小説の添削で新人賞を取れる? プロによる講評が大切な理由とは
自分の書いた小説で新人賞をとれるだろうか。他人が読んで面白いものになっているのだろうか。小説家を目指すみなさんは、常にそんな不安と向き合っているかもしれませんね。
そんなときに頼りたくなるのが「小説添削サービス」です。最近では小説投稿サイトやアプリ、クラウドソーシングなど、気軽に添削をしてもらえるサービスが増えてきました。
しかし、安易に添削サービスを利用するのも考えものなんです。今回は添削サービスをオススメしない理由と、「プロによる講評」がオススメな理由を解説します。
小説の添削(添削サービス)ってどこでしてもらえる?
客観的な視点から自分の小説を添削してもらい、より良いものにしたいと考える人は多いものです。一昔前であれば「弟子入り」という方法があったかもしれませんが、現状ではなかなか難しいものです。
現在、小説の添削を有料で受け付けている主な機関には以下のものがあります。
クラウドソーシング
クラウドソーシングサービスを通して、個人的に業務を発注するシステムです。サービス提供者と個人で取引をし、小説の添削をしてもらいます。
サービスを提供している人は、プロの小説家、編集者、新人賞の下読み経験者など。なかには出版経験のないアマチュアが添削をしているケースもあるため注意が必要です。
メリット
小説の講座に比べ、安価な場合が多い
手軽に依頼できる
個人指導なので質問などがしやすい
デメリット
価格もクオリティもピンキリ、指導のクオリティーにばらつきがある
小説講座
小説の書き方を教える講座で、作品を添削指導してもえるサービスがあることも。基本的に講師はプロの小説家や編集者である場合が多いようです。
メリット
プロ目線の本格的な指導を受けられる
目的に応じたアドバイスをもらえる
デメリット
講師によって指導力にばらつきがあることも
費用は高い場合が多い
小説の添削をオススメしない理由とは
書いた小説を添削してくれるサービスは増えていますが、そこには問題点も多いものです。お手軽だからと安易に頼ってしまうと、かえって創作の妨げになる場合もあるので慎重に判断しましょう。
ここでは、小説を「添削してもらう」という行為にともなうリスクや注意点をご紹介します。
添削でなく「講評」だから長所を伸ばせる
まず「添削」という言葉の意味を考えてみましょう。
添削とは「他人の書いた文章に、加筆したり削ったりして、より良い形に改める作業のことを指します。
「添削」の「添」は「付け加える」「削」は「取り除く」という意味ですから、読んで字のごとく、というわけです。つまり、他人の文章に手を加えるのが「添削」という作業です。
添削と似て非なるものに「講評」という言葉があります。「講評」の意味は、作品を批評し、その理由を説明すること。
作品の良い部分を伸ばして、短所を具体的に指摘、より良くなるようにアドバイスをするのが講評なのです。
最終的に小説の魅力は、「作家性」によって決まるもの。それなのに、他人が主観的な意見で、書き加えたり直したりするのはある意味「危険」ともいえます。書き手の作家性を潰してしまうことも大いにありえるからです。
作品に意見するなら、書き手の作家性や個性を考慮しながら、どうしたら強味をより伸ばせるか、弱い部分をカバーできるかを、商業的な目線からのアドバイスができないと意味がありません。
このことから小説を良くするために行うのは「添削」でなく「講評」でなくてはならないのです。
客観的に見直す力を付けられない
プロの意見にせよ、素人読者の感想にせよ、文章の良し悪しはあくまでその人個人の考えによる部分が大きいもの。明確な正解がないのが「文芸」です。
しかし自分の小説を添削されてしまうと、「その通りに直すべきなんだ」「こうしなければならないんだ」と受け止めてしまいがちです。意見をそっくりそのまま真に受け、添削されたものが正しいと思い込んでしまったのでは、せっかくのオリジナリティを潰してしまいます。
そうなると書き手が個性を発揮できなくなってしまううえ、創作へのモチベーションも下がってしまうことでしょう。
「何が正解なのかわからない……」となるくらいなら、自分がいいと思うように書き続けたほうが上達できます。
自分で考え、客観的に見直せないとプロとしてやっていくのは難しいものです。他人の意見はあくまで参考程度にして、後は受け流せるぐらいの心の余裕がないと、他人の意見に振り回されてしまいます。自信がないのであれば安易に添削サービスを受けない方がいいかもしれません。
小説の感想・所感がもらえる場を利用するのはアリ?
