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【読書】「マリエ」千早茜

この作家さんの本は5冊目。

「マリエ」千早茜

以前読んだ「西洋菓子店プティ・フール」の自分の読書日記を読んだら
『職人物好きなんだが、めんどくさい女子は嫌い。この程度のめんどくささは許す(<なぜに上から)。』
と書いていて、今回の「マリエ」の主人公も私的にはあまり好きになれない女子だったが、読みやすく、あ、分かるわ~、と感じいるところもあった。

夫が「恋愛がしたい」と言い出し、離婚した40歳目前の主人公の離婚後のお話。「離婚って失敗なの?」「恋愛と結婚って別物?」、おとなの女性の結婚と幸福をめぐる物語。

千早氏は「香り」をテーマにした著作が多数あり、この物語でも大切な要素の一つだった。

「頭が知っていることは言語化できるものばかりですが、嗅覚は頭よりずっと多くのことを知っているんですよ。言葉にはできないことも」
(元夫)森崎の匂いから距離を取りたくなってしまったことを思い出した。そうか、と思う。私の体はもう森崎と生きていくことはないと知っていたのか。

「マリエ」千早茜


そして、この考えにも激しく同意、

決定権とお金を持ち合わせ好みも定まった四十前後の大人の一人暮らしって最高では、とため息まじりで評した年末の早希の顔がよぎった。

「マリエ」千早茜

同意しつつ、ここに付け加えるとすると、というか一番大切なんじゃないかと思うのが、
自身と家族の心身の健康。

当たり前すぎて、日々の生活の中では思い至らないけど、思い至らないならそれはそれで「幸せ」なんだろう。

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