この本を読んではいけない【その③】
以前書いた記事はこちら↓
この本は「答え」を教えてくれない
ここまで書いてきたことをまとめると・・・。
「これが正解」なんてものは存在しない
そもそもの前提として「自分はどうありたいか?」が大事
それを実現するために「行動を取る」
継続する
まとめると非常にシンプルだった。
5000字もの文章を長々と書く必要なんてなかった。私の時間を返してほしい。
だが、おかげでようやく「答え」らしきものが見えてきた。
私もあなたも、さきほどまとめた箇条書きを実行することで確実に成功への道を歩んでいけるはずだ。ヤッター!おめでとう!
本当におめでとう!!
・・・・・・。
・・・。
さきほどの文章の意味を理解しているのだろうか?
箇条書きの一番目にも見出しにも「私がもっとも伝えたいこと」が書いてあったはずだ。
それはつまり・・・なんだったか忘れたので戻って確認してみよう。
この本は「保証」してくれない
なぜ多くの人は「こうありたい」という願望があるはずなのに、それを行動にうつせないのだろうか?
簡単である。
だれも保証してくれないからだ。
だがそもそも「この世の中で保証されていることなんて何一つ存在しない」というのを忘れてはいけない。
「大企業が安定だったのはもはや過去である」というのは耳が腐るほど使い古された言葉だ。
私は耳を失いたくない。
防腐剤を買ってこよう。
「未来のことは誰にもわからない」
「どんな生き方を選ぶかは自己責任である」
と言われるとおもわず不安になるだろうが、これ自体はそこまで重要ではない。
もっと究極的なことを言えば
成功するか失敗するか自体、どうでもいい。
なぜなら、生きることの本質とは
「なにをするか?」ではなく、
「どうありたいか?」
だからだ。
行動ではなく、状態にフォーカスする。
私は田中さんの本を読んでこれに気付き、学んだ。
そしてこの気持ちを文章という形にして「自分で読んでみたい」と思い、こうして感想文を執筆したのである。
この本は励ましてくれない
この本を読んだあと・・・
わたしは自分の生き方を見つめ直し、25年間勤めた製造業の会社をおもいきって辞めることにした。
べつに仕事がツラいとか、人間関係がイヤだったわけではない。
ただ、単に会社員という働き方が「自分の目指すべき生き方ではない」と気付いたからだ。
今でも辞めて正解だったのかは分からない。
そういう不安に飲み込まれ、おもわず歩みを止めそうになったとき・・・この本はわたしの背中をポンと押してくれる。
だが同時に、この本は甘い言葉の並ぶビジネス書ではなく、厳しい現実を突きつけられる内容だったのを思い出す。
ゆえに背中を押してくれた先に待っていたのは開けた未来ではなく、断崖絶壁だったのである。
そういうのはサスペンスドラマだけにしてほしい。
あなたも私みたいに船越英一郎に追い詰められたくなければ、この本を読んではいけない。
自分の生き方を「定義」すること
あなたが成功するための「答え」を求めているのであれば、この本を読むのはオススメしない。
本書では「がんばって書き続けたところで、誰も読まないし、モテないし、儲からないし、ぶっちゃけ楽しくない」とある。
物書きにかぎらず、人生とはそういうものだと思う。
だが断言しよう。
「自分はこうありたい」という「生き方」を定義せず、なにも目指さない人生はつまらないものである、と。
ゆえに、この本は「上手くいく方法なんてない」という現実の厳しさを「あえて」教えてくれている。
厳しいが、優しいのだ。
『この本を読んではいけない』というタイトルにした理由
私は【この本を読んではいけない】という、あきらかに反感を買うようなタイトルをつけた。
こんな失礼なタイトルにもかかわらず、著者の田中泰延さん本人にツイッターで感謝のコメントをいただいた私は幸せ者だ。感無量である。
ここまで読んでくれた方なら分かると思うが、私は「この本を読むべきではない」とは、すこしも思っていない。
なぜなら、この本を読んだからこそ大きな気付きを得て、私は今「自分の人生を生きている」と実感しているからだ。
タイトルが言葉足らずで申し訳ない。こう付け加えよう。
『この本を、漠然とした気持ちで読んではいけない』
さらに言い換えると、こうだ。
『自分の人生を、漠然と生きてはいけない』
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