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脳下垂体卒中。オーストラリアで緊急入院のお話。

こんにちは。オーストラリアで入院中の情報をシェアしたいと思います。

まだワーホリ中だった2018年、生理がぴたりと来なくなった。
今までにない出来事で、環境の変化からの生理不順か何かと思い、その時住んでいた場所のクリニックに行って普通のピルを毎日飲む事に。
ピルを飲んでいる間、生理はきちんと来る。
4ヶ月間飲んだ後、数ヶ月経っても生理は来ない。
もう一度クリニックに行き、ピルを処方してもらう。また更に4ヶ月間飲む事に。
その間はきちんと生理が来るが、やはりピルを飲み終えた後は何ヶ月様子を見ても来る気配はない。そんな中コロナ発生。オーストラリアのビクトリア州はかなり厳しいロックダウンに突入。緊急な事がない限り病院に簡単には行けない状態に。
7ヶ月に及ぶ厳しいロックダウン後、引っ越した先のクリニックへ相談に行ってみる。
たまたまその先生の友達が、内部分泌の専門医らしく、もしかしたら脳下垂体に腫瘍がある可能性があるから、MRIを撮りましょうとの事。
初めてのMRIを受けて、数日後先生と結果を話しにクリニックへ。
先生の予想的中、脳下垂体に小さな腫瘍が見つかった。
癌ではなく、良性の腫瘍との事。
脳下垂体はホルモンの司令塔らしく、
私の場合、それが生理を止める原因になっていて、ホルモンバランスが崩れていた。
症状は人により様々で、何の症状もなく気付かない人もいるとの事。

オーストラリアではいきなり専門医に行く事は出来ません。クリニックの先生の紹介でないと行けません。先生の紹介でやっと専門医に診てもらえる事になりました。
私はロックダウン中にビザが降りたので、オーストラリアの保険証が持てるようになった。

しかし、ロックダウン後もまだコロナの影響で専門医から連絡が来るまで時間がかかった上、その影響で電話アポイントメントしか出来なかった。私の場合はMRIも終わり、状況もクリニックの先生から伝わっていたので、電話での対応で薬を処方すると言われたので、処方箋が送られてくるのかと思い、待っていたがその後音沙汰なし。

別の国の病院のシステムが全くわからず、専門医から連絡が来るのかと待っていたが、その後数ヶ月経った。
そして突然、おでこと目の周りらへんで何かが破けるような感覚の頭痛が起きた。
体験した事のない痛みに驚いてる暇もなく痛すぎてのたうち回った。
夜遅くだったので、冷やしながら痛みを紛らわし、その夜は寝たが、翌日左目があまり見えてない事に気付く。
まだ痛かった為、頭痛に効くとゆうアスピリンを飲んで、クリニックに行く事に。
別の先生から、専門医から何も届いていなくて、わからないから病院に行ってくれと言われた。
そして私は地元の病院に向かった。
病院の先生はとてもバタバタしていた。
おそらくそれもコロナのせいだろう。
5時間くらい待たされて結局その日は帰宅することに。

頭痛から3日後、ようやくCTを撮ってもらった。そして次の日病院に電話したところ、
「今すぐ緊急でメルボルンのAustin Hospital に行ってください。脳外科チームがあなたを待っています。手術をするつもりです」と言われた。
えっ?手術?まじか。
正直テンションが下がったが、この痛みがなくなるならなんでもやってくれと思い、腹をくくって病院へ。
病院に着くとすぐ脳外科チームが色々と聞いてくる。CTの結果、脳下垂体に出来た腫瘍が出血していると説明された。
アスピリンを飲んだ事を伝えると、えっ?アスピリン!?と驚かれた。
腫瘍に出血があるから、おそらくアスピリンで余計出血させてしまった可能性があると言われた。素人判断って絶対だめですね、、
もう二度としません。

3回くらい血液検査されて、いざ部屋へ移動。
入院した部屋は新しい癌病棟。めちゃ綺麗!

