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【感想】映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』

※ネタバレ注意
別所で以前書いた感想をそのまま持ってくるのは忍びなかったので、改めて鑑賞し、加筆して書いております。

【あらすじ】
魔物や幽霊、妖怪などが人と共存する街、鎌倉。ミステリー作家の正和は年若い妻・亜紀子と結婚する。彼女はその生活に驚きつつも楽しんでいるようだった。そんなある日、病に倒れた正和が目を覚ますと、亜紀子は不慮の事故で亡くなっていて、黄泉の国に旅立っていた。正和は妻の命を取り戻すため、たったひとりで黄泉の国へ向かう。

MOVIE WALKER PRESS


【登場人物】
一色正和:堺雅人
ミステリー作家。幽霊や魔物に詳しいため、警察と協力し事件も解決する。本業の小説執筆活動や捜査協力に加え、鉄道模型収集や、熱帯魚飼育など多趣味で日々忙しく過ごしている。そんな彼にはある秘密があり、それが原因で“結婚”に疑問を持って過ごしていたが、初めて会った時に強く運命を感じ、亜紀子と結婚する。

一色亜紀子:高畑充希
編集部のアルバイトで正和の自宅を訪れたことがきっかけで年の離れた正和と結婚することになり、一色家へ嫁いでくる。結婚当初は賑やかな生活や、不思議な鎌倉の様子に困惑しながらも、死神や貧乏神との生活を楽しむ。

本田:堤真一
正和と腐れ縁の編集担当で、たびたび一色家に足を運ぶ。妻と娘と三人で鎌倉に暮らしており、家族を大切に想っている。明るくお調子者の一面もあるが、実は我慢することも多く、酒の席では思わず本音が漏れることもしばしば。

キン:中村玉緒
一色家の家政婦。年齢は85歳と言うが「夫は日露戦争に行った」などとも発言しており、実年齢は130歳と思われる。正和が好きな料理を教えるなど一般的な家政婦の業務に加え、魔界の食べ物にも詳しいなど不思議な存在。

FILMAGAより


CGやVFX満載の和製ファンタジー。
原作の割と何でもありな世界観をどう表現するものか、と思いきや、シナリオと役者の演技力も相まって全く違和感なく楽しめます。
頭空っぽにしてのんびりしたい時は、作業用BGV代わりにして垂れ流しています。夫婦愛とか家族愛とかハッピーな作品が観たい方はオススメです!!!

原作を読んでいなくても、原作を読んだことがある方でも、違和感なく楽しめるんじゃないでしょうか。原作でちょいちょいあった権利的に危ない固有名詞(パロディもの)とかは名称が変更されてたりしますが、それ以外は物語に入り込みやすいように、原作エピソードを上手く織り交ぜて一本の映画になっています。
CGやVFXが多過ぎるという意見もありますが、減らすのは無理なんじゃないですかね……人間と同じように妖怪や魔物、神様が昼夜問わず、その辺をうろうろ歩いている地域が舞台ですから、これを着ぐるみだけでやる方が却って滑稽になるのでは?と感じます。動きはもちろんですが、表情が豊かな魔物も多いんですし。

本編前半が鎌倉という特殊な街の世界観と一色夫妻の日常風景、そして夫婦仲の良さを強調した内容となっていて、ここを敢えて強調することで後半、魔物の策略によって妻の亜紀子が黄泉の国にいってしまい、夫の正和が命を掛けて取り戻す一連のシーンが映える形となってます。
しかし、前半の世界観説明と夫婦の日常風景に重きを置き過ぎたせいで、後半のアクションシーンが薄いと言う意見も見ます。しかし、アクション映画と謳っているわけでもないし、かのハリー・ポッターだって一作目は魔法界やホグワーツの紹介など、独特な世界観ゆえに設定説明の方が多かったじゃないですか。
この作品も今後シリーズものとしてやっていくのなら、世界観の説明はこれぐらいの尺は必要だと思うんですよね。妖怪や魔物、神様等が昼夜問わずうろついてる特殊な土地柄に、見慣れない魔界の食べ物や道具がいっぱいある昭和レトロチックな世界観。
現代の日常風景からあまりにかけ離れ過ぎていて、説明が少ない方が困りそうなぐらい、いろんなものが溢れています。そういう意味でも新婚旅行を終えて一色邸に嫁いできた妻の亜紀子が、視聴者目線で作品に入りやすい。
続編映画も欲しいけれど、個人的には連続ドラマ化して欲しい。子供と一緒に楽しめそう。

名シーンや名台詞はいっぱいあって選べないけど、とにかく一色夫婦が悩んだり困ったり、喧嘩をしつつも何だかんだイチャイチャラブラブというのが一貫していて最高でした。
こういう作品は変な横槍が入ると萎えちゃうものですが、前世どころか平安時代から転生した後も一緒になれるよう、まじないを掛けている二人なので、妖怪だろうが魔物だろうが引き裂けないっていう大前提が熱いです。

しかし、興行収入的に売れなかったわけじゃないのに、どうして未だに続編の話が出ないのだろうか。それとも水面下でこっそり制作中なのでしょうか……?

正直言うと、和装の堺雅人が美しい&イケメン過ぎて最高なんです。スーツ姿も良いけど、和服も頼むもっと着せてくれ!!!



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