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小説が上手くなるには? 知っておくべき下手な作者にありがちなこと6選

自分の書いた小説が面白いのか自信が無い……自分の小説ってもしかして下手? と悩んでしまうのはよくあることです。ここでは「下手だな」という印象を与えやすい作品の特徴を解説します。上達のコツもご紹介しますので、あわせて参考にしてください。

読者に「下手」と思われる小説の特徴

読者に「下手な小説だな……」と思わせてしまう理由はさまざまです。しかし原因はとてもシンプル。それは「読者を見ていない」ことです。

書くことばかりに気持ちが向いて読者の存在を意識できていない。そんなとき、ついついやってしまいがちなことを、改善策とともに6つご紹介します。

プロットを書く前の確認や、書き上げた小説の推敲にぜひお役立てください。

誰も見たことのない斬新な小説を書こうとしている

誰も読んだことのないような斬新な小説が書きたい! と思っている小説家志望者は多いものです。

しかし、現実にそんな作品を生み出せるのは一握りの天才だけ。

読者がついて来れないような荒唐無稽なストーリーになってしまったり、自分が知らないだけで似たような展開が既に使われていたり。たいていの場合、失敗してしまいます。

多数の人が面白いと感じるものには「パターン」があります。「安定感」「期待感」から定番のパターンに沿って作られた「わかりやすいもの」を好む人は多いものです。

オリジナリティーを追求しすぎると、かえって面白さから遠ざかってしまうこともよくあります。とにかく斬新すぎて読者がついて来られない、という事態は避けましょう。

面白い小説を次々と生み出すには? 上手くなるコツ1

小説を書くうえで、多くの人に好まれる作品の「型」「パターン」を知ることは大切です。

そのうえで物語の大筋をパターンに沿って作り、細かい部分でアレンジを効かせるのが、「面白い」と「オリジナリティー」を両立する秘訣だといえます。

パターンの枠から大きくそれることなく、独創的なアイディアを表現できるかに注力しましょう。

誤字・脱字が多すぎる

原稿に誤字脱字があったからといって、それが原因で新人賞に落選することはありません。

しかし小説に誤字脱字があるとそこが気になって、スムーズに読み進めるのを阻むことになります。

テンポよく読みながら理解できるような文章でないと、読んだ人に下手だと思われてしまう原因に。注意深く確認しましょう。

誤字脱字をなくすには? 上手くなるコツ2

  • 紙に印刷して見直す

  • 他の人に見てもらう

  • ツールを使ってチェックする(wordの校閲機能など)

  • 時間をおいてからチェックする

上記のようなチェック項目を2つ3つ決めておくと、些細なミスを防げます。

一文一文が長い、主語がわかりにくいなど文章的に稚拙

一文が長い文章は、主語がどこに係っているのかがわかりにくくなりがちです。このような文章はスムーズに理解するのが難しいため、読者にストレスを与えてしまいます。

主語がわかりにくいと「誰が?」「何が?」と疑問を抱えたまま読むことになり、読者のストレスに。多くの場合、文章が長く主語と述語がはなれていることで起きがちなパターンです。

読者がストレスなく読める文章を書くには? 上手くなるコツ3

まず基本的な文章作法をおさらいすることが大切です。日本語なんて普段使っているのだから余裕だよ、と思っても意外とできていないことはよくあります。

複雑な文章ほど注意して、一文の長さや主語述語の近さをチェックするようにしましょう。

冒頭から延々と設定語り

初心者がよくやってしまうのは、冒頭から世界設定の説明を書き連ねてしまうこと。物語の設定やキャラクターを読者に知って欲しいという思いで、あれもこれもと長々語ってしまうのは、読者にとって退屈でしかありません。

これから長い物語がはじまるのに、冒頭で退屈させてしまっては、最後まで読み進めてくれるわけがないのです。

冒頭から読者の関心を引くには? 上手くなるコツ4

小説の冒頭は、作品の第一印象を決める部分です。ここで読者の心を掴めなければ、続きを読んでもらえません。

上手い書き出しのコツは、キャラクターの「見せ場」を出し惜しみしないことです。最初に主要登場人物が活躍するシーンを入れると、読者の興味を引くと同時にキャラクター設定を理解してもらえる親切な設計になります。

冒頭に印象的なシーンがあると期待値が上がり、物語に引き込まれるもの。自分の小説にパンチがないと感じたら、ぜひ取り入れてみてください。

キャラクターの会話ばかりで状況描写が不足

テンポの良い台詞まわしが魅力的な小説はたくさんあります。コミカルなシーンなどでキャラクター同士の軽妙な会話劇を取り入れるのは、魅力的なポイントになることも多いでしょう。

だからといって、会話ばかりで話をすすめ、状況描写・情景描写が適当になってしまうのは悪手です。

会話ばかりだと、その場の状況が掴みにくくなります。かといってキャラクターに「セリフで状況を説明させる」のもおすすめできません。

不自然なセリフは読者に「下手だな」と思わせる原因になります。

自然な状況描写をするには? 上手くなるコツ5

読者が簡単に情景や状況をイメージできるように、描写しましょう。ポイントはキャラクターが見たものだけでなく、五感で感じている情報を伝えることです。

キャラクターの動作や位置関係をしっかりと設定し、イメージしてから書くことも大切です。自分がイメージできていないものを書いて、読者に伝わるはずがありません。

キャラクターの気持ちが理解できない、共感できない

小説はキャラクターの行動によって物語が展開していくものです。読者はキャラクターの体験を通して、ここではない世界を疑似体験します。そのキャラクターが感情移入できない人物では、つまらない小説になって当然です。

