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【ぐるっとパス2024・2周目4】郷さくら美術館/涼-夏を楽しむ-現代日本画

こうも暑いと目からも涼しくなりたい。会期・2024年7月2日(火)~9月8日(日)早めのギャラリートーク日(7月13日(土))に合わせ来館。

会期早々だが土曜日なので身構えて行ったが、それほど人出も多くなく、ソファに座ってぼーーーっと、も可能。

2階

★「Uneri」野地美樹子

「Uneri(左隻)」野地美樹子 2021~2022年、取材地・徳島県鳴門市

波がうねる音や水しぶきを感じるかのような絵だった。

「Uneri」部分


実物を見なければ分からない、波に描かれている色や点。そうよね、実物はこんな風に色々なものが浮いていたり、思わぬ色が見えたりするもの。そういったものを描きこむことによって、絵から五感が刺激される。

《作家の言葉》
生きる事は、葛藤の波をいくつも超えていく作業のようです。鳴門の渦潮を眺めていると、人生と重なって見えます。どこに現れるかも分からない、一つの渦が消えると、また新たな渦が現れ、繰り返してゆくのです。

郷さくら美術館


★「緑嶺りょくれい」中村宗弘

緑嶺りょくれい」中村宗弘 1994年



一番気に入った絵はこれ。

★「緑林りょくりん」林潤一

緑林りょくりん」林潤一 1996年、取材地・白神山地及び蔦温泉付近

《作家の言葉》
自然の大きさや偉大さに美しいを超越した畏敬の心が生まれます。広大なブナ林は日本の原風景です。

郷さくら美術館

白神山地はいつか必ず行きたいと思っている地。

「緑林」部分
「緑林」部分
林の奥に、動物のような生きものが描かれている!?



同じく林潤一氏によるこちらは朝顔、

★「爽暁清韻そうぎょうせいいんⅠ・Ⅱ」林潤一

爽暁清韻そうぎょうせいいんⅠ・Ⅱ」林潤一 1992年、取材地・京都府 自宅の庭


★「木漏れ日」佐藤しん

「木漏れ日」佐藤しん 2007年

《作家の言葉》
静寂が木魂こだまする
森の底
濾過ろかされた光の
格子の中に
        ふたつの孤独が
        佇んでいる

郷さくら美術館

濾過された光、だなんてこの方「詩人」でもある。

「木漏れ日」部分

画家が云うところの「孤独」はこのつがい?の鳥なのだろうが、私からするとこれは「孤独」ではない。世界は「私たちだけよい」と、自らがその孤独を引き受け、生きている。片割れがいるだけで、その世界は完璧に完全になる。


★「高原の花」渡辺信喜

「高原の花」渡辺信喜 1996年、取材地・信州蓼科

同じ画家によるこちらは、

★「朝顔」渡辺信喜

「朝顔」渡辺信喜 2000年、取材地・植物園(京都府)

この「朝顔」もそうだが、絵だけアップしてもその大きさが伝わりにく。結構大きな絵で、その隣の人物画も等身大くらい。

3階


★「夏Ⅰ朝」青山亘幹のぶよし

「夏Ⅰ朝」青山亘幹のぶよし 1991年
「夏Ⅰ朝」部分

この絵は浴衣の柄が気に入った。

吉原繋ぎ

日本には古来からたくさんの文様があり、それぞれに願いや祈りが込められている。

吉原繋ぎ:四角形の四隅をくぼませた形を繋ぎ合わせてしま模様にしたもの。江戸時代最大の遊郭であった吉原の名前が由来となっている。吉原の遊郭に一度足を踏み入れるとなかなか解放されないことからこの名がつけられた。「一度踏み入れると…」 というネガティブな意味とは異なる思いも込められていて、連続的につながれた鎖のような文様は、人と人とを結ぶ良縁を意味しており、人間関係を豊かにするという粋な思いも込められている。

★「ひかりの記憶」村田裕生ひろき

「ひかりの記憶」村田裕生ひろき 2023年
左から、「涼風」、「生命」、「瞬間」、「静寂」、「迎光」


★「神象しんしょう 那智」吉田舟汪しゅうおう

神象しんしょう 那智」吉田舟汪しゅうおう 1995年、取材地・和歌山県東牟婁郡ひがしむろぐん 那智の滝

絵を見るだけで幽玄さに心洗われるようなんだから、実物はどれほどだろう。

ぐるっとパス2024で2周目、行ったよ
1. 泉屋博古館東京 1,000円
2. 熊谷守一美術館 700円
3. 東京都庭園 1,400円
4. 松岡美術館 1,200円
5. 郷さくら美術館 800円

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