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中小企業の面接官が陥っている、間違った面接とは?

求職者の何を見抜こうとしているの?

中小企業の面接に立ち会っていると、
「この面接官は何を知ろうとしているのかな?」
と思うことが多々あります。

面接をする以上、面接官には「意図」「目的」があり、
当然のように質問には「意図性」があるはずです。
つまり、その企業の「採用目的」に沿って、
質問されていくことになります。

大部分の企業における「採用目的」は、
「仕事のできる優秀な人材を採用すること」
であることは間違いないでしょう。
ここで言う、仕事のできる優秀な人材とは、
各企業の人物要件によって異なりますので割愛しますが、
必要であれば、以下の記事を確認してみてください。

仕事のできる優秀な人材を見抜くために、
面接官として、どんな質問をするでしょうか?
どんな問いかけをし、何をしているでしょうか?

「学習経験」を評価して採用すると、ミスマッチが起きる!

面接官が見抜こうとしているのは「学習経験」と呼ばれるものです。

学習経験とは、
人が学校や職場、社会などで経験し、習得した知識や技能、スキルのことを指します。学習経験は、人間の能力やスキルを高めるために必要な要素であることは間違いありません。
しかし、学習経験は、変えることのできる要素です。

例えば、Aさんは、「時間には間に合えばいいよ」という会社で働いていました。Aさんはこれを「学習」していますので、遅刻はしないものの、出社やアポイントは常にギリギリ。だって「時間には間に合えばいいよ」と学習しているわけですから。
このAさんが転職しました。転職先は「10分前行動が原則」という会社であり、約束の10分前に現着し、約束の時間までに準備をすること、というのが社内のルールです。Aさんは、最初は戸惑うものの、学習していきますので、しばらくすると、この会社のルールに慣れていき、できるようになります。以前の会社ではギリギリだった出社やアポイントも、10分前には出社している、アポイント先に着いているようになった。

このように「学習経験」は良くも悪くも変わるもの、変化するものです。
面接の段階で、既存社員にはない、学習経験によって培われた要素を評価して入社させたとしても、いざ仕事をさせてみたら既存社員のやり方に染まってしまい、結局ミスマッチだったと嘆く経営者が多いのは、こうした理由からです。

仕事のできる優秀な人材を獲得するための面接とは?

求職者がこれまでに培ってきたスキルや姿勢(スタンス)などの学習経験も重要な要素ではあります。しかし、それだけでは入社後のミスマッチを生み続けることになります。

面接官が見極めなければならないのは、求職者が生まれながらに持っている本人独自の価値観や思考、行動パターン、すなわち性格の本質の部分です。

私は性格や心理学の専門家ではありませんので、詳細な性格のことはわかりませんし、その話をしたいわけではありません。
あくまでも面接で見極めるべき性格の話です。
面接において、私が区分している性格は3つです。
「学習経験」
「幼児期の体験」
「本質」
です。
学習経験は、いくらでも変化するもので、本質は変わらないもの。幼児期の体験は変え難いものとして判断しています。


例えば、挨拶ができない。すなわち礼儀礼節がなっていない人がいたとしましょう。この場合、学習経験がないから挨拶ができないのか?それとも本質的に礼儀礼節に欠けている人材なのか?を見極める必要があります。

学習経験がないのであれば、入社後に教えれば済むことなので、面接の段階では問題視しません。しかし、本質的に礼儀礼節に欠ける人材、すなわち入社後に教えても変わらないのであれば、採用すべきではないと判断します。

この本質の部分は、単純に質問すれば良いということではありません。そのため、どんな質問をすればいいのか?どんな風に振る舞えばいいのか?ということではなく、面接官自身の本質やスキルが重要になってきます。

特に中小企業でミスマッチが起きると大きな痛手となります。
中小企業はなかなか応募者が来ないため、母集団を作ることに必死になりますが、もっと面接スキルをあげることをおすすめします。


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