「なんでそういう考えになるの?」「なんでそんな行動をとったの?」と読者に疑問を抱かせないためには、キャラクターの性格や考え、行動パターンと言動の整合性がとれていなくてはならないのです。

読者が共感するキャラクターの描き方とは? 上手くなるコツ6

一番のコツは、キャラクターの設定をぬかりなく作りこむことです。登場人物の質問シートを作ってキャラクター設定することからはじめてみましょう。

キャラクターの「ポリシー」と「動機」をはっきりさせておくと、言動に一貫性が出ます。

キャラクターの行動に意思をもたせ、その上でどのような「動機」があってその行動をとるのかをしっかり設定しましょう。

登場人物にポリシーや動機がないと物語自体が嘘くさくなり、読者に「下手」と思われてしまいます。

主要キャラクター設定のポイントは、読者が「こうなりたい」と思うような「憧れ」要素を入れること。さらに「その気持ちわかる」という「共感」要素を同居させると魅力的なキャラクターになります。

小説がうまくなる方法は読者をイメージすること

ターゲットを定める

読者に「下手だな」と思わせてしまう作品は、書き手が独りよがりになっている時に生まれやすいものです。

読者のことが頭になく、自分の書きたいもの・読みたいもののことしか考えていないと、読みにくさ、わかりにくさへの配慮ができません。その結果、読者から「下手な小説」と言われる作品になってしまうのです。

読者は、読んでいてストレスが溜まっていくような作品を最後まで読んでくれません。

喜んでくれる読者がいて、はじめて「エンターテインメント」と呼べるのです。

ここでは「読者のニーズ」をとらえて「上手い小説だ」と思ってもらえるためのテクニックをご紹介していきます。

ターゲット読者層をしっかり設定する

読者を意識して作品を書くためには、ターゲットの設定が重要です。「この作品はどこの誰に楽しんでもらうためのものなのか」という視点で、物語をつくりましょう。

「どんな年齢層で」「どんな作品が好きで」「どんな趣味があって」と具体的にイメージし、相手の顔が想像できるくらいに明確なターゲット設定をしてください。

ターゲットが読みたいであろう、楽しめるであろう作品をコンスタントに生み出すのがプロに求められる仕事です。執筆時の習慣にしておいて損はありません。

「今、何がウケているのか」常にアンテナを張っておく

情報のアンテナ

小説家志望者は「こだわり」「好み」などがあって、創作をしている方がほとんどでしょう。しかし「こだわり」を理由に苦手な要素を避けるのはよくありません。

苦手な要素が、多くの読者に人気のある要素(例えば恋愛やアクションなど)ならなおさらです。「今何が流行っているか」「読者は何を求めているか」を考えて、取り入れる姿勢が大切なのです。

しかし世の中の流行は、早くて数ヶ月単位で入れ替わってしまいます。また、読者の好きそうな要素を追い求めても、それぞれに好みは違うのでつかみどころがありません。振り回されすぎるのはよくないのです。

そこで「自分の書きたいもの」が重要になってきます。

前項と矛盾しているように思えますね。面白い小説を書くために大切なのは、好まれやすい要素と自分の軸が共存していることです。

そこで実践したいのが以下の方法。

  • 「自分の書きたいものを軸に、読者が興味を持ってくれそうな要素を周囲に貼り付ける」方法

  • 「流行している要素に自分の好みを融合させて、同じ要素の作品との差別化を図る」方法


独りよがりになってはいけないけれど、「自分が何を好きで、どんなものにこだわりがあるのか」という軸は作家性につながります。

まず読者ありきでニーズを考え、そこに独自性を足していくのが得策です。そのためにも常日頃からアンテナを張っておきましょう。

小説を書き始めたころはメイン読者と自分の年齢が同じでも、そのうちどんどん離れていくのはよくあることです。

メイン読者の世代と自分の世代の価値観が離れてきたことにすぐ気づき、調査や取材をするようでなければ、読者に古くさい印象を与えてしまいます。常に価値観のアップデートをできるよう、アンテナを張ることが必要なのです。

つまらない小説にしないためにポイントを押さえた推敲をしよう

上記であげた「下手な小説」にありがちなポイント。自分の作品が1つでも当てはまるようなら、そこを直してみましょう。すべてクリアできれば、それなりの「上手い小説」になるはずです。

プロットを作る前に確認するのはもちろん、書き終わった後に6つの視点から推敲することで小説のクオリティはアップしますので、ぜひ活用してください。

小説を書いたけど、これで本当にプロになれる?

自分の小説ってもしかして「下手」かな? と不安になってしまうは初心者によくあることです。

自分で書いた小説を客観的に見直すのは難しいものですが、身近な誰かに見てもらうのもあまり効果的ではありません。作者をよく知っているため、先入観があるからです。

作品の面白さは、読み手の感性や嗜好によっても変わってきます。しかし作品が「商業流通にのれるのか、商品としての価値があるのか」はプロを目指すならばもっとも大切な部分。「そこそこ上手い」から更に上へ行くポイントでもあります。

小説家になりたいなら「プロの目」での講評は必須!

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【当記事は『榎本メソッド-on-line-公開講座』編集部によって執筆されました】


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