エンケルとハレ

東京諸島唯一のチーズ職人。 人々が目を瞠り、誰もが話題にせずにはいられない「特別なもの…

エンケルとハレ

東京諸島唯一のチーズ職人。 人々が目を瞠り、誰もが話題にせずにはいられない「特別なもの」ではなく、気張りもしないし、気取りもしない。背伸びもしないし、萎縮もしない。無理もしないし、無駄もしない。それでいてまっすぐ背筋の通った『普通もの』を私たちは手作りしています。

最近の記事

地元に住む生産者の約束

新しい商品ではないけど、これまで細々とやっていた※ファーストチーズのラベルデザインの打合せをしました。 ※離乳食をスタートする島内の子供にリコッタチーズをプレゼントしています。 離乳食をスタートする子供が初めて口にする食べ物は「地元に住む生産者の約束」でありたい。というエゴのような願いがあります。 美味しいとか安全とか、そういった類のことは基本にあって。だから、ここでいう約束は、離乳食を始めた子供が成長していく過程に「寄り添う味(味覚のふるさと)」を作っていくこと。良い舌

    • Quattro Formaggi

      妻がフットサルチームを作ったタイミングで声が掛かり、簡単な指導をすることなった。練習は週一で廃校の体育館で行っているが、コロナの影響で体育館の利用が出来なくなった。 活動休止前に中学生たちが体育館の前で遊んでいたので、声を掛けたら一緒に試合をすることになった。彼らもコロナの影響を受けていて久しぶりに体を動かしたと喜んでいた。 その日のたった1時間が相当楽しかったようで、彼らの親から「またやりたいって言ってるんです」とか「来週も練習ありますか?」と連絡があったのと、自身の運

      • どうやって暮らしたいか?

        この一年は自分の働き方を見つめ直す時間にもなった。 初めて入社した会社は新規事業の立上げ、その次の会社やさらに次の会社も同様で常に創業期の真っ只中にあった。そんな会社で働いてきたので「週7労働」が当たり前となっていた。そして気がつけば「休日を取ることへの罪悪感」すら芽生えていた。 子供が生まれて、歩けるようになった。ほぼ同じタイミングで独立。 今のリズムで働いていくことを見つめ直し、「働くこと」の上流にある「どうやって生きていきたいか?暮らしていきたいか?」を考えること

        • ちいさないのち

          小さな命が落ちていた 雨が降る寒い朝 隠れることもなく 道路の端っこに 小さな足をちょんと揃えて座っていた 小さい時から「小さな命」を見つけることに長けていて、息があれば拾ってしまうし、息がなくても拾って埋めるような性格。 この日も製造に向かう車から「小さな命」を見つけ、車を止め、抱き抱えて、家へと戻った。 奥さんも同じような性格。バトンタッチをして会社へと向かう。 製造中に逐一現場報告が届く。 動物病院での診断の結果「激しい栄養失調」の影響で片目を失ってい

        地元に住む生産者の約束

          ブッラータ

          5年くらい前からチャレンジしていた「ブッラータ」という名のチーズ。当時はひとりで作ることは難しいと思っていて、2人でチャレンジしていたけど、うまく作ることは出来ななかった。 Youtubeで検索するとイタリアのチーズ職人たちがいとも簡単に作っている。何度も何度も見て、イメージを膨らませて、挑戦して、でも上手くできなくて。数年もその状態で。進歩を感じれなかった。 だから先ずはブッラータの中身の「ストラッチャテッラ」を商品化をして、その素晴らしさを知ってもらいつつ、ある程度、

          大切にしていること

          エンケルとハレが大切にしていることを箇条書きしてみると46個ありました。今後、増減があると思うけど、箇条書きに肉付けをして明文化を進めていきたい。 1. 大量生産しない、大量販売しない 2. マーケットを追わない。トレンドを追わない 3. ブルーオーシャンを攻める 4. やらないことをはっきりとさせる 5. 悪条件を活かす 6. ターゲットを100人に絞り込む 7. わかる人に評価してもらう 8. ミスマッチをなくす 9. お客さんに勝手にPRしてもらう 10. 価格を上げ

