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学生によるフライヤーの作り方ーデザインは、インプットの切り貼り - IT×お化け屋敷「怨の家」制作裏側

岐阜県大垣市の古民家をリノベーションしたイベントスペース「ennoie ミドリバシ」を貸し切って開催したお化け屋敷「怨の家」(主催:合同会社4D Pocket×カラメル、協力:HOPTER TECH SCHOOL)。
その制作の裏側をお見せします。

IT×お化け屋敷「怨の家」デザイン担当の小寺 真里亜です。

街で見かけるチラシ・フライヤー・広告。それがどのような過程を踏んで作られているのか、私は専門学校で作り方を学ぶまで知りませんでした。
”情報”が人の手に取ってもらえる形になるまでにどういう過程を踏むのか、ここに私の備忘録として今回のフライヤーの作り方を記すことで、

  • デザインを学び始めた人

  • フライヤーを作ってみたい人

誰かの力になれたら幸いです。
また、フライヤーへのこだわりを併せて知ってもらえたら嬉しく思います。


1. 情報をまとめるー原稿制作

まずはフライヤーに載せる情報を文章化します。
フライヤーに載せる情報は、フライヤーを手に取った人に伝えたいことを意識してまとめます。ここで、伝えたい情報の優先度を決めておくと、後々デザインを制作しやすくなります。
原稿制作には、Googleドキュメントを使用しました。

原稿作成の様子(Googleドキュメント)

2. イメージを固める

デザインを制作する上で、私が一番大事にしていることです。
それは、参考資料をたくさん探して、集めて、見ることです。

単語を知っていれば会話が容易になるのと同じで、より多くのデザイン表現を知っているとアイデアの引き出しが増え、デザイン制作がスムーズになりやすいです。

まず私は、ホラーにあまり縁がない人生だったので、知識がありませんでした。そこで、Pinterest(https://www.pinterest.jp/)でホラーを題材とするゲームや映画、メディアを漁りました。一通り見た中で、ホラーを表現するのに多く使われている要素を見出しました。
それは、

  • 赤文字を目立たせたい部分に効果的に使用している

  • 書体は明朝体が多い

  • トーンは黒主体 他青・緑が多い

”怨の家”のフライヤーではこれらの要素を取り込み制作しました。

3. データを制作する

イメージが固まったら、ひたすらデータを制作していきます。
データ制作には、「Adobe Illustrator」を使用しました。

データ制作の流れとしては、

  1. ラフを手描きする

  2. ラフに沿って「Adobe Illustrator」で「白黒」でレイアウトする

  3. 色、テキスト入れ

  4. 最終調整

といった感じです。

一人で作らず、周囲の人にどんどん見てもらい意見をもらいましょう。

そこで制作の際、ひとつ大事にして欲しいのは、色や形に理由のあるデザインをするということです。
誰かに見てもらうと、自分にはない視点でアドバイスを貰えるので非常に参考になるのですが、デザインがぶれやすくなってしまうという事もありえるからです。
自分で理由を語れるデザインにすると、ブラッシュアップも良い方向に向かうと思います。

フライヤーのラフ

4. データを入稿する

データが完成したらいよいよ入稿です。
個人でしたら、ネットで印刷をお願いできるところがおすすめです。
今回、私は、グラフィック(graphic.jp)で入稿しました。はじめは戸惑うかもしれませんが、入稿の仕方はサイトに丁寧に書かれているのでそれを参考にしましょう。

ネットで印刷をお願いするといえど、多くの紙や加工から、自分のイメージに沿ったものをこだわって選ぶことができます。

”怨の家”のフライヤーには、「アラベール ホワイト」という紙を選びました。
きめの細かいしっとりとした手触りで、素朴さを感じさせる紙です。
古民家を舞台にした、和ホラーがモチーフの”怨の家”にぴったりだと思い、この紙にしました。

紙もテーマに合ったものを選ぶと、更に納得のいく仕上がりに近づきます。
また、他のフライヤーとの差別化を図ることで、顧客がフライヤーを手にした時のユーザー体験を高めることもできます。
紙のサンプルは、無料で取り寄せられるところも多いので、今後のためにも取り寄せて見比べてみると面白いと思います。

ここまでの手順を終えたら、あとはフライヤーが手に届くのを待つのみです。
画面上で見ていたデザインが、自分の手にとれる”紙”という形になると、また違った印象をうけますし、感動もひとしおです。

完成版フライヤー(裏)

5. 最後に

こうしてフライヤーが作られていると知ると、見方も少し変わってきませんか?
実際に手にとって、「こういう意図があるんだな」と感じ取ってもらえると嬉しいです。

また、もしフライヤーの内容に興味を持っていただけたという方は、ぜひ「怨の家」にお越しください。

(他のスタッフのnoteもぜひご覧いただき、そのこだわりを知ってもらえるとより「怨の家」を楽しめると思います!)

現在、全制作スタッフが各専門分野で力を発揮し、制作を進めています。

「今までにないお化け屋敷を体験したい。」

そんなあなたを、スタッフが心よりお待ちしています。



この家にあの子は奪われた――
ITを用いた驚かせ役がいない前代未聞の無人お化け屋敷「怨の家」
日時:8月27日(土)・28日(日)
参加:完全予約制(32組限定)
場所:ennoie ミドリバシ(岐阜県大垣市西外側町2丁目46)
https://ennoie.4dpocket.co.jp/

「怨の家」スタッフ
【プロデューサー】石郷 祐介(合同会社4D Pocket)
【総合ディレクター/演出】青木 聖(カラメル)
【アートディレクター】中村 魁斗(HOPTER TECH SCHOOL)
【テクニカルディレクター】佐藤 宏樹(カラメル)
【演出補佐/撮影/広報】清水 亮太
【演出補佐/デザイン/Web】出口 瑞渉(HOPTER TECH SCHOOL)
【デザイン】小寺 真里亜(HOPTER TECH SCHOOL)
【開発】間宮 祥太(サン企画)、石原 武流(HOPTER TECH SCHOOL)、木村 俊行(HOPTER TECH SCHOOL)、地海 斉樹(HOPTER TECH SCHOOL)、若林 亮吾(HOPTER TECH SCHOOL)、江﨑 亜美(HOPTER TECH SCHOOL)、奥村 元春(HOPTER TECH SCHOOL)、後藤 翔哉(HOPTER TECH SCHOOL)、中島 暢慎(HOPTER TECH SCHOOL)、深尾 真矢(HOPTER TECH SCHOOL)、山田 さくら(HOPTER TECH SCHOOL)

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