ナースは1日何度も視力検査と、脳がちゃんと機能しているかもチェック。
夜中も起こされて2分くらい毎日テストされる。
数日様子を見て、目が見えなくなるようなら目を救う為に手術をするとの事。
しなくていい場合もあるので、もう少し様子を見させてほしいと、結果8日間入院した。
その間に専門医はベッドに診察に来てくれる。
脳外科医、内部分泌医、目の専門医。
どうやらここの病院は国のトップクラスの名医達が揃ってるらしい。みんなとても良くしてくれました。

入院から数日後、同じ部屋に来お婆ちゃんが来た。とても不安そうにナースに話しかけてて、ちょっと辛かった。癌病棟だから、ほとんどの患者さんは癌で入院している。そんなお婆ちゃんがお手洗いに行く際に、ひたすら暇つぶしで折り紙を作ってる私に目を止めてくれて、褒めてくれた。
これはなーに?これは?って聞くから、ナマケモノとカメレオンだよ!良かったらあげる
って言ってプレゼントした。あんなに不安そうだったお婆ちゃんが、笑顔になってくれて、喜んでくれて私もすごく嬉しかった🥰

次の日一緒にティールームでお茶して、少し話していたら、どうやら10代のお孫さんが車椅子で歩けないらしく、その代わりアートがすごく上手との事。孫に絶対見せるって言って喜んでくれた。
私はアーティストではないが物作りやクリエイティブな事は大好きだ。

なんかとってもいい事した気分になった。
この気持ちを忘れたらあかん。
be nice be kind. 人には優しく。
心底実感しました。

コロナのせいで、プロセスにはかなり時間はかかったが、緊急の場合は行ってすぐ国のトップクラスの医者達が診てくれるというオーストラリアの公共のシステムはすごいと思った。
国のトップクラスの名医達がただの外国人の私のベッドに来てくれるのはおそらく日本ではありえない。例えるなら慶應大学院病院の医者達が診てくれるみたいなもんだ。
しかもタダで。そんな事日本ではあり得ない。
日本のいい病院は高い。
優先的にトップクラスの医者達が診るのは間違いなくお金持ちだけだ。

人々にとって必要なサービスに関しては、ビジネス化せず公共で行えるようにするべきなのだ。
お金がなくても安心して医療が平等に受けれるということは、人々が安心して暮らせる事に繋がる。国としていい国だと思った。

お金を払ってる人が優先的にいい医療サービスを受けれるなど、そんなシステムなど全く必要のない事なんだな。
助けが必要な人を、助けるのに格差はいらない。
やっぱり日本はどこかアメリカ寄りなんだなぁと。まぁ保険のないアメリカよりは全然良いので日本もありがたい方なのですけどね。

入院中はお金は一切かからないし、すごく快適で、ティールームでコーヒーとか何でも飲み放題。毎日おやつもくれるし、食事はメニューの中から選択出来るし、悪くなかった。
ナースさん達もみんなフレンドリーで、同世代くらいで友達みたいな感じ。
メニュー表の紙を手で正方形に切り、折り紙作ってたら、ナースさんが新品の病院用の小さいハサミくれたり、
アイスクリームくれってニコニコしながらくれるゲイのナースさんもいたり
癌病棟なので、アートのセラピストの先生とかも働いてた。
患者さんのベッドに来て一緒に絵を描いたり教えたり。
私はずっと1人で折り紙で遊んでたので、病院食メニューの折り紙に色塗らせてもらいたくて絵の具借りたり絵を書かせてもらったり。

そしたらプレゼントって筆くれた。いい事するといい事起きるなぁと。
楽しかったって言うのは微妙だけど快適に過ごせました😚


病院食メニューは私の折り紙と化してった笑

薬を飲み始めたら目も見えるようになり、無事に8日間で退院しました。

女性で生理に異変があった場合、私のように脳下垂体腫瘍の場合もある。すぐに医者に相談しましょう。

私も含め、コロナのせいで簡単に病院に行けずに苦しんだ人がいます。
その頃は本当にコロナで医療崩壊寸前で、病院の人手不足緊急の人が優先だったので、私のような命に関わる病気でない人を後回しにするしかなかったのです。
病院に行けない事で不安とストレスはかなりありました。

私よりも具合が悪かったのに、なかなか病院に行けなかった人、たくさんいたはずです。
その頃の反ワクの人の運動とか正直心が痛みました。

世の中の人全員が健康なわけじゃないんです。。
重症化を減らす事で、病院で働く人達の仕事を減らす事に繋がる。
あの状況ではもう、自分の身は自分で守りましょうという事ですよね。

選ぶのは自由ですが、思いやりのある行動を🫶

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