特集を一切見なかった僕が持っていた情報は、

「低予算のゾンビ映画」
「何を書いてもネタバレになるから何も知らないで観るのが良い」
「面白すぎて、今年一の名作」
「俳優が全員無名」

の4つでした。

Twitterでフォローしているインフルエンサーの方がざわめき始めたのが7月上旬。中旬には友人たちも観たようで、タイムラインは「面白かった!!!」という呟きで溢れてしました。

この、まるで氷山の一角のように「ちょっとだけ事前情報を知っている」という状態で観に行くのが「観劇前」のポイントです。これ以上知らなくて本当に良かったなと思っています。

「上映当日に映画館の入り口でポスターだけ見た」程度でも何の問題も無く楽しめるのは事実です。公式サイトを覗くと、賞をいくつも獲っているし、上映劇場は100館を超えているし、海外での上映も決まっているなど情報が溢れており、誰がどう観ても”面白い”のはわかっているんです。

ただ、”面白い”と言う情報に加えて、”ワンカットで撮られたゾンビ映画である”ことも、最大限に「カメラを止めるな!」を楽しむためには知っていて損は無いちょうど良い”期待値”だと思います。

むしろこれくらいの事前情報を持っていたため、鑑賞中いろいろな仮説が生まれ、"やられた!"とその仮説をひっくり返す仕掛けに膝を打つことができました。

たまたまtwitterで見かけたのですが、ベストセラー「嫌われる勇気」を編集した柿内さんも「カメラを止めるな!」を例にあげ、期待値についてこう触れています。

これは製作者側の期待値コントロールの話ですが、観る側も「ちょっとだけ知っている」状態で臨みましょう。例えばマーベルの映画は単品でも楽しめるけど、その背景をちょっと知ってるだけで楽しさが増す理論です。

とにかく知っておけば良いのは「何を書いてもネタバレになるくらい面白い、ワンカットで撮られたゾンビ映画」である。この1点です!

観劇中

僕は映画を観ているとき、基本的に声は出さないタイプです。できる限り笑い声や悲鳴も押し殺します。逆に1人だけ大声で笑っているお客さんがいると、ちょっと気になってしまうタチです。

ところがこの映画に限っては別でした。

映画の上映中に観客が大声を出すことが認められた特別上映回に、「応援上映」と呼ばれる回がありますが、「カメラを止めるな!」は勝手にその状態になります。まるで演劇を観ているかのような一体感。

曲がりなりにも中高6年間演劇をやっていた身としては「カメラを止めるな!」は演劇に近いと感じました。役者側からすると、狙ったタイミングで観客から笑い声が聞こえたり、拍手が起こったりするとめちゃくちゃ嬉しいんですね。舞台と観客の境目が無くなったような気がして、やっと会場が一つになったなと感じます。

「カメラを止めるな!」は映画です。でも、銀幕と観客の一体感がとっても心地良い映画なんです。普段声を押し殺している僕も我慢できず声をあげていました。その理由はこれから観るあなたの為にも言えないのですが、声が漏れます。

だから観劇中は遠慮なく声を出してください。

あ、もちろん度が過ぎて周りに迷惑をかけるのはダメですよ。

観劇後

遠足は帰るまでが遠足のように、観劇して「面白かった!!!」で終わっては勿体無いのが「カメラを止めるな!」です。

もうあなたは何を知っても良いのです。全てを知ったこちら側の人間なのです。思う存分ググって監督のインタビューを読んだり、twitterで検索をして他のお客さんの感想に共感したり、役者の方をフォローして彼ら彼女らを応援しましょう。余韻にたっぷりと浸かってください。何ならもう一回見るのもいいですね!

観劇後までしっかりと後味を感じることで、「カメラを止めるな!」はあなたの中で消費されるだけの一過性の作品ではなく、忘れられない経験として残り続けます。それは人生において一つの糧になるはずです。そして、そうなってこそ、作品自体も本望では無いかと僕は信じています。

映画でも音楽でも文章でも、一度何かを本気で作ったことがある人はわかると思うのですが、クリエイターは文字通り目の前の作品に命をかけています。金銭的な生活面もそうですし、自分の精神もすり減らしています。人生の余剰分を豊かにする世界で生きる人々は、そういう人たちで溢れているのです。

だからこそ、ただ「面白かった」でこの作品を終わらせたく無い。彼らがこの先もさらに活躍し、また素晴らしい作品を生み出す為にも、消費で終わらせてはいけないと思っています。

「カメラを止めるな!」に関わった全てのクリエイターへの敬意も込めて、ぜひDVDでは無く劇場に足を運んで観てください。

最後にネタバレにならない程度に一言感想を述べると、ヒロインの秋山ゆずきさん(@akiyamayuzuki)が可愛くて最高でした。

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