          大切にしていること

          チーズケーキアイランド構想

          「美味しい」は人を呼ぶ力がある。 特にお肉はその力が強いと思っている。 ブランド牛がいない八丈島においては、食文化を再構築する意味でも取り組んでいきたいことのひとつ。 ↑ゆーゆー牧場(八丈島)で生まれ育ったジャージー種去勢のお肉。 島のブランド牛構想はこれまでも取り組んでいるけど、色々と課題もあり、来年とか再来年に形に出来るか?と問えば、答えは「難しい」が今言えることだ。ただし、凄い美味しいお肉なので早く形にしたい!というのが本心でもある。 そんな中、食文化の再構築

          チーズケーキアイランド構想

          経験と感覚と数値

          これまでつくってきたチーズたちが装いを新たにリニューアルしました! どれも素敵なデザイン。だからこそ身が引き締まりますね。 全てのチーズが愉しめるMANGPHA(マンパー)と名付けたセットがお買い得です!是非お買い求めください! また夏の終わりをゴールに5種類ほどチーズが増える予定です。 最終的には12種類くらいになるかと。 これまで、経験と五感と野生の勘を頼りに製造をしていましたが、今月よりpHメーターを導入してさらなる向上を進めています。 数値がわかるのは面白

          経験と感覚と数値

          候補地を探して

          製造が休みの日は工房とカフェと住居の場所探し。 外せないのは海が望めること、訪れた方が『こんなとこに!』って思うような場所であること。 この細道はどこへ続くのだろう?って道に入っては、 『へぇ〜!こんな場所があるんだ!』とか『こうやって暮らしてる方もいるんだ!』って車中で盛り上がる。 もちろん、車から降りて、いい感じがするかどうかみたいな直感を一番大切にしてて、その次に、生えてる植物を見て『ここは水が豊かだね』とか『地盤がしっかりしてるね』とか。そういったチェックも欠

          候補地を探して

          スタンス

          チーズ職人に出来ることは1%くらいしかないと考えている。 パズルで例えるならば『最後の1ピース』をはめ込む作業だ。 牛の体調・季節の変動・給餌する草のバランスなど様々な要因で『最後の1ピース』の形は変わっていく。 毎回『最後の1ピース』の形が違うから、経験と勘が頼りになる。 同じ条件で作れることはほとんど無い。 常に五感をフル動員で、時には六感や七感に委ねてみたりもする。 製造前には必ず試飲し、ある程度の製造プランをイメージする。 そして発酵後やカードのカッティング時で

          魔法のことば

          商品名はどうしようか。 悩む日々が続く。 地域の名前、言葉、動植物の方向で調整をしていた矢先、 出張先で偶然出会った本が新しい方向性となった。 その本は 『なくなりそうな世界の言葉』創元社 著:吉岡 乾 今残っている言葉は平均値だと思うことがある。 グローバル化が進むほど文化が平準化されている気がする。 言葉に宿っている力が薄まっている気がする。 無くなってしまった言葉や無くなってしまいそうな言葉。 そして耳馴染みのない言葉の響きには どこか魔法のようなものを感じる

          会社名の次に決めたこと

          会社名が決まった! ナチュラルチーズ事業、カフェ事業、レストラン事業、宿泊事業、肉牛事業、養豚事業、教育関連事業とやりたいことが沢山ある。 先ずはナチュラルチーズ事業を確かなものにしていきたい。 会社名=工房名でもいいのだけど、これからやりたい事業の幅を考えると、それぞれに名前があった方がいいなと思い、またまた奥さんと連日会議。 たくさんの候補から導かれたのが、 『エンケルとハレ』 エンケルとはスウェーデン語で『普通でちょうどいい』という意味の言葉。 日本語で普

          会社名の次に決めたこと

          会社名

          前からあった独立の話が本格的になってから、会社名をどうしようかと奥さんと会議する日々。 横文字、カタカナ、平仮名、漢字、造語。 いろいろと頭に浮かんだ候補たちを眺めては決定には至らない日々が続く。 とある日顳顬の奥から声がして〜♪ 「団欒」という言葉が降ってきて、欒という漢字の意味を調べてみたら、これまで出ていた候補名を纏めてくれている気がした。 欒という漢字には、団欒(だんらん)/まるい/親しい人が集まって、和やかに楽しむさま といった意味がある。 そして「欒」