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【美術展】美術館の春まつり@東京国立近代美術館

桜の開花前に、桜を見に。
企画展は見ずに、「所蔵作品展 MOMATコレクション(2024.1.23–4.7)」と「美術館の春まつり(2024.3.15-4.7)」を17:00以降に入場したので300円で堪能。美術館へは午前中に行くことが多いのだが、19:00からの「春まつりナイトトーク」も楽しみの一つだった。

「行く春」川合玉堂 1916(大正5)年

長瀞(埼玉県秩父郡)の光景を舞い散る桜とともに描いた作品。六曲一双(ろっきょくいっそう)の大画面がお出迎え。

「行く春」を左側から入口方向へ撮ってみた



こちらもお題は春を思わせる、

「花ひらく木をめぐる抽象(Abstraction with Reference to a Flowering Tree)」パウル・クレー 1925年

微妙に揺らぎながら周囲に向かって大きく、そして暗くなっていく四角形の連なりを見ていると、現実世界にある特定の花の色や形よりも、ゆっくり開こうとする花の「動き」が感じられませんか?

東京国立近代美術館

山吹(やまぶき)色、蓬(よもぎ)色、胡桃(くるみ)色、白の連なりの部分が描く微妙な左寄りの曲線がその揺らぎを表現している。吸い込まれる美しさ。

4階の「眺めのよい部屋」からの夕暮れ
丸の内のビル群と皇居のお堀
「小雨ふる吉野」菊池芳文(ほうぶん) 1914(大正3)年

この絵の前に畳が置かれていて、「どうぞここにお座りになり花見気分をお楽しみください」のご案内が。写真にしてしまうとその大きさがうまく伝わらないが、座って見てみると確かに花見気分が味わえる。


あまりに有名な女の子の画、

「麗子肖像(麗子五歳之像)」岸田劉生 1918(大正7)年

劉生は生涯に三度、大きく画風を変えた。最初はゴッホ風、次にひたすら細かく描く「細密描画」、最後に中国や日本の古い絵画を参照した東洋画風。この作品は細密描画の時期のもので、愛娘・麗子を描いた有名なシリーズの最初の1点。

東京国立近代美術館
「麗子六歳之像」岸田劉生 1919(大正8)年


予想外に楽しかったのは、「芹沢銈介(けいすけ)」、

右 「木綿地型絵染文字文のれん 天」芹沢銈介 1965(昭和40)年
左 「木綿地型絵染のれん 一本松」芹沢銈介(昭和41)年

「私は、染ものの中でも終始暢々(のびのび)働ける『のれん』の仕事を好みます」

芹沢銈介

藍色、やっぱり好きだわ。それと作者自身も言うところののびのび感がいい。

「1967年のカレンダー」芹沢銈介 1966(昭和41)年
私の誕生年月( *´艸`)のカレンダー。私、日曜生まれだった。


これ欲しい!と思ったのが「小型絵」

東京国立近代美術館HPから
「小型絵 三、四、五」芹沢銈介 1979(昭和54)年 国立工芸館蔵


ギャラリートークは、絵の解説より「絵を楽しんでいただくためにどのように企画を立てているか」に力点が置かれていた。絵を、美術館を愛しているスタッフによるトークを楽しんだ。驚いたのが山種美術館のギャラリートークより断然オーディエンスが多かったこと。美術館そのものが山種よりよほど広いからそれほど見学者がいるとは感じなかったが、実は結構な人出があったのね。

芹沢銈介は「静岡市立芹沢銈介美術館」なんてあった!オンラインショップ見ているだけでワクワクする。行かなくちゃ!

2024年度のぐるっとパス。見ているだけで楽しい♪

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