そうは言っても、誰かに読んでもらって感想だけでも欲しい、と思っている方も多いでしょう。書いたものを褒めてもらえればモチベーションになりますし、読者視点でのアドバイスが参考になることがあるのも確かです。
以下では感想や所感がもらえる場のご紹介と、誰かに小説を読んでもらって、感想やアドバイスをもらう際の注意点をご紹介します。
小説投稿サイト
インターネット上には、自由に小説を公開できるサイトがいくつかあります。なかには感想や批評を交換するのが目的のサイトもあり、ユーザー(読者)が作品にコメントを残す形で交流できるようになっています。
メリット
お金が掛からない
読者の率直な感想をもらえる
デメリット
プロ視点でなく、読者の感性や好みなど主観の入った意見がほとんど
辛辣な意見も多く、モチベーションが下がってしまうことも多い
ユーザー同士がなれ合いになり、褒め合うだけになることも
新人賞
小説賞(新人賞)の中には、応募作品に対し、選考者からのコメントがもらえるものもあります。賞の傾向や、レーベルの方向性などがわかるため、その賞を取るのが目標ならば、活用しない手はないでしょう。
メリット
受賞すればデビューのきっかけになる
選考者の的確な総評をもらえる
デメリット
しっかりと細かい指導をしてくれるわけではない
あくまでその賞に合っているかどうかという視点での評価になる
家族や友人
面白い小説が書けた! と思ったとき、まず一番に読んで欲しいのはいつも応援してくれる身近な人たち、という人も多いでしょう。決して悪いことではありませんが、アドバイスという点では、あまり参考にならないことがほとんどです。
メリット
応援してくれるのでモチベーションになる
デメリット
応援してくれているだけに、個人的な気持ちが入ってしまい客観的な指摘をするのは難しい
読者の意見に振り回され過ぎるのは考えもの
小説を誰かにみせたとき、「面白い」「続きが読みたい」と言われたら嬉しくなるもの。それが執筆のモチベーションになるのなら、とても良いことですね。
しかしあなたがプロの小説家を目指すなら、その「誰か」の意見はあまり参考にならないかもしれません。商業出版の世界にいる現役の編集者でさえ、作品を正しく評価し、アドバイスを行うのはとても慎重になります。
小説への評価には、どうしても個人的な好みや価値観が影響するものです。ましてやあなたと個人的な付き合いのある親しい人であれば、あなたという人物への評価も加味されてしまいがちになるでしょう。
本気で創作をするならば、他人の感想は参考程度に受け止め「自分の書きたいもの」「良いと思うもの」を書くんだ! という信念を、創作の力にしていきましょう。
小説のアドバイスなら「プロによる講評」がオススメな理由
小説を読んでアドバイスをもらおうと思えば、依頼できる場所はたくさんあります。しかしすべてが参考になり、良い指摘をもらえるのかといえば疑問がのこります。
ではどこで講評をしてもらうのがベストなのかというと、「その道のプロ」が適切でしょう。
講師がプロなら商業的なアドバイスをもらえる
講師が現役の商業出版業界にいるプロの小説家、編集者なら、初心者からプロを目指す上級者まで、レベルに応じたアドバイスをもらえます。
プロの目線で、商業流通にのれる作品かどうかを見極め、ふさわしい講評をもらえるのは、プロ小説家を目指す人にとって大きな力になるでしょう。
新人賞に応募する前に、そのレベルに達しているかという視点で意見をもらえるのも、プロによる講評をオススメするポイントです。
自分の作品がどの賞を狙えそうなのか、新人賞を狙うにはどんな部分が足りないのか、応募前に確認できることで成功の確率は大幅にUPします。
プロの講評で「作家性」を伸ばせる
新人賞の受賞やプロ小説家としてデビューするために欠かせないのは「作家性」です。
そつのない文章が書けたとしても、何か他とは違う光るものが無ければ、プロの狭き門を突破するのは難しいでしょう。
小説家の個性を見出し、良い部分を伸ばせるようにアドバイスするのは、長年商業出版に携わっている現役のプロでなければできないことです。
目標に合わせてアドバイスしてもらえる
はじめて小説を書いてみたいので基本を知りたいという方から、新人賞をとりたい方まで、それぞれの目的にあわせたアドバイスができるのも、さまざまな現場を知るプロであればこそ。
特にプロを目指している方にとっては、現役の編集者視点によるアドバイスが役立つこと間違いなしです。
小説を添削してほしいと思うなら「プロの講評」を選ぼう
頑張って書いた小説が商業流通の世界で通用するものなのか、他人が読んで面白いものになっているのか……小説を書く多くの人がそんな不安を抱えているもの。
だからといって、安いから、お手軽だからと、安易な気持ちで小説添削サービスを選んでしまうのはNGです。
本気でプロを目指すみなさんには、商業流通の世界で活躍している現役のプロが、しっかり「講評」をしてくれるサービスを選んで欲しいと思います。
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(特別なプランのため、申し訳ございませんが、人数は限定させていただいております)
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【当記事は『榎本メソッド-on-line-公開講座』編集部によって執筆されました】
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